【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第12回 プロモ盤とオリジナル盤

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D.W.ニコルズの鈴木健太です。

前回は最もプレスが早く、最も音がいいと言われる“プロモ盤”の話をしました。しかし一言で“プロモ盤”と言っても実際にはいろいろあるわけで、「プロモ盤ならみんな音がいいの?」という疑問が生まれます。たまたま、検証する良い機会に巡り合ったので検証してみたところ、おそらく稀であろう面白い(?)結果となりました。今回はそんな話…。


その検証に用いたレコードはTURLEY RICHARDS『EXPRESSIONS』。なぜこのレコードで検証したのかという話も後々述べます。

ではまずは通常のUSオリジナル盤から見ていきましょう。

ターリー・リチャーズの1971年の2ndアルバム。ワーナーからの'71年リリースなので、レコードレーベルは以前取り上げたジェームス・テイラーの3枚と同じ“鴬ワーナー”レーベルです。

実はこのアーティストのことはほとんど知らなくて、ブルーアイドソウル・AOR方面の人、というくらいのことしか知りませんでした。ツアーで京都に行ったときにふらっと寄ったレコード屋にて、この何とも不思議な雰囲気のジャケットとその傷み具合が妙に目に留まったのでクレジットを見てみると、Danny Kortchmar、Russ Kunkel、Lee Sklar …。そう、セクションの面々がバックをやっているのです! AOR方面の人だと思ってたのでちょっと躊躇しましたが(笑)、'71年リリースのアルバムということで買ってみました。というのも、70年代中後半にAORで名を馳せた人も70年代前半までは良質のアメリカンロック・SSW系サウンド、ということはよくあるからです。Boz Scaggsなんかはいい例ですね。

そんなわけで買って聴いてみたら、これが大当たり。曲も声も良い上に、サウンドはモロにSSW / スワンプ系の僕好みで、クーチのギターをはじめセクションの演奏も秀逸。キャロル・キングの「Child Of Mine」、ボブ・ディランの「It's All Over Now Baby Blue」なんかもカヴァーしてます。ソウルフルな歌声とバラード系の美しさに特徴があるのですが、やっぱり個人的に一番好きなのは南部臭溢れるA-1「Beautiful Country」でしょうか。



それ以来このアルバムはすっかりお気に入りの一枚になっていました。ところがあるとき、都内某レコードショップのセールにて、このアルバムのUSプロモ盤が叩き値で売られているのに遭遇したのです。何度も言っているように僕は、オリ盤で一枚持っていたらもう十分という考えですが、まあとにかく安かったということもあり、これはプロモ盤と通常のオリ盤を聴き比べるいい機会になるぞ、と思い買ってみました。
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