「WORLD SONIC NEWS VOL.4」バート・バカラックも絶賛した遅咲きの新人ルーマー

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今回は、ハート・ウォーミングな歌声が大評判のUK期待の女性シンガー、ルーマーをフィーチャーします。

◆ルーマー画像

パキスタン生まれのイギリス人であるルーマーは7人兄弟の末っ子。ダム建設のエンジニアだったお父さんの関係で、子供時代はパキスタンほかタスマニアや南アフリカで過ごしたそうです。そしてお兄さんからもらったギターを独学で習得し、10代で早くも曲を作っていました。

ところがその後、両親の離婚をきっかけに放浪生活、またお母さんの病死など、つらい時期を過ごしますが、ロンドンに戻ってから、音楽で生きていこうと決心。いろいろな仕事を掛け持ちしながら音楽活動を続け、チャンスを待ちます。そして10年が過ぎた頃、ルーマーの評判を聞きつけた、あのバート・バカラックから「自分が作った曲を歌ってほしい」と声がかかり、一気に彼女の人生は好転します。

2010年、31歳のときにメジャー・レーベルと契約、ついにデビューを果たします。デビュー・アルバム『シーズンズ・オブ・マイ・ソウル』は日本でも大好評!

そんなルーマーのインタビューをお届けします。まずはルーマーという名前の由来について、彼女はこう話しています。

「母親が2003年に突然亡くなったんですが、亡くなる前に、母は私に読ませたい本をリストにして残してくれました。えんぴつで、母の字で書かれていました。そのリストは宝物です。ある日、そのリストが見つからなくなり、紛失してしまったと気が付きました。凄く落ち込んで、自分に対して怒りを感じていました。そのリストにあった1冊が、ルーマー・ゴッデンという女性が書いたものでした。彼女はインド生まれの子供向けの本の著者でした。その名前が私に響いたんです。ある日、ルーマーみたいな素敵な名前だったらいいなって思って、100回くらい書いてみました。そこからCDで使うようになりました」

彼女は7人兄弟の末っ子だと冒頭でご紹介しましたが、どんな家庭でだったのか聞いてみました。

「音楽的な家族の中で育ったので、周りにはいつも音楽があって、家は音楽で溢れていたわ。兄達は全員ギターが弾けたし、姉も弾けました。一番上の兄はドラムが出来ます。家には、楽器がセットアップされたバンド・ルームと呼んでいた部屋があって、ドラム・セットやアンプが設置されていたの。私がそこに行くと、兄と姉が抱き上げてくれて、私がマイクを使って、バック・ヴォーカルをできるようにしてくれたんです。とても騒がしい音楽的な家族でした」

ルーマーの曲はどれも味わい深いしっとりとした感じの曲が多いのですが、どんな風に曲を作るのでしょうか。

「基本的には、ギターでコードを見つけて、そこに肉付けしていきます。正直言うと、私はミュージシャンというより、絵描きのような気がしますね。まずスケッチを描いて、それが絵になり、徐々に色を付けていくんです。そんな感じで広げていきます。たまにスケッチをしても、やり直すこともありますよ。頭と心では、私は常に曲を書いて、考えて、感じています。実際の曲を書く作業には、あまり時間がかかりません」

デビュー・アルバムに収録されている「スロー」という曲はUKでも大ヒットしました。その曲はどんな風に作ったのか、詞の世界は実体験なのか、聞きました。

「私のことを知る人なら誰でも「スロー」を聴いたら、あれは私だって思うでしょう。私は人や物に対して、いつも“大好き、大好き、大好き”ってなるタイプなんです。クリエイティブな人で、インスピレーションを受けやすい人なら、時に、わざわざ誰かを選んで好きになることがあると思うんです。無意識のうちにです。舞い上がってる状況ですね。初めて会った人を気に入って、興奮しているような。私はそういう感情をコントロール出来ないタイプなんです。相手に舞い上がってることを悟られないようになんて、私には出来ないですね。以前の私はいつも舞い上がってて、そうなると私は暴走する電車みたいな感じなので、自分でも早すぎて止められなかったです。ちゃんと頭では“焦るな。スローダウン!”って声が聞こえているんですよ。そういう状況で曲を書いた半年後に、また全く同じ状況に陥っている自分がいるんです。全然、学んでいないんですアルバムの曲の多くは、そういう状態です。だからアルバムは『シーズンズ・オブ・マイ・ソウル』(私の魂の季節)ってタイトルなんです。また同じ季節が巡ってくるからです。」

実は4月にプロモーションのために来日する予定でしたが、残念ながら中止。まだ日本には来たことがないルーマーですが、ぜひ来日公演で来てほしいと思っています。

UKアルバム・チャートで初登場3位を記録し、辛口のイギリスのメディアが「カレン・カーペンターやキャロル・キングを彷彿とさせる無垢の歌声」と絶賛しているルーマーのハート・ウォーミングな歌声にぜひ触れてください。

text by kenji kurihara:UNITED PROJECTS

『シーズンズ・オブ・マイ・ソウル』
WPCR-13994 2,180円

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国内の主要なレコード会社と音楽関連企業が中心となり、日本の洋楽マーケットを元気にするために活動している協議会「洋楽フォーラム」がサポート。J-WAVEの土曜午後のワイド番組「SATURDAY SONIC」15:00~17:00)内の洋楽コーナー「WORLD SONIC」(16:30~16:50)と連動中。

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