ビーディ・アイ、プライマル、ポール・ウェラー…続々登場、日本支援コンサート<JAPAN DISASTER BENEFIT>速報

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2011年4月3日、東北地方太平洋沖地震の被災者を支援するため、リアム・ギャラガー(ビーディ・アイ)の呼びかけによりUKロック界の大御所が集結したチャリティー・コンサート<JAPAN DISASTER BENEFIT>コンサートが、ロンドンのブリクストン・アカデミーで開かれた。

◆日本支援コンサート<JAPAN DISASTER BENEFIT>画像

▲ブリクストン・アカデミー
▲ザ・コーラル
▲グレアム・コクソン
▲ポール・ウェラー
▲ケリー・ジョーンズ
▲プライマル・スクリーム
▲リチャード・アシュクロフト
▲ビーディ・アイ
購入に枚数制限があったにもかかわらず5,000枚近くのチケットが瞬く間にソールド・アウトしたこのスペシャル・ギグは、ロック・ファンのみならずミュージシャンからも厚い信頼を獲得しているザ・コーラルのパフォーマンスでスタート。「Good Bye」「Dreaming Of You」といったヒット曲のほか、ザ・ビートルズのカバー「Ticket To Ride」など7曲をプレイした。期待を裏切らない、彼ららしい実直でストレートなプレイでオーディエンスの心を掴み、この特別な夜の幕を切って落とした。

続いて、「日本の映像の見てショックを受けていたときにポール・ウェラーから電話をもらい、すぐに出演を了承した」というグレアム・コクソンがステージに上がった。オープニングで新曲「Advice」を披露。自身を含めギター×2体制のフル・バンドで、「Don't Let Ya Man Know」「Standing On My Own Again」「I Can't Look At Your Skin」など6枚目のソロ・アルバム『Love Travels At Illegal Speeds』(2006年)のトラックを中心に8曲をプレイ。バック・ヴォーカルの女性2人もギターを手にし、ギタリストが総計4人になる場面も見られた。何層にもうねる、ダークで複雑なパフォーマンスを展開した後、グレアム・コクソンは、シャイな彼らしく最後にぽつりと「日本のために」との言葉を残しステージを後にした。

そして早くも3番手にUKロック界の親分的存在ポール・ウェラーが登場し、会場を揺るがせた。「30年間、日本のファンから多くのサポートをもらってきた。今度は俺たちがそれを返す番だ」との嬉しい言葉を発してくれたポール・ウェラーは、「Whirlpools End」「Start!」「Eton Rifles」など13曲を熱演。オーディエンスを大合唱させた。また、ラストでは、ステレオフォニックスのケリー・ジョーンズがジョインし、ザ・ビートルズの「Come Together」を一緒にプレイした。

続いては、そのケリー・ジョーンズがアコースティック・パフォーマンスを披露。3曲と短いセットながら、「Local Boy In The Photograph」「Maybe Tomorrow」「Dakota」といったヒット曲の連打により会場は大合唱。ギター1本で5,000人を制覇した見事なパフォーマンスだった。

そして、プライマル・スクリームの登場に、会場はいままでの盛り上がりとはまたべつの、激しいグルーヴの嵐にヒットされた。不在のマニの代わりに元セックス・ピストルズのグレン・マトロックをベースに、「Accelerator」「Movin On Up」「I wish You Would」「Loaded」「Country Girl」「Rocks」というグレーテスト・ヒッツ的なセットリストで、オーディエンスを総立ちにさせた。フロントマンのボビー・ギレスピーは、「このコンサートでプレイできて光栄に思っている。被害に遭った人たちを助けることができたら嬉しい」と話した。

続いて、リチャード・アシュクロフトがアコースティック・パフォーマンスを展開。ザ・ヴァーヴの「Sonnet」「Lucky Man」でまたもやオーディエンスを大合唱させた後、「このイベントに参加してくれてありがとう。日本の友人、日本のみんなにはいまそれが必要なんだ」と述べ、ラストに新曲を披露した。

そしていよいよ、この素晴らしいコンサートを開催してくれたビーディ・アイの出番となった。リアムはコンサート前、「日本からの悲惨な映像を見てショックを受けた。それで何かできないかとみんなに連絡を取ったんだ。ポール・ウェラーはすぐに返事をくれた。プライマルもそうだ。それからさらに広がり、とんとん拍子で話が進んだ」と同公演が実現した経緯を説明している。

「日本にはたくさんいい思い出がある」「日本の人は俺らにいつもよくしてくれた」と日本や日本人に対し深い想いを持つメンバーは、スクリーンに大きく映し出された日の丸をバックに登場。オーディエンスは総立ちの大喝采で彼らを迎えた。すでに熱くなっている会場の温度がさらに上がったような熱狂ぶりだった。

バンドは、デビュー・アルバム『DIFFERENT GEAR STILL SPEADING』のオープニング・トラックでもある「Four Letter Word」でパフォーマンスをスタート。その後、「Beatles And Stones」「Millionaire」など次々と熱いロックンロール・トラックをプレイ。彼らの実力と底力を実感させる、エネルギッシュでスピーディー、激しく骨太のパフォーマンスを見せてくれた。なかでも「The Roller」は、この夜のクライマックスの1つとなった。

そして、ショウの半ばで「日本のために」と「Kill For A Dream」を捧げてくれたほか、終盤の「Sons Of The Stage」「Across The Universe」は再び、日本の国旗をバックに熱演。「信じて頑張ってくれ」というメンバーの想いが込められた、スペシャルなパフォーマンスだった。

リアムはショウの最後、ステージからピッチに下りファンと接触。オーディエンスだけでなく、この夜の彼の興奮が伝わる一瞬でもあった。

ビーディ・アイのセットリストは以下の通り。

「Four Letter Word」
「Beatles And Stones」
「Millionaire」
「The Roller」
「Bring The Light」
「Standing On The Edge」
「Kill For A Dream」
「Man Of Misery」
「Morning Sun」
「Sons Of The Stage」(World Of Twist カバー)
「Across The Universe」(ザ・ビートルズ・カバー)

総勢7組のアーティストが出演し、そのパフォーマンスは5時間にもおよんだ。出演したアーティストだけでなく、クルーまでもが無料奉仕したというこのコンサートの収益金(約16万ポンド)は、日本赤十字社に寄付される。また、アーティストだけでなく観客の対応も温かく、日本人だとわかると「大丈夫?」「日本が立ち直ることを信じている」などと声をかけてくれる人も少なくなく、温かく強く励まされる一夜だった。

Ako Suzuki, London

◆ビーディ・アイ・オフィシャルサイト
◆東北地方太平洋沖地震にまつわる音楽・アーティスト関連情報ページ
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