年末ロックフェス<RADIO CRAZY12/30>、ステージの数だけの感動と興奮

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▲チャットモンチー
▲GRAPEVINE
▲MO'SOMETONEBENDER
▲オレスカバンド
▲THE BAWDIES
▲ONE OK ROCK
▲真心ブラザーズ
▲andymori
▲SOUL FLOWER UNION
▲MONOBRIGHT
▲the HIATUS
▲サンボマスター
▲エレファントカシマシ
▲サカナクション
2日間にわたって、インテックス大阪を舞台に開かれた「日本の音楽シーンをリードするツワモノたちが大阪に集って繰り広げるロック大忘年会」。2日目となる30日(木)も多くの音楽ファン、ロックフリークが大勢詰め掛け、大いに盛り上がった。

◆<RADIO CRAZY>画像

前日同様、設営されているL-STAGEとR-STAGEの2つのステージには実力派、個性派のバンド、アーティスト17組が次々と登場し、熱いライブパフォーンマンスを展開。<RADIO CRAZY>でのステージが、2010年最後のライブ、もしくは2010年最後の大阪という出演者も多く、いずれも気合い充分でパフォーマンスに挑んでいたのが印象深い。

初っ端からラウドなギターサウンドをぶちかまして、R-STAGEに詰め掛けたオーディエンスのロック魂に火をつけたのが、Droog。危険な香りを漂わせつつ、好戦的な演奏スタイルで音のパンチをくり出せば、一方のL-STAGEでは、デビュー6年目のチャットモンチーがキュートかつフェミニン、微笑ましくもドライブ感豊かなロックビートで会場をほっこりさせる。「2011年の大阪と掛けて、忘年会に必要な人と説く。その心は、メッチャいい感じ(幹事)」と披露した謎掛けもご愛嬌。

ソリッドでシャープなギターサウンドと伸びのあるロックボーカルで、20歳という若さを感じさせなかったのは、シンガーソングライターの小林太郎だ。潜在能力の高さを充分にアピールするパフォーマンスと、意外なほどファニーなキャラクターの持ち主というギャップがおもしろい。文学性の高い表現が際立つ歌詞と哀愁を帯びた美メロ。クオリティの高さを存分に見せつけたGRAPEVINEはやはりさすがの一言。

三拍子のリズムで表現した激しい鼓動、加えてさまざまな感情を歌詞に綴ったメジャー第1弾「素晴らしき日常」を始め、共感を誘う楽曲を熱唱した高橋優。狂気と静寂が入り混じった爆発的アプローチでオーディエンスを圧倒したのはMO'SOMETONEBENDER。高揚感に溢れた超絶セッションは見応え聴き応え充分だった。

堺から世界へ。2010年は堺から東京へと活動の拠点を移し、さらにパワーアップしているオレスカバンドがR-STAGEに登場し、満面の笑顔、自信に満ちた表情を見せつつ開放的でポップに富むスカサウンドを披露。ゲスト参加のウルフルケイスケ(ウルフルズ)がトレードマークのテンガロンハットを飛ばす勢いでセッションした「hippyhippyshake」など、痛快なステージを繰り広げてくれた。また、R&Bとロックンロールを消化したTHE BAWDIESのスマート&ホットなステージに、満杯のオーディエンスの目と耳は釘付け。「いろんなことをシャウトで吹っ飛ばそう!」とのメッセージに会場は俄然盛り上がる。

ダイナミックなラウドサウンドと、若さ溢れる攻撃的なパフォーマンスで存在感を示していたのはエモ・ロック・メタルの要素を血とするONE OK ROCK。2月にリリース予定の新曲「アンサイズニア」など、迫力満点に繰り広げる曲が終わるごとに大きくなる拍手と声援。多くの注目を浴びていた。一方、オーバー40ならではの適度なゆるさを前面にナチュラル系ロックを展開したのが、真心ブラザーズ。CD化はされていない爽快なスカナンバー「朝が来た!」をいち早く披露するなど、バラエティに富んだ7曲を演奏。

新たなドラマーが加入して大阪で初めて挑むライブとなったのが、andymori。ナイーブな感性とパワフルなギターサウンドの融合は、オリジナリティも豊か。これ以上ない新たなスタートを切った感がするステージだった。こちらはベテラン中のベテラン、究極のミクスチャーロック・バンドSOUL FLOWER UNIONがL-STAGEに登場。「人生は祭だ、共に生きよう!」との言葉で始まったステージは、オリエンタルな空気を漂わせつつ、バラエティに富むサウンドアプローチで思わず心と身体を揺り動く音楽空間に。

元BEAT CRUSADERSのヒダカトオルが電撃加入し、新たなキャリアをスタートさせたMONOBRIGHT。すでに息はぴったりで、MCで大いに会場をわかせつつ、スカビートを根底にしたノリのいい新曲「DANCING BABE」を始め、よりパワーアップした姿を見せつけてくれていた。また、壮大なクラシック音楽を思わせる静寂と爆発が入り混じった、ドラマチックな楽曲構成で圧巻のパフォーマンスを見せたのは、活動休止中のELLEGARDENの細美武士が手掛けるプロジェクトthe HIATUS。崇高な音の放射にオーディエンスも引き込まれるばかりだった。

「ビートルズやオアシスのような世界一のロックンロールをやりたい!」「大阪ってロックな街なんだってさ!」「愛しあってるかい?」…と、歌の合間に叫ぶような煽りを挟みつつ、渾身のライブパフォーマンスを繰り広げたサンボマスター。ヒット曲「世界をかえさせておくれよ」など、この日披露したのは計7曲。求心力のある歌に圧倒されるばかりだった。

さらに、L-STAGEのトリで登場したエレファントカシマシも、全編通して張り詰めた緊張感を漂わしながら、宮本浩次(Vo&G)が心の叫びを綴った楽曲を連発。繊細さと野性的な大胆さで、一音、一語にたっぷり魂を注ぎ込む。そんなパフォーマンスが胸を打つ。孤高だが実に魅力的なロッカーの生きざまがそのままストレートに出たようなステージだった。

一方、R-STAGEの最後を飾ったのが、サカナクション。他の追随を許さない、テクノ&エレクトノニカの要素とバンドサウンドを独自に昇華させた世界観は、この日ももちろん健在。メロディアス、深み、重厚…。壮大なロックファンタジーに酔いしれるオーディエンス。凄みさえ感じさせるバンドへの成長ぶりが堪能できたステージだった。

こうして幕を閉じた<RADIO CRAZY>。2010年も半袖シャツ姿とダウンジャケットなどの防寒スタイルが並んでコブシを上げる…という、冬フェスならではのシーンが見られた会場。ステージの数だけ感動と興奮があり、多くの音楽ファン、ロックフリークの心と身体を熱くした2日間となったのは言うまでもない。

ライター:金本真一
写真:井上嘉和、田浦薫

<FM802 ROCK FESTIVAL“RADIO CRAZY”>
12月30日(木)@インテックス大阪
L-STAGE:チャットモンチー、GRAPEVINE、MO'SOME TONEBENDER、THE BAWDIES、真心ブラザーズ、SOUL FLOWER UNION、the HIATUS、エレファントカシマシ
R-STAGE:Droog、小林太郎、高橋優、オレスカバンド GUEST ウルフルケイスケ、ONE OK ROCK、andymori、MONOBRIGHT、サンボマスター、サカナクション

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