-異種格闘技対談-Ring【round2】第6回/若杉公徳(漫画家)

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-異種格闘対談-Ring【round2】第6回

GUEST 若杉公徳(漫画家) / 逹瑯(Vo) ムック

「よく根岸くんっぽいっていわれるんで、ちょっと髪伸ばしてるんですよ(笑)」若杉

――今回は、『デトロイト・メタル・シティ』の原作者である、漫画家の若杉公徳さんにお越し頂いてます。

逹瑯:ここまで異種格闘技ってなかったよね、いままで。

――そうだね。個人的に漫画家さんにインタビューするのは初めてだから、興味深々で。若杉さんがちょっと早くいらして下さったんで、逹瑯くんがくる前、根掘り葉掘り聞いちゃって(笑)。すいません。

若杉:いえいえ。僕もここまで異種格闘技な対談は初めてなんで、楽しみにしてきました。

逹瑯:質問攻めにしたくなる気持ち、すげぇ解る。想像つかないもんね、どういう生活スタイルなんだろ? とか、純粋に疑問だもんね。っていうか、よろしくお願いします。

若杉:あ、はい。こちらこそ。よろしくお願いします(笑)。

逹瑯:俺、『デトロイト・メタル・シティ』大好きで、原作全巻読みました。

若杉:ありがとうございます。以前Tシャツもコラボして頂いて、ありがとうございました。

逹瑯:いえいえ。こちらこそありがとうございました。唐突ですけど、想像してた感じと随分イメージが違ってビックリなんですけど。なんか、普通にロック・ミュージシャンとかにいそうなタイプですよね。

若杉:え? あ、僕がですか(笑)?

逹瑯:はい。

若杉:どういうイメージでした(笑)?

逹瑯:なんか、もっと根岸くん(※『デトロイト・メタル・シティ』の主人公。フレンチ・ポップを好む心優しき青年。だが、デスメタルバンド、デトロイト・メタル・シティのフロントマン、ヨハネ・クラウザーII世でもある)っぽい人なのかと思ってました(笑)。

若杉:あははは。いや、でも、よく根岸くんっぽいっていわれるんで、ちょっと髪伸ばしてるんですよ(笑)。根岸くんみたいなマッシュルームカットにしたら、まんま根岸くんになっちゃいそうなんで(笑)。

逹瑯:あははは。なるほど(笑)!

――『デトロイト・メタル・シティ』のサイン会映像を拝見したとき、もっと厳つかった印象だったので……。( 真っ白なスーツに狐の襟巻き姿

若杉:あぁ、あれは、ちょっと派手に行けって編集長にいわれまして、頑張って会見前に買いに行ったんです。20万したんです、あのスーツ。

逹瑯:20万!?

若杉:はい。あのとき数回しか着てないですけど。買いに行く時、編集長も一緒についてきてくれたんで、いろいろと着てみて、“こんなのどうですかね?”っていったら、“それがいい! それにしろ!”ってすごく押されたんで、じゃぁ、ってレジに行ったら、まさかの自腹で……。

逹瑯:自腹で20万(笑)!? で、数回しか着てないんですか!?

若杉:はい。着る時は良かったんですけど、脱ぐ時にいつもなんか、いたたまれない喪失感に襲われるというか……何やってんだろ……俺……みたいな。素で根岸くんの気持ちが解ったというか。

逹瑯:あははは。でも、まぁ、着たときはそれだけのインパクトを与えられたかなってとこですよね(笑)。そのための20万だったと思えば、ま、いっかな、みたいな(笑)。で、そのスーツ、どうしたんですか?

若杉:地元でオークションに………。

逹瑯:あぁ、じゃぁ高く売れたんですね。

若杉:いえ。1万円でした(苦笑)。

逹瑯:あはははは(大爆笑)! そもそも、根岸くんのイメージはどこから生まれたんですか?

若杉:最初にストーリーを考えるとき、音楽に絡めたギャグ漫画を作りたいと思ったんですよ。それで、ギャップで笑いをとりたいなと思い、両極端なキャラ設定を考えて、根岸くんが生まれたんです。

逹瑯:へぇ~。俺、漫画家さんがどういう流れで漫画を完成させてってんのか、流れがまったく解らないんですけど、まずストーリーを考えるんですか?

若杉:そうですね。担当編集の人と一緒に“こういうのはどうか?”っていう話をするところから始めますね。(それ以前の、プロの漫画家としてスタートする)最初は、自分でストーリーも考えて漫画にして、賞に出すんですけど、そこで通ったら担当の編集の方が付いてくれるんで、掲載目指して頑張るんです。

逹瑯:へぇ~。ってことは、その担当編集の人が決まったばっかで漫画を描いてるときは、まだ掲載が決まってないってことなんですか?

若杉:はい。まだその段階では決まってないですね。まぁ、賞を取ってそのまま掲載が決まる人も中にはいますけど。

逹瑯:へぇ~っ! じゃぁ、掲載が決まってない漫画を一生懸命描くってことですか? それってすごいですね。だって、それが作品になるかどうかわかんない訳でしょ? それが世に出るかどうか解らないんですよね?

若杉:そうですね。

逹瑯:それってキツイですね。

――でも、逹瑯くんたちが曲作るときと同じなんじゃない?

逹瑯:あ、そっか。たしかにそうだよね。曲作ってたり歌詞書いてるときは、それが世に出るモノになるかどうか、まだわかってないんだもんね。そうだね。そっかそっか。そう考えたら同じかぁ。俺たちも、とりあえず曲作り期間といわれる期間に曲とか歌詞書いて、そん中から良かったモノを出すって感じなんですよ。

若杉:へぇ~。大変ですね。

逹瑯:お互いに大変ですよね(笑)。

若杉:そうですね(笑)。でも、僕もミュージシャンの世界はまったく未知なんで、純粋に“どうやったらミュージシャンになれるんだろ?”って疑問に思ってるんですけど。どうやったらミュージシャンになれるんですか? やっぱり事務所とかに資料を送ったりするんですか?

逹瑯:事務所に送られてくるパターンもありますね。うちの事務所に送られてきた音源も見かけるんで。でも、事務所に音源送るような他力本願な感じはダメだと思うんですよね、ミュージシャンの場合。レコード会社に音源送るんだったら意味が解るけど、事務所に音源送って売ってもらおうとする感じの他力本願な考え方のヤツはダメだと思うんですよね、基本。レコード会社も事務所も、やっぱ将来売れるアーティストっていうのを常に探してるから、アンテナ張ってると思うんですよ。だから、自然と話題になっていれば引っかかってくると思うんですよ、そのアンテナに。そういう流れで引っ張ってきたアーティストの方が、将来有望なんじゃないかなって思いますけどね、ミュージシャンの場合は。

若杉:なるほど。ムックさんはどういう流れでプロになったんですか?

逹瑯:ウチらは、当時のマネージャーが、仲のいいCDショップの店員さんに“最近おもしろいバンドいない?”って聞いたら、その人がウチらの名前を上げてくれたらしく、ライヴを見に来てくれて“一緒にやらないか?” って声かけてくれたんですよ。

若杉:へぇ~。じゃぁ、そこからCD作っていったんですか?

逹瑯:いや。その前からインディーズで、自分らで音源は作ってたんで、もうCDは存在してたんです。そこから事務所に入って様子見ながら、だんだん一緒にやるようになって、レコード会社がついて、みたいな、流れでしたね。

若杉:へぇ~。いや、地元でもやっぱりミュージシャンになりたいっていってたヤツもいっぱいいたんですけど、誰もなってないですからね。ミュージシャンってどうやったらなれるんだろ? って純粋に疑問だったんです。

逹瑯:俺らからしたら、同じく、漫画家ってどうやったらなれるんだろ? ですけどね(笑)。若杉さんは昔から漫画家になりたくて漫画描いてたんですか?

若杉:はい。小学校の頃からずっと漫画家になりたかったですね。『キン肉マン』とか大好きだったんで、真似して描いてて。まだ戦ったことのない超人を自分で勝手に戦わせてみたりして遊んでました(笑)。

逹瑯:あはははは。可愛いなそれ(笑)。でも、昔の少年誌に比べて、最近の少年誌の漫画って、ストーリーが緻密になってってますよね。『ONE PIECE』とかもよくできてるなぁって思うんですよね。途中で無理なく伸ばせる構想になってるというか。上手く作ってあるなぁって感心します。俺の中で、死んだ人間が生き返るか生き返らないかで大きく違ってくると思ってるんですよ。

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