林原めぐみ、蜷川実花による『VINTAGE White』アートワークに自信

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■ オフィシャルコメント「林原めぐみに聞く」

── 前作BEST盤の『VINTAGE S』『VINTAGE A』から約10年ぶりとなる今回のBEST盤ですが、このタイミングでBEST盤のリリースを決めた経緯などあれば教えてください。

ちょうど、ラジオ「Tokyo Boogie Night」が放送1000回を迎える記念に「何か…」というのが、きっかけですね。ラジオ関西を中心に放送している兄弟番組の「Heartful Station」の1000回突破記念には、一緒にパーソナリティーを務めている保志総一朗君とのデュエットCDをリリースしまして…、そこで「ラジオ」という媒体への私の思いは放出してしまったので、もう1000回記念のシングル!という形はないかな…と。
前回ベストをつくってから10年近くたっているので、そろそろありかな?なんて、
結構ぼんやりした中での発案だったんですけど、気がつけば歌ってから20周年らしくて、それもひっかけちゃえ!みたいな感じです。
よくもまあ、こんな行き当たりばったりな「何かないかな」「どうする?」「じゃあ」みたいな流れで、ここまで歌って来れましたね。ファンのみなさん、本当にこんな私を応援してくれてありがとう。しみじみ…。


── 今回のBEST盤ではファンの方からの楽曲リクエストも反映したということで、選曲にあたって、こういった意見を参考にした、発見があった、などといったことがあれば聞かせてください。

全体をまとめると、とてもわかりやすく3つの傾向がありました。
結果、ファンのリクエストと、私の入れたい曲はかなりシンクロしていましたけど。
1つは、節目、節目で、番組でかけたり、記念イベントで歌ったり…という、曲が生まれた経緯は、様々な作品に向けてだったり、アルバムの中でだったり、時代はまちまちだけど、ラジオを通して育ってきた曲たち。
もう1つは、やはり、人気アニメの主題歌ね。これは外せない!という暗黙の了解みたいなもの。
そして、アルバムならではのオリジナルソングに関しては、みんなそれぞれの生活の中でのシンクロ度だったり、今改めて聞いて思うことだったり、意見は正直バラバラなんだけど、生活が見える曲が人気でした。


── アルバムでは、林原さんにとっても大きな存在である岡崎律子さんによる楽曲が多く収録されていますが、こちらに関しては何か思い入れやこだわりなどがあったのでしょうか?

いやあ、もう思い入れなんてもんじゃないですね…、正直岡崎ベストを作りたくなっちゃったくらいです。
もちろん「もういない」「もう会えない」「あたらしい曲は歌えない」というどうしようもない理由も、その思いを色濃くしているけれど、やっぱり、あらためて聞いてもいい!本当にいい! 10年歳をとって聞いても、やっぱいいものはいい!
無理やりではなく、やさしく、そっと、前には道があることを教えてくれる。そして、そこを歩けるようになるまで待ってくれる。
言いたいことは私も同じなはずなのに、アプローチが違うと、こうまでも伝わり方が違うものかなと思います。あらためて、岡崎さんに「くやしいよ!」と言いたい。


── 新曲「Heart bridge」について。今回の新曲においても作詞を担当されていますが、タイトルの由来や、歌詞に込めた思いなどを聞かせてください。

正直、当初は今だに葉書に頼っているラジオ番組が1000回を迎えるという事実も念頭に入れながら、アナログの大切さやデジタルの淋しさも含みつつ、とにかく見失わないようにしていこう、自分をちゃんと幸せに導かないと、他人も幸せにできない的な歌だったのですが、全面改定!
震災後、安否確認をTwitterでしあったり、メールだけは遅れても何とか通じたりと、デジタルツールのありがたみを命レベルで再認識する中、私が問うべき事が一変しました。
それでも、きっかけはラジオ。
「私には何もできないけど、一日も早い復興をお祈りしています」
なんて、葉書が舞い込でくる。「何もできない」って日本人らしい、ちょっと遠慮した言い方で、使いがち。でもこんな時やっぱり「何もできない」って口にしちゃいけない気がするのね。「何ができるだろう」「少しでも力になれることはなんだろう」って思考に切り替えていかないと、あっという間に自分の住んでいる日本の出来事じゃなくなってしまう。
(海外ならいいってわけじゃなくてね。)とても身近なことだって認識が、言葉の美しさと思いが嘘ではないことで、本当に必要な力そのものがうっすら消えてしまう。
もちろん、私と一緒に年齢を重ねてきたファンの人からは、こんなこと、あんなこと頑張っているとか、被災地からも葉書が来たりとか、力強いメッセージもありました。
でも、まだまだ迷っている人もいっぱいいて、中学生や高校生などなど、まだまだ年齢的にも若いファンの人たちへ、わかりやすい道を提示するのも大人の仕事かなと思いまして、楽曲配信の収益を義援金とすることを含めて、こんな曲となりました。


── 「Heart bridge」では久しぶりのPV撮影に挑んだということで、PVの内容やシチュエーション、撮影時の思い出などを聞かせてください。

これは感謝感謝のファンサービスです
ベストだから、持っている人は新曲以外全部持ってる人もいるかもしれない…。
そんな中、特典として、お礼の気持ちを込めて制作しました。
当初、過去の映像をつなぎにつないで、1本つくろうか…なんて話もあったんだけど、やはり新曲の力強さに私も背中を押され、PVを撮影することになりました。

毎度毎度、
『「声優」なのになあああ…。何やってるんだろう…。なんでこんなにいっぱい人がいるんだろう。みんなこの撮影に集まってるんだ。不思議、本当に不思議。「なんか、林原めぐみさんって凄いなあ」。こんな凄いセットとかこの撮影のためだけに作られたんだ…。本当に凄いなあ、意味分かんないなあ…。』
とずーーーーーーっと思ってましたが…。

でもここが私の恐ろしいところで、一たび「本番! 5・4・3・2・1…」と言われると、すーーーーーっと歌手の人が降りてきて、それはそれはふっ切って楽しく歌っております。
「はい、OK!」と言われると、またぼーーーーーとしてました。
我ながら、久しぶりに、私って変かも…って思いました。

撮影隊は、第一線であんなアーティストやこんなアーティストを手掛けるプロ集団。
総じて、「プロ」の仕事は気持ちいいです。
現場に無駄な滞りがなく、言葉数は少ないのに、やる気、本気な空気が懇々と流れて行きます。仕上がる前から、上がりに信用が持てるって素敵ね。
胸を張って、おっ楽しみにいいいい。
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