ワン・ナイト・オンリー、「来日?エネルギッシュですごくロックでヘヴィーでラウドさ」

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「Can You Feel It」の日本語ヴァージョンを起用したコカコーラのCMが公開中のワン・ナイト・オンリー。バンドは間もなく<MTV VMAJ>で来日し、その後<Summer Sonic 2011>でパフォーマンス予定。2ndアルバム『ワン・ナイト・オンリー』のリリースも控え、一気に日本でブレイクしそうな予感の彼らをロンドンで直撃。フロントマンのジョージ・クレイグがアルバムや日本への想いについて語ってくれた。

◆「キャン・ユー・フィール・イット」PV映像

──なぜ2作目にしてアルバムにセルフ・タイトルをつけたのですか?

ジョージ・クレイグ:うん、1stをセルフ・タイトルにするバンドが多いよね? これが自分たちだ、これが俺らのやってることだって。でも、俺らが1st作ったときはまだ若くて、15歳のとき作った曲をバンと出しただけっていうか…、まだ自分たちのサウンドを模索している途中だった。でも2ndで、俺たち成長したし、ずっと作りたいと思っていたものが作れたっていう達成感や満足感があった。こうなりたいって思っていたバンドになれたし、このアルバムのことを誇りに思っている。全部の曲が気に入っている。これが俺たちだ、これが俺たちのサウンドだって思うことができたんだ。俺らを象徴するものだから、ワン・ナイト・オンリーっていうセルフ・タイトルにしたんだよ。

──いま思い返すと、1stアルバムはどんな作品だったと?

ジョージ:すごく楽観的だったと思う。素で、あんまり深く考えてなかったし、その時々の瞬間をとらえていた。アップビートで楽しい、フレッシュなインディ・ポップの曲ばかりだ。

──今回はそれに比べると?

ジョージ:なにをやろうか、あらかじめアイディアを練っていた。洗練されていてよく考えられたアルバムを作りたかったんだ。ラジオでガンガン流れるようなシングルを6枚は作りたいって考えてた。1stは自由に作った感じだけど、今回はまるっきり違う。

──具体的にはどんなアルバムを作ろうと思っていた?

ジョージ:ポップで、1980年代のヴァイブを持ったサウンドを作りたかったんだ。ビッグで楽しくて、キャッチーなコーラスがあるような曲。でも歌詞的には、もっと社会的っていうか、無知な感じじゃなくてトピックな内容だ。1stと2ndじゃ少年から大人に変わったって感じだよ。俺たち、2ndでちゃんとしたバンドになったと思う。

──今作のコンセプトやテーマは?

ジョージ:ストレートなポップ・アルバムってことかな。クラシックな構造のポップ・ソングに、自分たちに起きたできごとを冷静に見つめて書いた歌詞をつけた。いま思うと、1stアルバム出したときは世間知らずだったと思う。デビューするってことに圧倒されていた。それからいろんなことがあって、学ぶこともいっぱいあって、2ndではそういうのを曲にしたんだ。

──では、歌詞はいつもリアリティを元にしている?

ジョージ:ああ、そうだよ。ダイレクトじゃないけどね。1stはほとんど俺が書いたけど、2ndでは俺とベースのダンで書くことが多かった。いま俺たちは、チームで曲を作ってるんだ。だから、2ndはより強くなった。みんなが関与してるから。

──今回はどこでレコーディングしたんですか?

ジョージ:ベルギーのブルッセルだよ。

──なぜ、そこを選んだんですか?

ジョージ:スタジオがスゴいから。有名なスタジオってわけじゃないんだけど、プロデューサーのお気に入りだったんだ。俺らも気に入ったよ。ヴィンテージの器材がそろってて、俺たちのサウンドもスゴいものになった。そこに滞在してたから、移動もなくてリラックスできた。

──街の雰囲気が英国とはまったく違ったと思いますが、それがレコーディングに影響を与えたなんてことは?

ジョージ:気分的にはそうだね。スタジオにこもってることが多いから、あんまり街を出歩けなくて、なんだか謎の世界にいるみたいだった。それが、ちょっと歌詞に出てるかもしれない。

──プロデューサーのエド・バラーについて教えてください。

ジョージ:彼の昔の作品、パルプとかスウェード、ホワイト・ライズなんかが好きだったんだ。彼は曲作りにも手を貸してくれた。そういう人、初めてだったからよかったよ。シンセサイザーみたいなエレクトリック・サウンドについても教えてくれた。新しい方向性を見つける助けになった。

──1980年代のヴァイブを持つ音楽を作りたかったって言っていたけど、具体的にはどんなバンドにインスパイアされた?

ジョージ:デュラン・デュランやペット・ショップ・ボーイズ、ロキシー・ミュージックなんかをよく聴いてた。キャッチーで覚えやすいメロディー、みんなが歌える曲を作りたかったんだ。フレンドリーなポップ・ソングをね。

──英国での1stシングル「Say You Don't Want It」のミュージック・ビデオにエマ・ワトソン(映画『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役)が出ていますね。

ジョージ:俺たち、バーバリーの広告で知り合って、少しの間付き合ってたんだ。で、彼女が出たいって言ったんだよ。ビデオは「Lady And The Tramp(わんわん物語)」のストーリーを元にして、ニューヨークで撮影したんだ。面白かったよ。

──あなた達はビデオ日記をアップしてバンドの日常生活を公開していますね。そういうの嫌がるバンドもいますが…。

ジョージ:ビデオは自分たちで撮影して編集してるんだ。ファンのためにやってるんだよ。嫌がるバンドがいるのもわかるけど、俺たちはYouTubeやMySpaceみたいなソーシャル・ネットワークで大きくなった。だから、それを通じてファンとコミュニケーションを取りたいんだ。いまの俺たち、俺たちが興味あることなんかを知ってもらいたい。

──ドラマーが新しく加入しましたが…。

ジョージ:俺の兄貴だよ。前はJoe Lean & The Jing Jang Jongにいたんだ。

──彼が加わったことであなた達のサウンドは変わった?

ジョージ:ものすごく変わったよ。2nd作ってるときに加入したんだけど、サウンドがすごく力強くなった。命が加わったっていうか、感情が豊かになった。ライヴもそうだ。よりエネルギッシュになった。兄貴と一緒っていうだけでもいいけど、彼はソング・ライターでもあって、さらにライターが増えたのもバンドにとっていいことだと思う。

──もうじき来日が控えていますね。

ジョージ:そうだね、<MTV VMAJ>でも行くし、サマーソニックでもプレイする。それに日本語の曲(「Can You Feel It」)も作ったんだ。日本語のコーチがついて、どうやって発音するか習った。レコーディング、すごく楽しかった。日本語ってすごくキャッチーだなって思ったよ。早くみんなに聴いてもらいたいよ。日本のみんなになにかスペシャルなものを贈りたかったんだ。

──サマーソニックではどんなパフォーマンスが観られるのでしょう?

ジョージ:すごく、すごくエネルギッシュだ。すごくロックで、ヘヴィーでラウド(笑)。

──日本のファンにメッセージをお願いします。

ジョージ:日本で起きた災害のことを考えると、本当に心が痛い。大変な想いをしたと思う。日本語で歌った「Can You Feel It」は日本のファンへのトリビュートなんだ。みんなに会えるのを楽しみにしてるよ。

彼らの新作『ワン・ナイト・オンリー』の日本盤は、6月22日発売。ボーナス・トラックとして「CAN YOU FEEL IT―Bilingual Version ひとつになれ~キャン・ユー・フィール・イット」、「CAN YOU FEEL IT―Acoustic Version ひとつになれ~キャン・ユー・フィール・イット―Acoustic Version」を収録している。

Ako Suzuki, London

『ワン・ナイト・オンリー』
2011年6月22日発売
UICR-1089 \2,500(税込)
※日本盤ボーナス・トラックとしてM15「CAN YOU FEEL IT―Bilingual Version ひとつになれ~キャン・ユー・フィール・イット」、M16「CAN YOU FEEL IT―Acoustic Version ひとつになれ~キャン・ユー・フィール・イット―Acoustic Version」を収録。


◆ワン・ナイト・オンリー・オフィシャルサイト
◆ワン・ナイト・オンリー・オフィシャルサイト(海外)
◆BARKS洋楽チャンネル
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