Alice Nine、傑作アルバム『GEMINI』を経て完成した新曲「BLUE FLAME」の意味とは?

ツイート

まもなく結成7周年――。バンドとしてネクスト・ステージに突き抜けたAlice Nineがここにはいる。音楽的評価が俄然高まってきたなか、バンド史上最高傑作といえるアルバム『GEMINI』を2011年2月にリリース。セールス的な結果も出し、純粋 に“バンド”としてAlice Nineが放つ音に注目が集まるいま、彼らが放つニュー・シングル「BLUE FLAME」の意味とは。

取材・文●東條祥恵

――ニュー・シングルの話をお伺いする前に、Alice Nineをより理解するためにバンドとして突き抜けた傑作アルバム『GEMINI』について改めて聞かせて下さい。あのアルバムはAlice Nineにとってどんな作品だったと思いますか?

将(Vo):『GEMINI』という作品はAlice Nineのバンドのイメージに沿ったところから、もっと深いところにみなさんをお連れするというコンセプトをしっかり決めて、それを表現しきったアルバムでした。

虎(G):そのためにかなり挑戦したアルバムだと思うんですよ。タイトル曲はつなげて聞くと12分以上。いまのヴィジュアル系バンドにはあり得ないですよね。だから、無難にいいアルバムを作ったというよりは、かなり挑戦していいアルバムができたという感覚でした。だから、作り方も“コレをやれば売れる”とかじゃなくて、“コレがいまカッコいいと思うんだ”っていうものを集めたっていうのはありますね。

沙我(B):僕の中では、2009年に出した『VANDALIZE』から“Alice Nineを変えよう”という意識が実はあったんです。その前の『Alpha』っていうアルバムのとき、これまでにできたAlice Nineのイメージが、僕の中ですごくバンドとして“ヌルい感じ”だったんですね。そこから、バンドとしてのある種の棘の部分だったりポップな部分をもっとはっきりと強調したいと俺は思うようになって。ポップなものはもっとポップに、ロックなものはもっとロックに。はっきりとそこを突き詰めたいと思って、『VANDALIZE』というアルバムでははっきりと“変えてやろう”っていう気持ちを出したんです。その変化に対して、新しいものをやろうとすると歪みは出る訳で。周りの人たちからは“どうしたの?”“いま迷走中?”という意見もありました。でも、そこで負けずに、ブレずに、さらにそこを突き詰めたのが『GEMINI』だったんです。だから『GEMINI』は極端に分かれてるんです。アルバムの前半では、Alice Nineのキャッチーな部分、輝いてる部分、すごく取っ付きやすい部分を表わして。後半は、それよりも一歩も二歩も踏み込んだ、内面的なマインドや深い部分を、どんどんトラックが進むにつれて表現していこうっていう明確なコンセプトを立てて作ったんです。それができたのは、メンバーみんなの成長、あとは岡野ハジメさんというプロデューサーとの出会い。それがデカいですね。そこもAlice Nineとして変われた要因の一つです。

ヒロト(G):このバンドって、すごいいろんなことをやりたがるバンドで。このバンドが作る曲の個性をもっとはっきりさせていきたい、突き詰めていきたいというのは、ここ2年ぐらいすごく模索していたところで。それを一つ形にできたのが『GEMINI』というアルバムなんですよ。自分で聴いてても面白く聴けて、なおかつ、なによりもファンの子たちが曲自体を一生懸命理解しようとしてくれてるなという印象があって。だから、『GEMINI』を作ったことで、もっといろんなことにチャレンジしたいなと思いました。

Nao(Dr):なにより、いまの自分としてとても満足できる作品ができたという気がしてます。やっぱり岡野ハジメさんとの出会いは大きくて。自分たちに足らないところを引き出してもらったんで、着いていくのに大変なところもあったんですけど、最終的にはすごくカッコいい作品ができたと思ってます。

――そうした、バンドとしてターニングポイントとなったアルバム後、初のシングルが「BLUE FLAME」となる訳ですが。

沙我:これはアルバムとはまったく流れが違うところにありますね。シングルに求められるものって、即効性だと思うんです。あれこれ考えず、聴いた人に刺激を与えられるもの。そのためにもピンポイントで絞ったものを明確に見せるべきだと考えていて。「BLUE FLAME」は、Alice Nineも偉大な先輩に触発されてバンドを始めた訳なんですけど。例えば、僕がなんでバンドに興味を持ったかというと、L'Arc~en~Cielが「虹」というシングルで復活したときにTVのCMで曲のサビが流れてて。普通じゃなかったんですよ。明らかに浮いてたし、でもすごく刺激があって、ものすごいパワーがあった。それでシングルを買って“バンドってすっげぇカッコいいんだな”って思ったんですけど。そういう感覚を単純に自分たちのシングルにも求めたんです。そのために個々の音だったり、歌の力をより強力に出しつつ、聴いててパワーを与えたり“自分もバンドやりたい”って思わせられるものを作ろうとしてできた作品なんです。だから、いい意味で主張が強い。ギターがスタンスをはっきりと主張してる分、J-POPに較べると明らかにシンセは少ないし。だからJ-POPというには浮いてる。でも、歌はあくまでも日本のメロディをちゃんと意識して。そういうコンセプトまでちゃんとメンバーに説明して作りました。そういうことを深くまで話して伝えるようになったのも最近ですけどね(微笑)。

Nao:この曲はスピード感ある8ビート調で。自分的には歌メロも綺麗だったんで、いつもよりもシンプルに叩いてるんですけど。リズムをパズルのようにバラして見直して作ったんで、シンプルに見えても意外と難しかったりします。高速フレーズもありますけど、まだまだ俺はいけますよ(笑)。

ヒロト:アルバムで学んだギター・アレンジをやってみたくて。ツイン・ギターなんで2人の音、フレージングでキャラを出すのはもちろんなんですけど。例えば、1番のBメロで僕がアルペジオを弾いたら、2番では虎がまったく違うアプローチで印象的なフレーズを弾くとか。1曲の中でもそういうメリハリで2人のキャラが出るようにしたんです。

――間奏はどうなってるんですか?

ヒロト:ドラム→ベースからギター→ギターという流れで。ギターの前半後半で僕と虎がリードをリレーしてます。そこでもそれぞれのキャラが出てます。この間奏の長さもバンドじゃないとやんないでしょっていう長さだし。そこも『GEMINI』を作ったことで、あれぐらいの長さでも見せられるだろうという自信がありました。

――間奏のアイデアは最初からあったんですか?

沙我:ギターは最初から2人で弾いてもらおうと思ってましたね。ドラム・ソロ的な要素まで入れようとは思ってなかったんですけど、アレンジしていくなかでドラムのNaoが叩きたそうだったんで(笑)。これはドラム・ソロだなと。その流れでベースも入れて。自分で作った曲にベース・ソロってやり辛いんですけど(照笑)、ここはやっちまえと。

虎:だけど、意外ときめ細かい曲なんですよね。これだけ勢いがあっても。だから、ちゃんと聴いても(曲の細部までが)ちゃんとしてるんで。パッと聴きはロックでいい曲っぽいけど、よーく聴いてもちゃんとしてる。そういう部分までこだわって作っていけるようになりました。

――歌のアプローチで心がけたことはなにかありましたか?

将:メロディ、コードが切ないというか哀愁を感じる曲なので、僕は、歌はいかに“歌謡曲”であるかを意識しました。クオリティが低いものって歌謡曲にはなれないんですよ。ただポップなだけではない。それぐらい、歌謡曲って自分のなかでは高尚な意味なんです。曲自体は全パート歌ってて、ヴォーカルに遠慮して引いてる部分がある曲ではないので、僕はしっかりヴォーカルの仕事。いいメロディをいかにクリアに伝えるか、そのために抜ける響きの言葉を乗せるか、ということをコツコツ積み上げて作りました。

――「BLUE FLAME」というタイトルはどこからでてきたんですか?

将:曲を最初に聴いた時点で、雨に打たれてるんだけど心の中は後悔だったり未練だったりがまだ燃えたままっていう感じの情景が見えたんで、そこから。

――この曲はPVのほうも話題になっていますが。

将:PVのなかのストーリーとしては、バンドをやっていたけどみんなバラバラになってしまって、でもまだみんなバンドをやりたいと思っているという未練、後悔の念で苦悩しているメンバーの姿を、5人5様で表現しています。今回はPVでも楽しんで頂こうということで、これは沙我君の発案だったんですけど。メンバーの意外な一面を見てもらったらどうだろうかっていうことで、泣いてるメンバー、荒れまくってるメンバーがいたり。かなり画としても楽しんでもらえるPVになったと思います。常にそういう驚きは提供していきたいんですよ。ヴィジュアル系というジャンル自体そういうものですし、バンドを長く続けていくと綺麗にまとまり過ぎてしまうんじゃないかという怖さも常に僕らは感じながらやっているので。リリースごとに驚きと、でも時代にリンクした部分ももって活動していきたいなと思ってます。

――分かりました。では最後に。9月9日にNHKホールで開催されるライヴに向けての抱負を聞かせて下さい。

将:<Prelude to“GEMINI”>ツアーの集大成かつ、8月24日に僕らは結成7周年を迎えるので、それで<7th THEATER>というタイトルになってるんですが。7周年を記念したお祭り的な楽しいライヴにしたいなと思ってます。


<Prelude to“GEMINI”>振替公演
●5月10日(火)仙台darwin
⇒7月4日(月)仙台darwin
OPEN/START 18:00/18:30
●5月11日(水)仙台darwin
⇒7月5日(火)仙台darwin
OPEN/START 18:00/18:30
●5月13日(金)札幌cube garden
⇒7月7日(木)札幌cube garden
OPEN/START 18:00/18:30
●5月14日(土)札幌cube garden
⇒7月8日(金)札幌cube garden
OPEN/START 18:00/18:30

<Alice Nine Live 2011“7th THEATER”>
9月9日(金)NHKホール
OPEN/START 17:45/18:30
チケット前売¥5,250(tax in)/当日¥5,775(tax in)※全席指定
 チケット一般発売日 8月6日(土)
(問)バックステージプロジェクト 03-5786-2400

New Single
「BLUE FLAME」
2011年6月8日発売

【初回限定盤A】CD+DVD
TKCA-73648 ¥1,890(tax in)
1.BULE FLAME
2.残響ホワイトアウト
[DVD]
1.BLUE FLAME MUSIC CLIP
2.MUSIC CLIP MAKING

【初回限定盤B】CD+DVD
TKCA-73649 ¥1,890(tax in)
1.BULE FLAME
2.残響ホワイトアウト
[DVD]
1.BLUE FLAME MUSIC CLIP (another edition)

【通常盤】CDのみ
TKCA-73653 ¥1,260(tax in)
1.BULE FLAME
2.残響ホワイトアウト
3.G3 

<イベント情報>
◆TOWER RECORDS『Alice Nine プレミアムミニライブ』
6月24日(金)タワーレコード渋谷店 B1『STAGE ONE』
OPEN/START 18:30/19:00
[イベント参加方法と内容]
タワーレコード渋谷店orタワーレコード新宿店にて、抽選会実施期間内に6/8発売(6/7入荷)『BLUE FLAME』3タイトルのうち、いずれか2枚を同時にお買い上げのお客様に、抽選会参加券を1枚差し上げます。
また、こちらの抽選会で当選されたお客様には、1枚で2名様まで入場出来るAlice Nine『BLUE FLAME』プレミアムミニライブにご招待!!
[抽選期間]
・渋谷店
6月7日(火)商品入荷時~20:00
6月8日(水)10:00~20:00
抽選場所:タワーレコード渋谷店 1Fエレベーター脇特設カウンター
・新宿店
6月7日(火)商品入荷時~20:00
6月8日(水)11:00~20:00
抽選場所:タワーレコード新宿店 7F

◆TSUTAYA『Alice Nine スペシャルイベント』
6月11日(土) 予定 都内某所
[イベント参加方法と内容]
全国のTSUTAYAにて『BLUE FLAME』をお買い上げのお客様に先着でイベント参加券を差し上げます。
イベント内容に関しては5月上旬に公式ホームページにて大発表!!
詳細に関しては今しばらくお待ち下さい。
※詳細発表前のレコード店舗へのお問い合わせはご遠慮下さりますようお願いします。
お客様のご理解、ご協力の程宜しくお願い致します。
※一部お取り扱いのない店舗もございますので、予めご了承下さい。

◆オフィシャル・サイト
◆レーベル・サイト
◆BARKSヴィジュアル系チャンネル
この記事をツイート

この記事の関連情報