the GazettE、「バンドにとって新たなるスタート、ドームかかってこい!」

ポスト

the GazettEが、9月22日ニューシングル「Red」を発売した。12月26日には、バンド初の大舞台である東京ドームでの公演を控える。新曲、ドームにかける思いをボーカルのルキ、ギターの麗、ギターの葵、ベースれいた、ドラム戒の5人に聞く。

◆the GazettE画像

the GazettEの単独ライブを初めて見たのは2009年9月。アルバム『DIM』を引っ提げた全国ツアーだった。X JAPANが1990年代に確立したビジュアル系のバンドシーンを引っ張る新たな存在となり、さいたまスーパーアリーナに集まった2万人の客は髪を振り乱し、床にはいつくばり音を受け止めていた。その姿は“地獄絵図”を思わせる衝撃で、X JAPAN、LUNA SEAとは違う熱がそこにあった。

何を見たのだろう?そしてさいたまでルキが放った「てっぺんを狙いたい」という言葉。てっぺんはどこを示すのか知りたいと、同月末初のインタビューを行なった。ルキは「東京ドームとか小さい話じゃない」とバッサリ。葵は「人がやった道は超えたいけど、ドームの後は宇宙?」とのらりくらり。目指すところは「かっこいいこと」と言い、かっこいいこととは何かたずねると「かっこ悪くないこと」という答えが返ってきた。

人を食ったような回答に面食らった。しかし同インタビューの別の質問でバンド全曲の歌詞を手掛けるルキは「言葉には限りがある」と話し、麗は「この先10年後も音楽をやっていけるか。続けることの難しさを分かっている」と言い、れいたは「自分たちを(見た人が)自分もそうだったように、バンドを始めたりしてくれたらいい」と少ない言葉の中に、静かに燃える火を感じさせた。

「the GazettEのかっこいいこと」を探す私の旅がここから始まった。2009年12月24日に東京ビッグサイトで“大忘年会”と開いたライブの後には「NEXT SCENE」「静寂の終わり」「第二の覚醒(かくせい)」と2010年に新たな扉を開くことを示唆。3月から全国13会場を回ったファンクラブツアーは「自分たちの曲で自分たちも楽しみたい」と全公演異なる「限界セットリスト」で臨み、手応えをつかんだ。

そして同ツアーの最終公演で発表した「12.26」「東京」の文字。謎のメッセージは「TOUR 10 NAMELESS LIBERTY SIX BULLETS」と題し、7月に開いた全国公演の初日、日本武道館の舞台で東京ドームでライブを行なうことを明らかにした。

2002年1月の結成当初、動員は一桁だったが、2006年に行なった初の日本武道館は9000人を集めた。CD売り上げも2005年3月に発売した7枚目のシングル「reila」がオリコンランキングで8位を記録して以降、すべてが10位以内にランクインするなど支持を拡大。新たな風は勢いを緩めることはない。

CD売り上げも増え、動員も増加。順風満帆に見えるが、1月にドーム公演を決意するまでには「本当に目指す場所なのか」と迷いもあったそう。れいたは「まだ早いと思った。でもここでやらなかったら、来年立てないかも。バンドを始めたときは、音楽で飯が食えるなんて確率は低かった。でもそれができるようになった今、ドームが自分たちにふさわしいこと。自分たちの力で立ったのだということを、ステージで100%の力を出し証明したい」と、思いは熱い。

ニューシングル「Red」はDVD付き盤が「Red」「VERMIN」の2曲、CDのみの通常盤は前述の2曲に「AN UNBEARABLE FACT」を加えた3曲入り。前作「SHIVER」からわずか2ヵ月だが、バンドが大きく太くなっていると感じられる力作だ。

リード曲の「Red」は「赤い糸」がテーマ。愛する人と肌が触れ合いながらも結ばれないと嘆く、切ない女性の思いがつづられている。ルキの歌詞はどれも温度感にあふれ、今作でも<唇に沈むあなたの熱に満たされてゆく>という部分が特に切ない。

「会いたいと伝えたければ、会いたいと言うしかない。けど違う言い方。例えば『近づき合う』とか、ちょっと考えさせるワードで深みと自分らしさを出しています。今回はラブソングだけど、ちょっと不倫ぽい、月9ではなく昼ドラのような雰囲気です」──ルキ

5万5000人を集客するドーム。the GazettEのドームは満員にはならないかもしれない。しかしthe GazettEが6人目のメンバーというファンがいてこそ生まれる「最高の景色」がそこに広がると断言できる。5人にとって「精神安定剤」「理解者」「自分の心の鍵穴」と切ないくらい愛情が深い6人目のメンバーが欠かせないのだ。

「ドームをやったバンド」には決してなって欲しくない。目指す場所はドームがラストではない。2009年9月に矢沢永吉が還暦を祝い、20年ぶりにドームに立ったように、the GazettEも20年後同じ場所で光を放って欲しい。

れいたは「うちらは国民的なバンドというのとはちょっと違う。コアなやつらに響いて、音を生で感じられることが特別だと思ってくれたら。自分たちのライブには特別だと感じられるものがある」と自信をみなぎらせる。戒は最後に「東京ドームはゴールでなく、バンドにとって新たなるスタート地点だと思っています。ドームかかってこい!」と気炎を揚げた。

<TOUR 10 NAMELESS LIBERTY SIX BULLE TS FINAL THE NAMELESS LIBERTY>
2010年12月26日(日)
@東京ドーム
OPEN 16:30 / START 18:00
全席指定\7,350(税込)※3歳以上有料
一般発売:11月6日(土) 全国一斉発売
[問]ディスクガレージ:03-5436-960
◆チケット詳細&購入ページ

取材・文●西村綾乃
この記事をポスト

この記事の関連情報