千秋が監修・選曲した松田聖子カバー集の春盤はワクワク感みなぎる楽曲が満載

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“聖子ちゃんフリーク”としても知られる千秋が監修・選曲し、各シーンで活躍中の女性ボーカリストたちがそれぞれのアレンジで聴かせる、松田聖子カバー集の冬バージョン『MemorieS ~Songs for the Season of White』が2010年12月にリリースされ大きな話題になったことは記憶に新しい。その第二弾となる春盤『MemorieS ~Goodbye and Hello~』が5月18日にリリースされる。

この春盤も千秋のこだわりセレクトによる名曲の数々が満開。春は別れと出会いの季節。ということで、選曲されたのは旅立ちの曲や、恋の始まりを予感させるようなワクワク感みなぎる楽曲が満載の作品に仕上がっている。

『MemorieS ~Goodbye and Hello~』
2011.5.18 Release
\2,000yen(tax in) DQCL-1710
1.未来の花嫁/千秋
2.Rock'n Rouge/フレネシ
3.制服/あべちえみ(テリーヌとボンボン)
4.天使のウィンク/たむらぱん
5.いちご畑でつかまえて/SAWA
6.Canary/Yun*chi
7.ボン・ボヤージュ/奥村 愛子
8.チェリーブラッサム/工藤 真由
9.Only My Love/CHI-KA
10.赤いスイートピー/Aika

前回の“冬盤”に引き続き、いずれ劣らぬ“聖子ちゃんファン”の音楽ライター2人に、このカヴァーアルバムの聴きどころを語ってもらった。何年経っても色あせない聖子ちゃん楽曲の魅力の数々。気候も気持ち良いこの季節にピッタリのアルバムだ。

   ◆   ◆   ◆

1曲目は千秋自身が歌う「未来の花嫁」。乙女の結婚願望全開のこの曲を、花も嵐も踏み越えた(?)千秋が歌うシュールさ……と思いきや、いやいや、シュールでもなんでもなく、純粋にかわいくてドンピシャリ。それは何があっても摩耗しない永遠の乙女心を千秋が持っているからだろう。それでこそ生粋の聖子ちゃんファンってもんです。

フレネシの歌う「Rock’n Rouge」は、もはやブリブリを超えた幼女的ボイスが肝。あべちえみによる「制服」は柔らかくふくよかな歌声がせつなく、たむらぱんによる「天使のウインク」はサンバ色を強め、且つ、天使のように軽やか。もともと不思議なメロディラインを持つ「いちご畑でつかまえて」は、不思議度を大幅増量した大胆なアレンジと浮遊感のあるSAWAの歌声が、原曲とはだいぶ違うゆがんだ世界を描き出していておもしろい。同期をバックに歌うYun*chiの「Canary」はアーバンな雰囲気。彼との初2人旅行をテーマにした「ボン・ボヤージュ」を歌う奥村愛子の歌声はどこまでもスーッと伸びて心地よく、工藤真由による「チェリーブラッサム」は声質こそ違え、松田聖子によく似た歌い方で、こういう愛あるストレートなカバーの仕方もアリだなと。逆に、聖子の曲をぐいっと自分の方に引き寄せて歌っているのはCHI-KAの「Only My Love」。そして、名曲中の名曲「赤いスイトピー」を歌うAikaの歌声は春風のようにあたたかく柔らかくサラサラとしていて、まさに“春盤”を締めくくるのにふさわしい1曲になっている。

それにしても、歌い手が変わり、表現が変わると、見えてくるものも変わってくる、というのは前作“冬盤”でも実感したことだが、歌い手が変わり、表現が変わると、歌の主人公も変化する、ということに今回あらためて気がついた。

松田聖子作品、特に松本隆が描く主人公は、よくよく歌詞を読んでみると意外にも小悪魔系だったりSキャラだったりすることが多い。それを松田聖子があのブリッこキャラととびっきりのせつなスイート・ボイスで歌うや、主人公はたちまち甘えん坊で守ってあげたくなるような女の子として像を結ぶわけだが、本作ではそのオリジナルとは年齢も顔つきも性格も雰囲気も微妙に(もしくは、かなり)違う主人公たちが生き生きと息づいているのだ。これぞカバー・マジック!?

そんな差異を楽しむもよし、外見を変えた名曲の新鮮さを味わうもよし、新しい外見そのものに耳を懲らすもよし。いずれにしても日本ポップスのスタンダード・ナンバーが詰まった本作は誰もが楽しめる必聴盤! ちなみに“夏盤”はボーカリストを一般公募するそうで、これもおもしろい展開になることは間違いない。というわけで、“春盤”をヘヴィロテしつつ、“夏盤”にも期待!
文●赤木まみ

なかなかプロポーズをしてくれない彼にやきもきする「未来の花嫁」は、千秋のガーリー全開の歌声がピッタリマッチ。前作では「ハートのイアリング」を歌っていたフレネシの「Rock'n Rouge」は、80'sシンセサウンドへのリスペクトを感じるアレンジで原曲の持つキラキラなイメージを再現した。「制服」は、松任谷由実が呉田軽穂名義で作曲した曲だが、もともと持っていたニューミュージック的なメロディがあべちえみの歌声によって、さらに濃く引き出されている。

「天使のウィンク」は、たむらぱんがカバー。そもそも、たむらぱんサウンドは個性的だが、元々個性の強い松田聖子サウンドを彼女流に味付けするのに、どんなサウンドを選ぶのか、興味津々で聴いた。なんとサンバ調。たむらぱん×聖子ソングの新鮮なマリアージュ。「いちご畑でつかまえて」はSAWAのアンビエントなダブサウンドで不思議な雰囲気。原曲とはガラリと装いを変えた。続くYun*chiの「Canary」は旅立つワクワクと別れの切なさが混じった複雑な心境を4ツ打ちのディスコビートでリアレンジ。「ボン・ボヤージュ」はアップテンポなボサノバテイスト。奥村愛子の真っすぐな歌声と歌詞の中で歌われる真っすぐな恋心がリンクする。

イントロでは「何の曲?」と思わせる「チェリーブラッサム」は、歌が入ると工藤真由が歌っていてもしっかり聖子ちゃんワールド。この曲だけではなく、松田聖子楽曲は個性が強いだけに、カバーする側のセンスや力量が試されるのだろうなぁと、改めてクィーン・オブ・アイドル松田聖子の凄さを思い知る。CHI-KAがカバーした「Only My Love」はもともとバラード曲。ビート感を足してテンポを上げると歌詞の内容まで違って聞こえるカバーの妙。ラストを飾るのは、誰もが知っているであろう「赤いスイートピー」。知られている曲だけにカバーするには難易度が高かったであろう。アレンジにも原曲へのリスペクトがあちこちに残る。意外なアレンジでリスナーを驚かせようというよりも、曲の良さを改めて知ってもらおうという素直なカバーソングになっている。

きっと、アラフォー以降の方々は、松田聖子の春の曲と言われると、思い浮かべる曲がいくつかあるだろう。さて、あなたの記憶の中の春の曲は入っていただろうか。
文●大橋美貴子

さて文中にもあったように、この『MemorieS』では第一興商LIVE DAMとのコラボ企画「VOCALオーディション」を実施している。

松田聖子のすべての楽曲のなかから、自分が好きな曲を選んで通信カラオケLIVE DAMで歌って応募するというもの。選ばれた人は『MemorieS』夏盤にヴォーカリストとして参加できる。「松田聖子ならまかせて!」という歌好きな人は、ぜひぜひ応募してみてほしい。応募期間は5月1日(日)~2011年6月12日まで。年齢・性別・プロ・アマチュアを問わない。

<千秋監修!カバーアルバムVo.オーディション>応募期間:2011年5月1日(日)?2011年6月12日(日)
応募資格:年齢・性別・プロ・アマチュア問わず
主催:株式会社ソニー・ミュージックダイレクト
協力:株式会社レインボーエンタテインメント・株式会社第一興商

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