小林愛実、15歳とは思えぬ確かなテクニックと表現力

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小林愛実が5月8日東京オペラシティでソロ・リサイタルを行った。

◆小林愛実画像

今公演は、4月3日にNYのカーネギー・ホールで行われた、小澤征爾が芸術監督を務める日本フェスティヴァルの凱旋公演にあたるものだ。会場には家族連れを中心に、たくさんの人が詰め掛けた。

コンサートのオープニングを飾るのは、ニュー・アルバムに収録されている「シューマン:子供の情景 作品15」。会場内が暗くなり拍手が沸き起こる中、真っ赤なドレスで登場した小林愛実はピアノの前に座ると深呼吸をしながら目を閉じ、演奏をはじめた。曲ごとに違う演奏スタイルを見せるこの楽曲に、彼女なりの表現が加わり、会場は幻想的な夢の世界へと引き込まれる。

続いてベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」、休憩を挟んで、後半は自身がこよなく愛するベートヴェンの「熱情」が披露された。一音一音、全身を使って音楽を表現する彼女は、15歳とは思えないその確かなテクニックと表現力で観客を圧倒した。

アンコールには、ショパンの「マズルカ第41番」、モシュコフスキーの「エチュード」、そして「震災で被災された方のために演奏します」とメッセージの後、ショパン「ノクターン第20番」を演奏、大きな歓声と拍手に包まれたまま凱旋公演は幕を閉じた。

小林愛実は、2011年1月に行われた<第12回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA>のアジア大会最終日、最難関のコンチェルトC部門に最年少として出場し、金賞およびコンチェルト賞を受賞を果たしている。

『熱情』
TOCE-90184(HQCD)¥2,800

◆小林愛実オフィシャルサイト
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