スマイレージ、4人体制ラストライヴから感じた“確かなもの”

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夏にメンバー増員を発表しているスマイレージが、4人としてラストの単独公演<スマイレージ 2011 Limited Live “S/mile Factory”>を6月12日、新木場STUDIO COASTにて開催した。

◆スマイレージ 画像@2010.06.12<スマイレージ 2011 Limited Live “S/mile Factory”>

今回のイベントは、スマイレージが2011年4月からスペースシャワーTVにてスタートさせたマンスリー番組『Smile Factory』を記念してのスペシャルなライヴイベント。当初、3月20日に開催を予定していたが、先の東日本大震災の影響を受けて6月12日に延期されたため、結果的に、和田彩花、前田憂佳、福田花音、小川紗季の4人のみで開催する単独ライヴとしてはラストとなった。

ライヴは、2010年秋に開催されたツアーから曲数を増やすとともに、ファンからのリクエスト曲(スマイレージの作品以外のハロー!プロジェクトのアーティスト楽曲)などもパフォーマンス。さらに、8月3日にリリースされるスマイレージ6枚目の“チャラ可愛い”シングル「有頂天LOVE」も初披露された。

ライヴではいくつかドラマティックなポイントがあった。やはり最も大きかったのは、ハロー!プロジェクトの先輩アーティストの楽曲カヴァーだろう。まず前半では、スマイレージ自身もシングルのカップリングでカヴァーした、4人組タンポポ(2期)の2つのシングル曲(「乙女パスタに感動」「恋をしちゃいました!」)に加えて、同グループ名曲にして2期のラストアルバムとなった『All of タンポポ』に収録された唯一の新曲「I&YOU&I&YOU&I」を披露した。また、藤本美貴「ロマンティック浮かれモード」では、ステージ上のスクリーンに映しだされた藤本美貴の映像をバックに福田花音が冒頭のフレーズを歌唱。同曲において、ステージとオーディエンスをつなぐ“共通言語”ともなっている、いわゆる“ヲタ芸”も炸裂し、会場は大きな盛り上がりとなった。

そして「This is 運命」。この曲は、ハロー!プロジェクトでとりわけ尖った個性を発揮した4人組グループ・メロン記念日の代表曲(メロン記念日は2010年5月3日に解散)。この日のライヴでは、バックのスクリーンにメロン記念日のライヴの映像が流され、フロアではタオルも宙を舞う、スマイレージとメロン記念日の熱い映像共演となった。

スマイレージとメロン記念日はメンバーが4人ということ以外にも共通点が比較的多いグループである。たとえば、<メロン記念日 presents MELON LOUNGE>というパーティーイベントを主催し、自らDJブースに入るなど積極的にクラブとアイドルの融合を図ろうとしたのがメロン記念日ならば、スマイレージもまた、番組企画内でDJやラップといったクラブカルチャーに近いところを体験しているのはもちろん、彼女たちのシングル曲には、リミックスver.が存在し、配信されていたりもする。いわば、ハロー!プロジェクトのグループとしてひたすらに自分たちの信じる道を歩み続け、常に攻め続けたメロン記念日の背中を見て、少しずつ形を変えながら進化してきたのがスマイレージなのかもしれない。そして、この日の「This is 運命」でのメロン記念日との“共演”は、そんな4人組時代を終えて、新しい時代を迎えんとしているスマイレージへ、同じく(4人組としての)活動を終了したメロン記念日からの(そしてスタッフからの)エールの意味を込めた楽曲セレクトだったような気がした。現に前曲「夢見る15歳」でトラブルが発生したにも関わらず、この曲あたりからステージの4人もオーディエンスも急激にボルテージが上がっていった。

そのほかを取り上げればきりがない。自己紹介における福田花音の「フレッシュいちごになりたいにょーん。」と、そこから派生した「フレッシュゆうかになりたいのー。」や、和田彩花が後半、『Smile Factory』の番組内企画「ラップ対決」で飛び出した「ピコピコピコピコ…でこっぱち~。」といった発言は、ある意味、アイドルシーンをもフリーダムに動きまわる彼女たちらしさでいっぱいだった。ライヴパフォーマンスも、この日一日限りのセットリストかつ4人でのラストライヴということで、終盤に向かうほどに熱を帯び、「This is 運命」から「同じ時給で働く友達の美人ママ」「スキちゃん」の流れでは、普段はクールなイメージのある前田憂佳も汗を光らせながら、髪を振り乱しての全力パフォーマンスを見せていたのが印象的だった。
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