メソッズ・オブ・メイヘム、今回のコラボ相手はインターネット

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トミー・リー率いるメソッズ・オブ・メイヘムの最新アルバム『ア・パブリック・ディスサーヴィス・アナウンスメント』が9月15日とアナウンスされた。

◆トミー・リー(メソッズ・オブ・メイヘム)画像

トミー・リーは以前、この様なコメントを残していた。

「みんなどれも同じ、ルックスも同じ、ったく。ミック・ジャガーやデヴィド・ボウイたちはどこに行っちまったのかね。ロックには、ある程度の危うさが必要なんだよ。“こいつ、本当にショウの最後まで持つのか?”って思わせるようなもの。音楽も大事だけど、そういう要素がエキサイティングなんだよ。だからさ、みんな、もうちょっとヤバいことしてみようぜ!」──トミー・リー

ミクスチャー系ロック、ニュー・メタルというジャンルの代名詞とも言える名盤を世に送り出して11年。モトリー・クルーの中でも一際眩く鋭い、危険なオーラを放つカリスマ、トミー・リーが作り上げたメソッズ・オブ・メイヘムがこのプロジェクトに再び着手。

今までにないファン参加型システムをもって、彼は低迷するミュージック・シーンに真っ向から吼えた。ウェブ上にニュー・アルバムに収録されるインストゥルメンタルの楽曲をアップし、一般の応募者がアレンジを施して投稿するというものだ。トミー・リーとスコット・ハンフリーにアイディアが選ばれると、実際にアルバム制作に関れるのだ。

2009年10月5日にTHE PUBLIC RECORDのホームページにアップされた音源は、2010年2月の締切時には100万以上のページビュー、世界各国から10000以上のトラックがトミーのもとに届いたという。インドからハンド・ドラムのリズム・パート、日本からテクノパート、サンディエゴからのギターソロなど、そのバリエーションは世界規模だ。トミーは送られてきたデータファイルを全てチェックし、楽曲にフィットしたベストなパートを取り入れたという。日本からもファイナリストが選出されている。ファイナリストはこの作品の歌詞カード内に全員クレジットされているのだ。

トミー・リーは、メソッズ・オブ・メイヘム『メソッズ・オブ・メイヘム』、トミー・リー名義で『ネヴァー・ア・ダル・モーメント』『トミーランド:ザ・ライド』の3作をソロとして制作・発表しているが、各アルバムは明確に違うテーマと内容を持ち、それぞれに良さを持っていた。メタルとハウス、インダストリアル、ヒップ・ホップなど様々な音楽スタイルを取り入れた激しくミクスチャー色の強い作品、歌詞にパーソナルな内容が全面的に出ていた、ハード・ロック色の強い作品、そしてロックとポップ、エレクトロ二カを融合させた、聴きやすいポップ色の強い作品。今作は、この3作品それぞれの特徴を取り入れた、現段階でのトミー・リー集大成とも言える作品に仕上がっているようだ。

前作ではビースティー・ボーイズのミックス・マスター・マイク、スヌープ・ドッグ、リル・キム、キッド・ロックなど多くのゲスト陣が集まって制作されたが、今回のアルバムでは現時点でデフトーンズのチノ・モレノがゲストとしてアナウンスされているのみ。

「この作品は前作とは全く違うものになったよ。ヒップ・ホップもないし、豪華なゲストもいない。今作は俺、俺のバンド、そして世界とのコラボなんだよ」とトミーは語るように、今作のコラボ相手は現代テクノロジーの最たる化け物=PC/インターネットだ。それを通して世界中の才能溢れたミュージシャンをゲストに迎え入れている。

ボーダーラインをこえた世界初のデジタル参加型アルバム、その完成の息吹はもうまもなくだ。

『ア・パブリック・ディスサーヴィス・アナウンスメント』
9月15日発売
RRCY-21374/ \2,548(税込)
1.Drunk Uncle Pete
2.Time Bomb
3.Louder
4.Fight Song 05. Blame
6.Two Ways
7.Talk Me Off The Ledge
8.Only One 09. All I Wanna Do
10.Back To Before
11.Party Instructions
12.I Really Want You (日本盤ボーナス・トラック)

◆トミー・リー・オフィシャルサイト
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