【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第21回 「Jesse Colin YoungとRaccoon Recordsとサーフミュージック」

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D.W.ニコルズの鈴木健太です。
好きな音楽のオリジナル盤を集めているうちに、気づけばレコード棚に入りきらなくなり、棚を増やすにもどこに置こうかと思案している今日この頃です。レコードやCDをたくさん持っている人は誰でもそうだと思いますが、何度も繰り返し聴くものは意外と少ないもの。中には一度か二度聴いただけなんてものもたくさんあります。

そんな中で、これはよく聴いているなというお気に入りの一枚を今回は取り上げてみます。


『Jesse Colin Young / Together』。1960年代半ばから活躍したYOUNGBLOODSのリーダー、Jesse Colin Young(ジェシ・コリン・ヤング)のソロデビューアルバム。山下達郎がソロ以前に活動していた伝説的バンド・シュガーベイブの名前の由来がYOUNGBLOODSの曲名にあることや、『Get Together』がヒットしたことでも知られるYOUGNBLOODS。そのリーダーのJesse Colin Youngは、YOUNGBLOODSの6枚目で最後となった作品『High On A Ridgetop』のリリースと同年の1972年にこのソロアルバムをリリース。翌1973年の2nd『Song For Juli』はSSW系の名盤とは言われていますが、それでも日本では(?)あまり知名度がないようです。

メロウでフォーキー、そしてソウルやR&Bなどを取り入れた彼の音楽は、やはり'70年代中盤以降になるとAOR化していきます。もしかするとAORやフリーソウル等の方面から彼を認知している人も少なくないかもしれません。が、AORがいまだにあまり好きになれない(笑)僕が好きなのは、彼の'70年代半ばくらいまでの作品。特に好きなのは、この1st『Together』。本当によく聴いていて、実は最もよく聴くレコードのひとつとなっています。

この作品は至ってシンプル。曲も演奏もシンプル。Jesse Colin Youngのメロウでソウルフルな優しい歌声と、カントリーやブルースを基調としたフォーキーなサウンド。カラッとしていて、ビートは軽快。何も気張らず、とことん自然体。それがこの作品の大きな魅力のひとつでもあります。

そして、Jack JohnsonやDonavon Frankenreiterのような、現代のいわゆるサーフミュージックと非常に近いものを感じます。西海岸、アコースティックギター、優しい歌声、シンプルな演奏など共通点は多く、実際に音楽的に似ている部分は多いのです。しかし、何より近いと感じるのはもっと感覚的な部分で、力みがなく自然体であること。そこの気持ち良さに何より同じものを感じるのです。
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