【災害関連】オノ・ヨーコから、日本に向けたメッセージ

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オノ・ヨーコから、東日本大震災で被災した日本に向けたメッセージが届いたので、紹介したい。オノ・ヨーコは日本のみなさんを勇気づけるために、このメールの内容を広めていただければと言っている。

以下が、その全文である。

   ◆   ◆   ◆

未来をポジティブに考えてみたいと思います
オノ・ヨーコ
2011年3月13日

1.日本では戦後最大の地震が起きています!そこで、苦しんでる方へメッセージをお願いします!ヨーコさんの力で、被災している方々に勇気を与えて下さい!

「愛する日本のみなさん、私は今、私自身がそこにいて、みなさんと一緒にこの大災害に襲われたように、ぼう然としています。私はつい最近、東京を訪れて、この街がいかに美しく、清潔で、平穏であるかを喜んでいました。私がとても愛しているこの国に、このような大災害が起こることは、まったく予期していませんでした。

ある年、私の夫ジョンとショーンと一緒に東京のホテルにいました。朝のことでした。突然、地震が私たちを襲ったのです。私は当時まだ小さかったショーンをすぐに抱いて、扉が開いたクローゼットの中に入り、しっかりとショーンを抱きしめてうずくまり、南無妙法蓮華経を唱えつづけました。地震がおさまった後、ジョンは笑って、なぜ、私が扉が開いたクローゼットの中に座っていたのか理解できないと言いました。私はそれは、骨組みによって守られるので、重要なことなのだと言いました、少なくとも、私が子どものときに教わったことでした。ジョンとショーンと私が経験した地震は、みなさんが経験したようなものでは、まったくありませんでした。でも、そのときの記憶で私の身体は今、震えています。

日本の観測史上もっとも甚大な被害を及ぼした地震を経験したみなさんのことを、私は深く感じています。どんなに怖かったでしょう。みなさんのおひとり、おひとりに、私のお見舞いの気持ちと愛を伝えさせてください。どうしてこんな怖いことを、みなさんが経験なさらなければならなかったのだと苦しく思います。私の心は、いつでもみなさんとともにあるのだということを知ってください。愛をこめて、ヨーコ」

2.ヨーコさん、千年に一度といわれる規模の地震が日本で起きてしまいました。被災者の方々が一刻も早く普段の穏やかな生活に戻れるように、私たちに出来ることは何でしょうか?祈るだけでは限界を感じています。とても悲しいです。私たちに出きることとは何でしょうか?

「IT'S TIME FOR ACTION(行動するとき)」です。まずは、人命の救出です。それは、国や自治体が中心になって全力でみんなで取り組まなければならないことです。そして次には、未来に向かって復興させることです。毎日少しずつ。復興させることに喜びを感じましょう。ただ、復興させるだけでなく、今までただ、アイデアで、それを建設する場所がなかったのが、今できるようになったということがあるのです。新しい日本の国を作るのです!世界にもない新しい未来の国を建設するのです。
今までの日本は、封建時代の人口過剰の日本には適当な街々だったのです。今度は会社本位でなく、家族が一緒に楽しめるような、そして、高齢の人も健康で楽しめるようなヘルシーな国を建設することができるのです。だから、再建ではなく、新しい国の建設です。楽しみながら建設しましょう。

3.天災から平和を勝ち取るにはどうすれば…どうすれば…。考えてしまします。どうすればいいのでしょうか?

「これは天から与えられた試練を乗り越えるとっても大事なときです。前向きの科学者と建築家に未来の街、未来の国を慎重に、しかも、いち早く図面にしてもらって、新しい国を建設するのです。それには街ごとにその街の建築家と科学者にその街の環境にあった街を作ってもらわなければなりません。」

4.東日本大地震で福島の原子力発電所がメルトダウンした可能性があると報道されています。発電所を作ってきた人は地震が来ても絶対に大丈夫と言っていましたが、今は想定外の地震だったと言っています。原子力発電所は人間がコントロールすることができない危険なものと思うのですが、どう思いますか?

「こういうこともあるということを原子力発電の人たちに解ってもらえたことは、私たちの未来にとって大事なことなのです。」

5.津波警報がでても海の近くに住んでいる人たちは警報になれてしまっていたようで、片付けなどをしていたそうで、半分近くの人が逃げ遅れてしまったそうです。運命ってなんなのでしょうか?

「これは必要な勉強をさせてもらった訳です。もちろん、悲しい勉強なのですが。そういう勉強をしなくてはならなかったのでしょう。」

6.地震の被災で、韓国やアメリカをはじめ、世界各国が助けに日本に来てくれています。そういう国々にお礼をいいたいのですが、どうすればいいでしょうか?

「お礼は回復か、新しい建設ができた時点でしたらよいと思います。」

7.昨日の地震で避難するときに、自分のことに精一杯になってしまって、自分が逃げることしか考えられませんでした。近隣の方に気づかったり、また、自分の家族であるペットを連れて逃げることもできず、罪悪感を感じています。人間はやはり自分勝手な存在なのでしょうか?

「自分いっぱいの力を使わなくては逃げられなかったのでしょう。他の人のことを考えていたら、あなたはもうこの世にいないかもしれません。自分を救ったことに罪悪感を感じる必要はありません。あなたも人類の大事な一員です。」

8.10日は66回目の東京大空襲の日でした。ヨーコさんは、12歳だったと思うのですが、あの日のことを覚えていますか?

「もう疎開していたと思います。でも、東京にいるときは毎日アメリカの飛行機がやってきていたので、どの日が大空襲の日だったか覚えていませんでした。自分の家とその周りの家しか見えなくて、東京全体がやられているなんてことは解りませんでした。」

9.刑罰を重くする事は犯罪の抑止つながると思いますか?(特に殺人)僕は死刑反対派ではありません。

「死刑にしてしまうと、後で無実の人だったと解っても取り返しがつかないのです。間違いで、無実の人を死刑にしてしまうことが案外多いのですから。私は死刑反対です。」

10.依存症や暴力はどうすればなくなるでしょうか?

「平和な人生を送ることがどんなに楽しいことか、暴力で人生を渡っている人に見てもらうほかないでしょう。あなたは、信じられないでしょうけれど、だんだん暴力は街からなくなってきているのです。戦争の暴力だけは今のところ止められずにいます。政治家の方が暴力団より、はるかにスケールの大きい暴力をプロモートしているということです。」

あとがき:
「アンディ・ウォーホールが日本を訪問した後で『日本は未来の国だ。すごい!』と、言っていました。そのときに私は『だけれど、たくさん古い傷があるのよ』と思いました。今、この地震のために未来の国になる運命になったと思います。日本はみんなの力で今までよりも素晴らしい国になる運命なんだと思います。

オノ・ヨーコ
2011年3月13日

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