SoundWitch、その五感に訴えるサウンドを紐解くロング・インタビュー(後編)

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――「AND NOW I KNOW, ALRIGHT」でみせる試みも興味深いですね。特定の世代にはたまらない曲なのではないかと(笑)。

Drug-on:ちなみにどの部分ですか?(笑) でも、そうですね。他の曲にもダンサブルな要素はあるんですけど、この曲に対しては、いい意味でジュリアナみたいな80年代テイストを盛り込んで。さらにはギター・ソロ弾いてまえみたいな(笑)。

Twin:それをライヴのときに恍惚の表情で弾くのをチラッと観て、ちょっとイラっとくる(笑)。

Drug-on:あ、きてたの?(笑) もともと僕がヘヴィ・メタル/ハード・ロックが好きで、当時はギター・ソロもすっごくやってたんですけど、だんだん年齢を重ねるうちに違うアプローチに変わってきて、弾かなくなってたんですね。でも、一つの表現手段として、ここであえて盛り込んだら、びっくりするんじゃないかなと思って弾きました。

――「JESUS」のようなデジタル・ハードコアにも驚かされますよね。

Twin:あぁ、これはワンマン・ライヴ用に、とにかくバカになれる、盛り上がれる曲を作りたいなぁってことだったんですよ。

May:バカ騒ぎするためだけの曲です(笑)。

――それに“JESUS”とタイトルをつけるとは不届き者の集団ですね(一同笑)。

Twin:最悪やんね(笑)。

May:何かいい意味ですごくふざけてるんですよね。あれは言っていいんかな? 今日、クルマの中で言ってた、このアルバムのイメージあるやん?

Twin:そうそう。今日、改めて聴き直してたんですけど、序盤がわりとスロー・テンポなものから始まって、中盤はまくしたてるような流れで、最後は何事もなかったようにスッと終わる。これが何かナメてるよね、ふざけてるよなって話になって(笑)。悪い意味じゃないんですけど、すごく感情の……。

May:喜怒哀楽が激しいというか、いい意味で振り回される感じのアルバムやなぁって(笑)。

Twin:神妙なことを歌ってる、演奏してるように見えるから、そのつもりで聴いとったら、突然、「MASQUERADE」辺りからだんだんアップ・ビートに、しかも踊り狂おうぜみたいにちょけた感じになってきて(笑)。

――“ちょける”って何ですか?

Twin:おどけてるというのかな。はっちゃけてると、ふざけてるの間みたいな。いい意味でも悪い意味でも、関西ではよく使われてる言葉なんですよ。「自分、ちょけてん?」とか言ったら、ヤンキーがガンつけるときのものなんですけど(笑)、「ちょけてるよね」って言ったら、あえておどけてるようなニュアンスだったり。

Drug-on:「MASQUERADE」から「JESUS」までの流れでアゲるだけアゲといて、普通ならそこで終わっても不思議ではないんですけど、最後にサラッと何事もなかったように「EMPTY PHRASES」で終わるという。

Twin:全然意識してなかったけど、今日、改めて聴いたら、そんなふうに思えてきたんですよね。

May:うん。いろんな発見があるんですよ。

Twin:何か言うたらアカンかなって話なんですけど、いい意味で自分たちも楽しめる曲順であり、アルバムになったなぁと。

――でも、確かにそうなんですよね。前半から様々なタイプの曲があることを感じさせつつも、特に中盤以降は、次の曲はどっちの方向に進むんだろうと思わせる展開になり、さらにそこから振り切っていく。

Twin:そう。テンションが上がりきるところまで畳み掛けていく(笑)。

Drug-on:僕たちは作った本人だから、また違う感覚ですけど、初めて聴く人にしたら、そりゃびっくりするかもしれないですよね(笑)。

Twin:全然意識してなかったけど、「後半の盛り上がり方が好き、ヤバい」とか言ってくれる方が結構いらっしゃって。そう言われてみて、後半にそういう曲ばかり、これでもかというぐらい詰め込んだなぁと思って。でも、最後はサラッと、またゴシックなテイストのもので終わってるしなぁみたいな(笑)。

――それがまた安心感につながるのかもしれませんね。歌詞には何かテーマもありました?

Twin:全体ではないんですけども、曲ごとにはそれぞれありますね。タイトルの“GROTESCA”は後付けなんですけど、表の綺麗な部分と何か裏を感じる部分というか……自分の歌詞の内容的には、前提としてどこかグロテスクな雰囲気が漂ってるんじゃないかなと思いますね。いわゆるグロいという意味じゃなくて、悪夢感みたいな。SoundWitchというバンドに対しても、私はそれを思っていて。そんな中でも、歌詞で特にこだわったのは「TV ARMY」なんですね。某ゲーム戦士の内容になってるんですよ。キノコを採ったら、でっかくなるなぁみたいな(笑)。そのサンプリング音もモロに入ってるんですよね。

May:どうしても入れて欲しいイメージがあるときは、Twinさんに伝えるんですけど、何かすごく抽象的な言葉が飛び交うんですよね(笑)。

Twin:そうそう、「サーカスっぽい感じ?」とかって(笑)。「FRUSTRATE ME」もそうやったね。女の子特有の思春期、混沌とした、わけわからへん感じ。

May:何かモヤモヤした感じとかって、ずっと電話で言ったりしてて。デモを作ったときのコンセプトそのままで再現してくれたかなって。

――ただ、前作でも感じましたが、自分もしくは人間の本質は何なのかといった問いかけを、根底に感じるんですね。

Twin:それは多分、ホンマに個人的なことですけど、ずっと生きていくテーマとしてあるかなぁと。客観的に自分のことを嘲笑ってみたり、わかって欲しかったり。でも、それが可笑しかったりね。

May:そういう会話はよくするよね。

Twin:うん。だから、これは性格やと思うんですよ。

May:「TV ARMY」とかも、ふざけてる感じに見えるけど、私なりにも解釈があって、すごく哲学的な歌詞やなと思ったりしますね。そういう意味で楽しめる曲はすごく多いと思いますね。

Twin:自問自答が多いかなぁ。でも、答えはまだ見つかってないですからね。仕方がない、正解がわからないから。

Drug-on:今も言ったように、普段からそういった哲学的なことを話してたりするんですよ。考え方が、変わってるというか……。

Twin:失礼やわ(笑)。

Drug-on:失礼やな(笑)。どう言ったらいいのかなぁ。

May:女同士にしかわからない感じの……脳内構造がちゃうねん。だからいいんやと思うな。男性の脳でしかできひん曲と、女性の脳でしかできない曲が合わさってるのがいいのかなって、いつも思う。

Twin:そうかも。だからすっごい混沌としているようで、シンプルだったり、やっぱりグチャグチャやったり。

Drug-on:そういった意味では、僕はひねくれてるなぁとは(笑)、歌詞については思いますね。何か、歌詞の1行を読んだだけやと普通に感じることも、よくよく何回も読み込んでみると、実はそこには意味があったり。そういった仕掛けもあるんですよね。ストレートに言わないんだけど、思っていることを忍ばせている。そういうのはよく感じますね。

May:感じ方が人によって違うのが面白いなと思いますね。

――さて、2011年はどんな活動をしていく予定なのでしょう?

Twin:まだ廻ってない地域が日本にもたくさんあるので、全国津々浦々、行けるところは行こうかと。海外にも行きたいねって話はしてるんですね。

Drug-on:海外に対しても、変に構えるんじゃなくて、行ったことがないから行ってみようっていう考えが発端なんですよ。前作のリリースとそれに伴う活動を通して、ある程度の流れはわかったので、それを踏まえたうえで、今まで以上に多くの人に届けたい欲求がすごく湧いてきたんですね。となれば、やっぱりまずはステージですから、とにかく一つずついいライヴをすること。そこが主軸になりますね。

――実際のパフォーマンスを観たことがない人に、SoundWitchはどんなライヴをやっているのかを説明するとしたら?

May:Twinさんは、踊り狂ってる感じ(笑)。

Twin:そうかな?(笑) でも、ホントにロックでありたいと思うし……。

May:昔は演出って感じの考え方やったけど、今はお客さんにも一緒に楽しんでもらうライヴに変わってきましたね。

Drug-on:その楽しむという中にも、喜怒哀楽はあってね。激しい曲も切ない曲もある。

Twin:ひと言でいったら楽しいライヴってことですね。


SoundWitch『GROTESCA』
FTCS-2277 \2,300

<KISS ME KILL ME" 2011 JAPAN TOUR CHAPTER ONE>
SoundWitch x 6ft.down x Cinq Element
5/7 (土) 鹿児島CLUB CAVE
5/8 (日) 福岡GRAF
5/10 (火) 大阪CLUB VIJON
5/11 (水) 名古屋CLUB ZION
5/12 (木) 新潟RIVERST
5/13 (金) 東京新宿WILD SIDE
[問]413TRACKS | http://www.413tracks.com/

◆SoundWitch オフィシャルサイト
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