渡辺香津美、『マーメイド・ブールヴァード』再発なるか

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渡辺香津美がアルファ・レコードに残した名作『マーメイド・ブールヴァード』の再発が企画されている。これはソニー・ミュージックダイレクトのオーダーメイド・クラブのサイトで投票を受付け、既定数に達すると商品化するというものだ。

『マーメイド・ブールヴァード』は1978年のリリースで、リー・リトナー率いるジェントル・ソウツとの共演を果たしたもの。日本からは深町純がキーボードとストリング・アレンジで、また吉田美奈子がコーラスで参加しているという贅沢極まりないもの。日米を代表するギタリストによるファン待望のコレクターズ・アイテムだ。

渡辺香津美がクロスオーバーの流れをくむいわゆる1970年代型のフュージョン・スタイルを聴かせてくれたのは、『オリーブ・ステップ』(1977年)、『マーメイド・ブールヴァード』(1978年)『ロンサム・キャット』(1978年)、『ヴィレッジ・イン・バブルス』(1978年)あたりのこと。有り余る才能とアイデアがひとつのジャンルに収まりきらず、ジャンルを超えて爆発し融合した時代…このクロスオーバーとよばれた時代のサウンドは、今もなお、ミュージシャンシップに根ざした輝けるサウンドを放っている。録音した場所や共演したミュージシャンにより、東京、NY、LAそれぞれのテイストが感じられるのも今となっては懐かしいものだ。

KYLYNとYMOを経た『トチカ』(1980年)以降の尖ったサウンドを持つハイパーなアルバムの影に隠れがちだが、その一歩手前である1970年代後期は、最高に興味深い時代でもあった。渡辺香津美の作品においても、シーンの混沌と新しい息吹きを感じさせてくれる魅力的なサウンドが存分に堪能できる。

『マーメイド・ブールヴァード』
SACD HYBRID盤 3.150円(税込)
1.マーメイド・ブ-ルヴァード
2.ネプチューン
3.ワルツ・フォー・スウィート
4."Q"
5.シュガー・ローフ・エクスプレス
6.ホピーズ・ウォーク
7.ジェントル・アフタヌーン
※参加ミュージシャン
・渡辺香津美(el.g、ac.g)
・リー・リトナー(el.g、ac.g)
・アーニー・ワッツ(ts/fl)
・パトリース・ラッシェン(el.p/clav)
・アンソニー・ジャクソン(el.b)
・ハービー・メイソン(ds)
・スティーブ・フォアマン(perc)
・深町純(synth)
・吉田美奈子(cho)
リズム・アレンジ:リー・リトナー
ストリングス・アレンジ:深町純

◆ソニー・ミュージックダイレクト・サイト
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