lego big morl、様々な音楽を貪欲に吸収した新たな姿が映し出された2ndフルアルバム『Mother ship』特集

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lego big morl 2ndフルアルバム『Mother ship』2010.9.1 リリース

新たな高みを目指して約1年をかけ自らのスタイルを見つめ直した渾身の力作がここに誕生

INTERVIEW

――昨年から今年にかけて、かなりたくさんのフェスに出演しましたね。

タナカヒロキ:僕ら、結成当初からフェスに出たいと思ってやってきたので、やっぱり無意識にテンションが上がりますね、フェスは。

――とくに印象に残ったフェスは?

タナカ:2008年ですけど、<RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008>ですね。もともと出たかったフェスでもあるんで、出させてもらってうれしかったし、あそこはフェスとして独特の空気があるような気がするんです。お客さんもそうだし、ステージも、ほかの対バンさんも。

アサカワヒロ:僕は長崎の<Sky Jamboree'09>が印象に残ってます。出身が熊本なんで、高校生の時にお客さんとして見に行ってたフェスなんです。そのステージに立ってライヴができたっていうのは感動でしたね。今まではお客さん側から見ていたけど、初めてステージからの景色を見られたし。

ヤマモトシンタロウ:僕はB'zさんが出てた去年の<SUMMER SONIC>。B'zさんは、僕がバンドを始めたころからずっと聴いててコピーしたりしてたんです。中学生のときにドームに見に行ったこともあるし、最近でも名古屋とかで見たんですけど、フェスでのB'zはやっぱり特別で、もうとんでもなかった。他のアーティストさんとは盛り上がり方も違ってましたね。やっぱりそういう憧れのアーティストと一緒に出るって特別な感じでした。

カナタタケヒロ:<SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2008>ですかね。ステージから落ちちゃったんで(笑)。その日コンタクトレンズを忘れちゃって、メガネだと吹っ飛ぶだけだから、もう裸眼でやったんです。ステージの前に行って盛り上げようと思ったら前の端がわからなくて落ちちゃった。

――ケガはしなかったの?

カナタ:しました、ステージに戻るときに(笑)。ステージが意外に高かったんで這い上がるのが大変だったんです。気付いたら足が血だらけ(笑)。

――今回の2ndアルバム『Mother ship』は1年がかりで完成したそうですが、曲作りはフェスやライヴの合間に?

カナタ:いや、むしろこの1年は、ほぼこのアルバムのために曲を作ってたという感じですね。フェスに出たりライヴもやってはいたんですけど、9割は曲作り。

――lego big morlって基本的にはライヴバンドだから、曲作りばかりやってるとライヴやりたくてウズウズしてたのでは?

カナタ:いや、そうでもないんですよ。1stアルバムのときのスタイルはもういいかな、って思い始めていた時期だったんで。自分たちの新しいスタイルを早く見つけたいと思っていたから、ライヴをやりたいというより早く次のモノを作りたいという感じでした。

――ということは、今回は1stとはかなり違ったアルバムを作ろうと思っていたんですか?

カナタ:どういうアルバムとかいう具体的なイメージはなかったんですけど、色々なジャンルに挑戦していきたいというのはありました。今までのスタイルから脱却したい、そのためにはどうするかということを考えてました。以前は視野が狭かったというか、近すぎるところを目指してたような気がしたんです。でも目指すのはそこじゃないなと。そこはもうやってる人がたくさんいるから、違うものを目指したいと思ったんです。

――でも以前のlego big morlのサウンドも、色々な音楽を取り入れているという印象がありましたが。

カナタ:いや、そうでもなかったんですよ。前は、昔の音楽とかを聴ける耳を持ってなかったと思うんです。とくにロックに関して。それで今回は色々な音楽を聴こうと思って、聴き始めたら良さがわかってきた。この人らはこういうのを聴いてたんや、みたいに辿っていって色々勉強になりましたね。

――『Mother ship』というタイトルは、“今後の活動の中で迷ったときに戻れる場所”といえる大切な作品に仕上がった、という意味でつけたそうですね?

カナタ:そうなんです。今のlego big morlサウンドの決定版、みたいな存在になったと言えると思います。

タナカ:みんなが一つのモノのためにできている気がしますね。メンバーそれぞれの演奏だったりフレーズだったりが、曲のため、歌のためにやれたというか。そういうのが今回大きかったと思います。

――確かにみんな演奏がすごくオトナっていう感じで洗練されたサウンドだし、抑えが効いてるというか、プレイヤーとしてのエゴがなく曲のために演奏してるのがよくわかります。

カナタ:そうですね。今回はあまりガツガツ行かなかったかも。サスティーンというか、楽器の伸びとか弦の振動してるところとかを大事にしてやった感じです。今までは隙間を埋めようとしてたんだけど、余韻っていうのかな、そういうのを大切にしたいと思ってたんです。

――話は逸れるけど、このアルバムがlego big morlというバンドにとって迷った時戻れる場所だとすると、4人にとって個人的に戻れる場所、それぞれにとっての“Mother ship”ってどんなところ?

タナカ:やっぱり大阪、というか実家。というか実家にいる犬、かな。あれ? この話あまり面白くない(笑)。えーと、キンタ(※カナタの愛称)はクルマじゃない? 実家の。

カナタ:おお正解、今本当にそう考えてた(笑)。今回、一番苦労したのはスタジオで作業することで、それがもう僕には苦痛で苦痛で。僕は基本的にクルマの中で曲を作るんですよね。今回それを意識して作れたのが「東京リュックサック」という曲なんです。だからもっと言えば、僕にとってはこの曲が帰ってこれるところ、みたいな曲なのかも。

アサカワ:僕は大阪のライヴハウスですね。どこか一つの店ではなくて、今まで出てた色々なライヴハウス。友達に会うのも楽しいし、お世話になった店長さんとかもいるし。久しぶりに行くと落ち着きますね。

ヤマモト:このメンバーといるとき、ですね。一緒に東京に出てきた4人だし、もちろん東京にも友達はいるけど、この4人でいるときが一番落ち着く。音楽をヌキにしても一番の友達なんで、相談とか言いやすいし。

カナタ:何? 一人だけ男の中の男みたいなエエ話(笑)。

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