【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第26回「検証!ディラン版モノ・ボックス『BOB DYLAN / The Original Mono Recordings』 -その(1)-」

ツイート

D.W.ニコルズの鈴木健太です。
ついに先日入手しました! ボブ・ディラン『THE ORIGINAL MONO RECORDINGS』!!


『Bob Dylan』
『The Freewheelin' Bob Dylan』
『The Times They Are A-Changin'』
『Another Side Of Bob Dylan』
『Bringing It All Back Home』
『Highway 61 Revisited』
『Blonde On Blonde』
『John Wesley Harding』

2010年秋に発売された、1962のデビュー作『Bob Dylan』から1968年の『John Wesley Harding』までの8作品9枚組の、オリジナル・MONOミックスのアナログ盤ボックスセット!

2009年に発売されて世界を揺るがした『BEATLES MONO BOX』のディラン版、とでも言ったところでしょうか。ディランのこの初期の歴史的名作8作品は、ビートルズの初期作品同様、MONOレコーディング、MONOミックスがオリジナルとされています。

1960年代、時代はMONOからSTEREOへ移り変わっていきましたが、ビートルズもそうだったように、多くのアーティストはレコーディングもオリジナルミックスもMONOにこだわり続けたと言われています。実際のレコーディングの現場では、機材においても録音技術においても、新しいSTEREO方式への時代の流れに遅れをとっていたという事実もあるらしく、アーティストによってはSTEREOミックスがうまくいかずにエンジニアに任せっきりにしてしまうということも多かったそうです。'60年代半ばくらいまではMONOとSTEREOの両方で発売するということもあったようですが、'60年代後半になるとSTEREOが完全に主流となり、その結果、追加生産・再発売されるものは、ほとんどがSTEREOミックスとなり、MONOミックスは廃盤となっていきました。

しかしアーティストがこだわって作ったMONOミックスこそ聴きたいのがファンというもの。そのためには発売当時のオリジナル・MONO盤を手に入れるしか方法がありませんでしたが、そのオリジナル・MONO盤はもう発売から40年以上が経っているために数も少なく、高い値段がつけられてそうそう手を出せるものではなくなっていたのです。

僕もそれに頭を悩まされていたひとりです。刷り込みのようにディランを聴いてきた(連載 第1回 「僕とオリ盤」 参照)僕は、ディランに対しては特に強い思い入れがありますが、そのずっと聴いてきた音というのはもちろん後発のSTEREOミックス。だからやはりMONOミックスを聴いてみたい。しかしディラン初期のオリジナル盤はなかなか値が張ります。特にMONO盤は本当に高価。さらに最初の4枚などは弾き語りがメインなので、バンドものでは気にならないようなノイズも目立ってしまうため盤質の良いものを求めてしまい、そうなるとさらに高くなるのです……。

結局僕がディランのこの初期の8作品で持っているMONO盤はと言えば、『Highway 61 Revisited』(連載 第6回 「HIGHWAY61 REVISITED」 参照)のUSオリジナルMONO盤と、『John Wesley Harding』のUKオリジナルMONO盤だけです。

それだけにこの『BOB DYLAN / THE ORIGINAL MONO RECORDINGS』の発売は本当に嬉しい限りでした(諸事情により発売から半年経っての購入となりましたが……)。そして何より嬉しかったのがLPでの発売があったことです。ビートルズのMONOボックスはLPで出なかったのがとても残念かつ不思議だったので……。もちろん、僕はLPのボックスセットを買いました。値段はさすがに8作品のボックスセットですからそれなりにしますが、本物のオリジナルMONO盤でその8作品をそろえることを考えれば比べ物にならないほど安いものでした。
この記事をツイート

この記事の関連情報