「WORLD SONIC NEWS VOL.10」デリック(SUM 41)「ニュー・アルバムは暗くてハッピー?」

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今回は、カナダのパンク系ロック・バンド、SUM 41をフィーチャーします。4月、ニュー・アルバム『スクリーミング・ブラッディ・マーダー』をリリースしたSUM 41のフロントマン、デリック・ウィブリーのインタビューをお届けします。

◆SUM 41画像

当時16歳だったヴォーカルのデリックとドラムのスティーヴを中心に、カナダ・トロント近くの町で結成されたSUM 41は2000年にデビュー。翌年に発表したフル・アルバム『オール・キラー・ノー・フィラー』がヒットし、新世代パンク・ロック・バンドとして注目を集めます。2002年に初来日を含む、2度のジャパン・ツアーを成功させ、その後もサマソニや単独ツアーでたびたび来日し、日本でも熱狂的なファンに支持されています。

2006年に長年活動を共にしてきたギタリストのデイヴが脱退するなど、バンドの危機が叫ばれますが、残った3人のメンバーが結束を高め、2007年に4作目『アンダークラス・ヒーロー』を発表。これが全米チャート7位とバンド史上最高の大ヒットとなり、SUM 41の新たな一面を見せつけました。

プライベートな面ではデリックが2006年にあのロック・プリンセス、アヴリル・ラヴィーンと結婚! ところが3年後に離婚と、こちらも話題になりましたね。

それではそんなデリックのインタビュー、お届けしましょう。今回のアルバムは4年かけて制作されていますが、ソングライターのデリックが曲を作り始めたのは、アヴリルとの離婚後、精神的にまだ落ち込んでいる時期だったようです。

「今回、実は凄く暗いモードの、暗い時期に書いていて…そのときは、離婚や別れを経験していた時だったので、凄く苦しかったよ。でもレコーディングの時はその逆で、暗い時期から脱した自分がいて、超ハッピーなときで、ハッピーなパフォーマンスの中でレコーディングできたのさ。だから、暗いときに曲を書いて、明るいときにレコーディングしたので、結果的にそのふたつの面が反映されたアルバムになったんじゃないかな」

確かに歌詞にそんな状況が反映されているように思いますね…。続いて、つらい時期に書いた曲には、どんな意味や感情が込められているのか、デリックに聞いてみたら、予想外の答が返ってきました。

「実際には、今回書いた言葉や歌詞の意味は自分でもよくわからないんだ。とにかく、その時に口から出てきたものというか、内面から出てきたものを、そのまま歌にしている。それがどういう意味を持つのか、どういうふうに受け止められるのかなんて考えなかった。出て来たものを、ただそのまま書いたんだ。人からどう思われるか、なんてまったく考えなかった」

デリックはそのルックスとは違って、シャイで内気な感じです。インタビューのしゃべりかたからもナイーブさが伝わってきました。

SUM 41は5月のジャパン・ツアーで、海外アーティストとしては震災後初の仙台公演を行ないました。日本のことをとても思ってくれているバンドのひとつだと思いますが、日本のファンに対して、デリックはこんなことを感じているそうです。

「日本は大好きだよ。僕らにとっては、お気に入りの場所さ。いちばん好きなところだし、ファンの人達は僕らにすごく良くしてくれるし、熱心だし、エネルギーを感じるよ。そのファンの人達と僕らが合わさるとなにか違ったものが出来る。それは他の国にはないものだと強く感じるよ」

SUM 41は被災地支援のためのチャリティー・オークションに、メンバー全員のサインが入ったフェンダー製アコースティック・ギターを提供。このギターはデリックの私物で、前回のツアーで使っていたものだそうです。ありがとう! SUM 41!

今回はカナダのパンク系ロック・バンド、SUM41をフィーチャーしました。ニュー・アルバム『スクリーミング・ブラッディ・マーダー』をぜひチェックしてください。サウンドはエネルギーに満ちてアグレッシヴです! 個人的には「クラッシュ」という美しいバラードにやられました。

text by kenji kurihara:UNITED PROJECTS

『スクリーミング・ブラッディ・マーダー』
UICL-1109 2,500円

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