ナイト・レンジャー、来日公演直前ロングインタビュー公開

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4年ぶりとなるナイト・レンジャーの新アルバム『SOMEWHERE IN CALIFORNIA』がいよいよ発売となる。爽快なアメリカン・ロックンロールを主体に、ハードでへヴィにドライブするナンバーがずらりと並ぶこの作品、ポップで明快なメロディと、ブラッド・ギルスと新加入のジョエル・ホークストラによる新生ツインリード、そしてもちろん重厚なコーラス・ハーモニーも健在。ファンが待ち望んだナイト・レンジャーらしさにあふれた作品だ。この新作を引っ提げ、ツアーのため来日したナイト・レンジャーにさっそくインタビューを敢行。フロントの二枚看板、ジャック・ブレイズ(B、Vo)とブラッド・ギルス(G)を直撃した。

◆ナイト・レンジャー、来日公演直前ロングインタビュー公開~拡大画像~

――日本はまだ混乱が続いていて、来日公演を延期したアーティストも多いんですが、ナイト・レンジャーは予定通り来てくれた。これには日本のみんなが喜んでいます。

ジャック・ブレイズ(以下ジャック):大地震、津波、そして発電所の問題、本当に大変な状況で、世界中が心配してる。僕らも同じだけど、心配するだけじゃなく何かできることがあるんじゃないかと思ったんだ。そのためにはナイト・レンジャーでライヴをやって、たった2時間だけでも笑顔を取り戻してくれたらいいなと。だから今こそ日本に来るべきだと思った。みんなに“You can still Rock in Japan”って思ってもらいたいんだ。

――実際に日本に来てみて、どんな印象でした?

ジャック:表面上は今までの日本となにも変わっていなかったけど、やっぱり、みんなの心の中には深い悲しみがあるようだね。決定的に違っていたのは、成田の入国審査の外国人の列。いつもなら長蛇の列に並ばなきゃいけないんだけど、今回は僕らを含めて3人しかいなかった。

ブラッド・ギルス(以下ブラッド):僕らの乗ってた日本行きの飛行機もね。アメリカ人は全部で5人しかいなかったんだよ。

――ナイト・レンジャーにとって、日本ってどんな存在?

ジャック:日本はいいよ! ホントに毎回素晴らしい時間を過ごさせてもらってる。

ブラッド:まず食べ物がおいしいね。僕はカメラ片手に散歩するのも好きなんだけど、夜のネオンなんかラスベガスを思い出すな。あと、礼儀正しい人が多いのがサンフランシスコとは大違い(笑)。初来日のときにライヴで驚いたのは、曲が終わったら拍手で盛り上がるけど、すぐに静まるんだよね。演奏が良かったよって意思表示をしてくれるけど、すぐに次の曲を礼儀正しく待ってるって感じ。これは感動したな。

ジャック:そう。ワーッときたあとシーン、って(笑)。ピンが落ちた音だって聞こえるよ! あと僕が思うのは、みんなフレンドリーだってこと。東京に来るたびに通ってるレストランもあるんだけど、オーナーも従業員もいつも同じ人で顔なじみになったし、ファンもいつも同じ人たちがずっと来てくれる。アメリカのクリーブランドなんかより、日本のほうがずっとよく知ってる気がするよ。日本に来るのは仕事って感じがしないんだよね。

ブラッド:ホントにそうだね。こういうインタビューなんかも日本に帰ってきたって感じがして楽しいよ。これを通じて僕らの新しいアルバムに込めたメッセージが伝わり、それで日本のみんなに笑顔を取り戻してもらえたらいいと思う。

――ではその新作の話を…

ジャック:もう聴いてくれた? PV(プロモーション・ビデオ)は見た?

――もちろんですよ。とてもカッコよかった。

ブラッド:そりゃよかった!

ジャック:うれしいね! このアルバムを作ろうと思ったのが2010年の12月ごろ。それまでは曲を作ったりしてなかったんだ。今回は昔のように全員が一室に集まって曲を作っていったんだよ。

ブラッド:今回はレコーディングの合間にライヴもやっててね。ジャーニーと一緒にメキシコとかプエルトリコに行ってたんだけど、そのエキサイティングな感じをスタジオに持ち込むことができたから、エネルギッシュなアルバムになったと思うよ。いつもより長い期間かけて丁寧に作ったし。


――実際、躍動感あふれるアルバムですね。ハードロックがすごく盛り上がっていた80年代のような勢いのあるサウンドだと思いました。

ブラッド:だよね!

ジャック:僕もそう思ってるよ! 当時のきらめきのあるエキサイティングなサウンドを、今のナイト・レンジャーに当てはめようと思ったし、歌詞にもポジティブなメッセージを込めたかったんだ。「Follow Your Heart」とか「Say It With Love」はまさにそんな曲さ。

――ストレートなアメリカン・ロックンロールを基本に、ちゃんとメロディがあって、ツインギター、ツインヴォーカル、分厚いコーラスハーモニーもある。ナイト・レンジャーらしさ、良さがすべてうまく出てますね。

ジャック:おお、僕よりずっと的確にこのアルバムのことを表現してくれた(笑)。ファンのみんながホントに楽しんでくれるようなアルバムになったと思うよ。すでにPVを見てくれたファンなら“あのナイト・レンジャーが還ってきた”と思ってくれるんじゃないかな。

――このサウンドはナイト・レンジャーらしさを意識して作ったもの? それとも自然にこうなったんですか?

ジャック:自分たちらしさをもっともいい形で出そうと思った。そこは意識したよ。

ブラッド:今回2人の新メンバーが入ったことで、新鮮なエネルギーが注入されたんだ。僕はギタリストだから、ジョエルと一緒にツインリードを作り上げていくなかで、色々なインスピレーションを得ることもできた。

ジャック:新メンバーにいいところを見せようと思ったから頑張ったしな(笑)。

――では新メンバーについて。まずギターがジョエルになったことで、ツインギターの組み立て方やソロの振り分け方など、何か変ったことは?

ブラッド:お互いにオープンな気持ちでやってたよ。たとえばソロをどちらがやるかは、曲のスタイルによって決まっていったんだ。バラードなら僕がいいだろうし、「Say It With Love」みたいなアップテンポな曲ならジョエルの8フィンガーのテクニックを披露するのがいい、って感じでね。

ジャック:ジョエルはブラッドの提案もよく受け入れていたし、この二人のツインギターには何の問題もないね。すごくうまくいってるよ。

――もう一人の新メンバー、キーボードのエリックはどんなミュージシャンですか?

ジャック:エリックは僕の家のすぐ近くに住んでたんで、最初は何曲か弾いてもらおうとスタジオに呼んでみただけだったんだ。でもやってみたらあまりによかったんで、すぐに“5年先、10年先までスケジュール空いてるか?”って訊ねたよ。つまり正式メンバーになれってことさ(笑)。僕もブラッドもケリーも、ミュージシャンをしばるのは好きじゃない。だからエリックにも好きなようにやれって言ったよ。そのほうが自分らしさを出せるからね。その結果、素晴らしいプレイをしてくれた。

――どの曲もナイト・レンジャーらしいけれど、曲調はバラエティに富んでますね。「Live For Today」なんてビートルズとかポール・マッカートニーみたい。

ジャック:ホント? それはすごくうれしいよ!

ブラッド:ナイト・レンジャーって昔から色々なスタイルの曲をやってたんだよ。スタイルは違っても、ビッグなコーラスとツインギターがあれば僕ららしくなるだろ? このアルバムに関してもそれが出てると思うよ。だから新曲をライヴでやるのも楽しみだね。今回はこのアルバムから5曲やる予定なんだ。

ジャック:このアルバムの曲は全部好きだし、曲調に幅もあるから、5曲に絞り込むのは難しいんだよ。昔のヒットナンバーもやらなきゃいけないし。

ブラッド:日本に来てからみんなに“どの曲が好き?”って訊いてるんだけど、答はバラバラなんだ。でもそれでいいんだ。誰もが同じ曲が好きだって言うなら、それ以外の曲はカスだってことになる。みんな違う曲を言うってことは、いい曲が揃ってるってことだからね。

ジャック:で、君はどの曲が気に入ったの?

――うーん、どれもいいから選びにくいけど、「Live For Today」と「Say It With Love」かな。

ジャック:ワオ! 僕のお気に入りとまったく同じ2曲だ。

――アルバムの収録曲について、どうやってできあがったのか解説してもらえますか? 本当は全曲知りたいんですが、時間も限られているので、一人1曲ずつで。

ブラッド:じゃあ僕は2曲目の「Lay It On Me」ね。僕は他の人に提供したりこともあるから曲はいつも書きためているんだ。これはその中の1曲なんだけど、ナイト・レンジャーに合うと思ってたんで、今回アルバムを作ることになったとき、絶対に入れたいと思った。イントロのリフはジョエルのアイデアさ。ジョエルがクリックに合わせて弾いたリフがよかったんで、それに僕のアームのフレーズを重ねて、それからヴォーカルが入ってくるっていうようにしたらうまくいった。ナイト・レンジャーにとっての究極のヘヴィネスって感じで、すごく気に入ってるよ。

ジャック:僕は「Growin' Up In California」を解説しよう。実はこの曲は僕のソロアルバム用に準備していた曲なんだ。でもケリーとブラッドがこれを聴いて、“これはナイト・レンジャーっぽいよ、ぜひ使おう”って言ったんでね。これはカリフォルニアに生まれ育ってカリフォルニアで活動している僕らの自伝みたいな曲。このアルバムの中では最初に仕上がったんだけど、出来がすごくよかったんで、これにつられて他の曲のレベルもどんどん上がっていったんだ。

――お花畑のような草原でプレイするPVもカッコよかったです。

ジャック:カリフォルニアのよさを見せたいというアイデアから、あのビデオが出来上がったんだ。あれは僕の家の裏庭なんだよ。あとハリウッドのシーンで女性が二人出てくるだろ? そのうちのブルネットの髪のほうは、ブラッドの娘さんなんだよ。

ブラッド:19歳なんだ。きれいだろ?

ジャック:彼女に手を出すなよ! 見るだけならいいけど(笑)。

ブラッド:それと、後半に出てくるのはボデガ湾だよ。ヒッチコックの「鳥」の撮影地で有名なところさ。もうYouTubeにあるからみんなぜひ見てほしいな。

――赤いギターアンプも映ってましたね。

ブラッド:あれはメサブギーのマークV。ブギーはオジー時代からずっと使っているんだけど、これは開発にもちょっと関わったんだ。それで僕のために赤いのを3つ作ってもらった。違うのは色だけで、中身の仕様は普通のマークV。今のところ赤のマークVを持ってるのは世界で僕だけさ。

――PVに出てきたブラッドの赤いギター、ジャックの白いベースは、今回のツアーでもメインで使う予定ですか?

ジャック:ハイ、ソウデス。


――日本盤ボーナス・トラックとしてアコースティックギターのインストが入ってますね。この「L.A. No Name」は、コピーに挑戦して挫折するギターキッズも続出しそうですが、なにかアドバイスするとしたら?

ジャック:“他の曲にしておけ”だな(笑)。

ブラッド:ジョエルと二人でアコギを弾きながらアイデアを出し合って、それをまとめたのがこの曲なんだ。アドバイスとしては、曲をよく聴くこと、かな。僕だってギターはちゃんと習ったわけじゃなく、耳コピーだけでやってきたんだよ。

ジャック:この曲はタイトルがなかなか決まらなくてね。僕の次男が“L.A. No Name”っていうTシャツの会社をやってて、ある日それを思い出して使っちゃったんだ。L.A.とはなんの関係もない曲なんだけど(笑)。この曲、ライヴではかなり受けがよくて、マネージャー、これは僕の長男なんだけど、彼がぜひCDに入れるべきだって言ったんだ。それに、日本のファンはテクニカルなギターが好きだろ? だから日本盤のボーナストラックに最適だと思ったんだよ。

――ジャックもブラッドも、他のプロジェクトやソロなど色々な活動をしつつ、結局のところナイト・レンジャーでの活動がもっとも長いですが、やはりここがホームという感じですよね?

ブラッド:まさにそうだね。途中ブランクはあるけど、もう30年もやってるんだよ。いかにこのバンドを大事に思ってるかわかるよね。いつでも戻ってこれるところ、真実の愛のあるところがナイト・レンジャーさ。

ジャック:僕も松本孝弘とTMGをやったり、他にも色々やってるけど、やはり最後に戻ってくるところはナイト・レンジャーなんだ。

ブラッド:ホントにここでやってると楽しいんだ。

――ところで、現在の音楽シーン、どう思いますか?

ブラッド:クソなのも多いけど、いいのもあるよね。スマッシング・パンプキンズはいいよね。あとシーザー(Seether)、リンキン・パークもいい。

ジャック:僕はオーディオスレイヴが好きだったな。良質なロックンロールってのはいつの時代にもあるよ。ただ音楽にも時代のトレンドがある。今のトレンドで言えばレディー・ガガだよね。彼女は自分の見せ方をよく知ってるし、ポジティブなメッセージも発しててすごくいいと思う。次にどんなトレンドが来るかわからないけど、僕らはストレートなアメリカン・ロックンロールをやり続けようと思ってる。

ブラッド:僕らがそれをやり続けることで、80年代みたいにこういうジャンルがまた盛り上がればいいと思ってるんだ。

――では最後に、ソロや他のプロジェクトを含め、今後の予定を教えてください。

ブラッド:この先2年くらいはナイト・レンジャーですごく忙しいんだ。今年はずっとツアーが入ってるし、まだ行ったことのない南米とかオーストラリアにも行く可能性があるし。とにかくナイト・レンジャーだね。

ジャック:僕は、ソロアルバムが出来上がってる。ナイト・レンジャーと時期が重なってしまったのでまだ出してないんだけど、それを今年中には出そうと思ってる。あとニール・ショーンのソロアルバムに作詞で参加したり、ほかにも色々あるけど、でも今はナイト・レンジャーでやるのが楽しくてしょうがない。当面はナイト・レンジャー一色で頑張るよ。

<ナイト・レンジャー来日公演>
6月9日(木) 大阪 なんばHatch
[問]大阪ウドー音楽事務所 06-6341-4506
6月10日(金) 名古屋 ボトムライン
[問]CBC事業部 052-241-8118
6月13日(月) 東京 渋谷C.C.Lemonホール
6月14日(火) 東京 渋谷C.C.Lemonホール
[問]ウドー音楽事務所 03-3402-5999
◆チケット詳細&購入ページ

『サムホエア・イン・カリフォルニア』KICP-1560 \2,800(tax in)
2001.6.8 Release
1.グローイン・アップ・イン・カリフォルニア
2.レイ・イット・オン・ミー
3.バイ・バイ・ベイビー(ノット・トゥナイト)
4.フォロー・ユア・ハート
5.タイム・オブ・アワ・ライヴズ
6.ノー・タイム・トゥ・ルーズ・ヤー
7.リヴ・フォー・トゥデイ
8.イッツ・ノット・オーヴァー
9.エンド・オブ・ザ・デイ
10.ロックンロールトゥナイト
11.セイ・イット・ウィズ・ラヴ
12.L.A.ノー・ネーム

◆ジャック、ブラッドからのメッセージ映像
◆ウドー音楽事務所
◆キングレコード
◆BARKS洋楽チャンネル
◆レジェンド&クラシック・ロック・チャンネル
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