NIKIIE、待望の1stアルバム・インタヴュー公開

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2010年12月にマキシ・シングル「春夏秋冬」でデビューしたNIKIIEが、この夏にファースト・アルバム『*(NOTES)』をリリースする。ライヴでは鍵盤での弾き語りを基本とする彼女は23歳のシンガー・ソングライター。まるで小動物のような愛らしいルックスながら、歌い始めるとパワフルで、時折、鋭い視線とメッセージで聴き手に迫る。彼女が幼い頃から音楽に心を寄せたのは、周りの人とあまり馴染めず、いつでも不器用に孤独と戦っていたからだ。今回のアルバムには口ずさみやすくて優しいメロディがたくさん詰まっているが、そこにある想いは切実で、どんな現実があろうとも前を向いて明日を切り拓きたいと願う彼女のひたむきさが滲む。今作にはデビュー曲にして全国FM局のパワープレイ女性アーティスト最多獲得記録を樹立した「春夏秋冬」、ドラマの主題歌にも起用された「幻想フォルム」も、CMソングとして耳にしたことも多いはずの「HIDE&SEEK」も収録。まだの人も是非、今こそNIKIIEの、珠玉のポップ・ソングたちに触れてもらいたい。

◆NIKIIE インタヴュー映像
◆「NAME」PV
◆「HIDE&SEEK」PV
◆「紫陽花」PV
◆「春夏秋冬」PV(
◆「幻想フォルム」PV

アルバム『*(NOTES)』は、ダイナミックなバンド・サウンドと共に〈お願い私に新しい名前付けて〉と歌うフレーズが強く印象に残る「NAME」でスタートする。音楽を志して高校卒業後に茨城から上京したものの、迷って挫折しかけた時に、「第一期の私は終わり。これからは二期の始まり」という意味でNIKIIEという名前を自分に付けた、そんなエピソードを持つ彼女らしい幕開け。彼女がこれまで、どんな風に生きて、どんな風に感じてきたのかが、よくわかる歌たちばかりだ。

「デビューする前の、これから一緒に作品を作って行きましょうというスタッフとの打ち合わせの時に、「ファースト・アルバムを『NOTES』というタイトルで作りたいです」って言ったんです。やっぱり私にとって、中学生の引きこもっていた時期に自分で書き殴っていた言葉がどんどん詩になって、作曲を始めた時にそれが歌詞ノートに変わっていったっていうことは大きくて。すごく濃縮された自分の想いや本音がそのノートに書かれていて、それが積み重なって今があります。だからこのアルバムは聴いてくれた人に、その1ページを垣間見てもらえたらいいなと思いながら作りました」

彼女が引きこもってしまったのは中学時代だけれど、“他者との違和感”を感じ始めたのは保育園の時だった。その時のことが「魔女」という曲を作るきっかけになったという。

「保育園の時に、先生と上手くいかなくて、登園拒否したりしていました。頑張って行っても途中で抜けだして給食室や園長さんの机の下に隠れてたりとか。そんなことばっかりやってるから友達と話も合わないし、疎外感が強くあって。そういう時期に、ある日、丘の上で太陽を見ていたら、近付いてきた子が“なんであんなに眩しいのに見れるの?”って言ってくれたことにピンときて。“太陽は私にしか見れなくて、周りの子には見えないんだ!”って。だから私はあの星の人で、いつか迎えが来るんだ、私は魔女なんだって思ったんです。それから“魔女”というのが、自分にとっての居場所のようなワードになって、“だから私は人と違って当たり前なんだ”って初めて自分を肯定できたんです」

そんな小さな希望が三拍子のリズムと共に呪文のように散りばめられ、この曲はどこかファンタジックでチャーミングに仕上がっている。リアルなだけじゃない、音楽というものに救いと楽しさを見出して生きてきたNIKIIEならではのエンターテイメント性もある。

夕方の帰り道に見つけた一番星のことを歌った「STAR」や、朝早く起きたある日の気持ち良さを爽やかで伸びやかなメロディで綴った「カラノイズ」など、何も特別じゃない日常のひとコマを描き、だからこそ心を動かされるポップ・ソングライターとしての真価もしっかりと発揮する。そもそも、デビュー曲「春夏秋冬」から、繰り返し聴きたくなる普遍的なメロディ・ラインに驚かされたが、大胆な英語詞と楽曲の構成が洗練された印象を与える「Kiss Me」などからも、彼女の音楽的センスと可能性を感じ取ってもらえるはず。

中学生の頃から書きためたノートを1枚ずつそっとめくるようにして進んでいく、今回のアルバム。多彩な魅力をアピールしながら、ラストの「little summer」では穏やかなピアノのイントロを奏でつつ、デビュー直前に抱えていた痛みや不安を歌っているという。

「これはデビュー直前に書いた曲です。その頃は一緒に作品を作っていくチームが出来て、スタッフがいる中で、自分がしたいことをその都度、伝えながら進んできてたんですけど。でも私がそのスタッフを全員信じられてるかというとそうじゃなくて。いつか去っちゃうだろうなんて気持ちがどこかにあったから信頼できてなかったんです。ずっと一人でライヴハウスで活動してきて、いい時にだけ寄ってきて悪くなったら去っていく人がたくさんいたから、そこで傷付いた経験もあって。いざデビューするとなって曲を誰かにアレンジしてもらうことに関しても、不安で仕方なかったんです。でも、ある日の帰り道に“私は信じてるふりしてみんなのことを信じてないんだな、なんて人なんだろう?”って思ったんです。それで、そういう自分とあらためて向き合って書いた曲が「little summer」なんです」

「little summer」は曲調もメロディも穏やかだが“嫌味を言われても嫌な顔はせず/なるべく柔らかな笑顔努めます”なんてドキッとするほどの本音が包み隠すことなく並べられている。

「だからこの曲が出来た時、スタッフに聴かせるのがほんとに怖くて。でも、この曲を書いたことによって、あらためて周りの人たちに感謝できたし、ちゃんと信じようって思えたんです。“私は平和主義です”みたいな感じで、争いごとがないように遠回しに意見を言ったりしてたけど、でもそれって全然平和主義じゃなくて。言うべき時にちゃんとぶつかって次に進めて行かなきゃいけないし、平和主義なんて言いながら、ただの傍観者だったなと思って。この曲を書いて、それを認めたことで新たな歯車が回りだした気がしました」

曲の後半部分では“今日はやけに空がきれいで/ちょっと泣けてきた”と、胸につかえていたものをそっと洗い流すかのように、清々しく歌っている。そして“透き通る涙の色に/感謝した夏休み”と、このアルバムの最後を閉じる。ただひたすらに書き綴ったノート。その想いがメロディになり、こうして作品となって羽ばたく時、それは確かな勇気になる。諦めないことを、今、一番信じさせてくれるのが、NIKIIEというアーティストなのかもしれない。

取材・文●上野三樹

1st Album
『*(NOTES)』
2011年7月13日発売
【初回盤】CD+DVD
COZP-515~516 ¥3,200(tax in)
【通常盤】CD
COCP-36815 ¥2,800(tax in)
1. NAME
2. Kiss Me
3. LUV SICK
4. 春夏秋冬
5. STAR
6. カラノイズ
7. 魔女
8. 幻想フォルム
9. HIDE&SEEK
10. Interlude
11. 紫陽花
12. little summer
【初回盤DVD】Music Video
1.春夏秋冬
2.幻想フォルム
3.HIDE&SEEK
4.紫陽花

<NIKIIE LIVE TOUR 2011 *(POSTSCRIPT)>
9月16日(金) 札幌KRAPS HALL
9月18日(日) 仙台CLUB JUNK BOX
9月25日(日) 名古屋BOTTOM LINE
9月29日(木) 大阪BIGCAT
9月30日(金) 広島ナミキジャンクション
10月7日(金) 赤坂BLITZ
10月9日(日) 福岡DRUM Be-1
10月14日(金) 水戸club SONIC

1st ALBUM「*(NOTES)」発売記念プレミアム・ライヴ
<NIKIIE'S 3rd BITE>
7月31日(日)福岡 キャナルシティ博多 B1Fサンプラザステージ
8月4日(木)札幌 ホールステアーズエスプレッソバー
8月9日(火)仙台 カフェモーツァルトアトリエ
8月10日(水)大阪 Flamingo the Arusha
8月16日(火)浜松 LiveHouse 窓枠Cafe「AOZORA」
8月17日(水)名古屋 ZIP-FM 18F サロン
8月19日(金)広島 楽座
8月21日(日)新潟 ライブカフェ・アリナ
8月23日(火)渋谷BOXX ※2回公演
(1)18:30/19:00*女性限定ライヴ
(2)20:30/21:00(どなたでもご応募頂けます)

◆NIKIIE レーベル・サイト
◆NIKIIE オフィシャル・サイト
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