ALvino、「子供たちと約束したからには僕ももっと自分の夢をかなえていかなきゃいけない」

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7月6日に2年半ぶりのニュー・アルバム『Wings of Music』をリリースしたALvino。彼らは現在、聴く人を200%笑顔にするこの大充実作を引っ提げ、全国ツアーの真っ最中。つらい時、そっとそばに寄り添い、迷っている時は背中を押し、楽しい時はもっとアゲてくれる、かけがえのない友のようなこの曲たちを、あなたもぜひ生で体感して笑顔になってほしい。

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そして。そのツアーとは別に、今年5月からスタートしたALvino「夢の種プロジェクト」も進行中。これはヴォーカル翔太が中心となって進めているプロジェクトで、彼が全国の幼稚園・保育園・小中学校その他の施設を訪問、ニュー・アルバム『Wings of Music』の中にも納められている夢をテーマにした曲「虹色きっぷ」を歌い、子供たちと夢を語り合って、その夢を叶える約束をするというもの。これについて翔太本人が熱く語ってくれたので、ここではその言葉をお届けしよう。ギターKOJIの夢に対する考え方も、あなたの生きるヒントになると思う。

取材・文●赤木まみ

――「夢の種プロジェクト」は、今年の5月から始まったんですよね?

翔太:はい。大もとから話すと、僕はもともと、教師になりたかったんですよ。なぜ教師になりたかったかというと、小さい時、僕はすごく肯定感のない子供だったんですね。“自分はここにいていいんだろうか”“生きてていいんだろうか”とか。“忙しい父さん母さんの邪魔にならないように良い子でいなくちゃ”とか思って、常に下を向いてるような少年だったんです。でもそんな僕でも、教師をやってる父さんと保育園の先生をやってる母さんの仕事の関係で、小学校や保育園へ遊びに行くと、子供たちが「翔太おにいちゃん」「翔太おにいちゃん」って、すごい喜んでくれて。そういう時だけは自分の生きてる意味みたいなものを感じることができたんです。それで、将来は子供たちがいる場所で働きたいなと思って、教師になろうと思ったんです。

で、教師になるために大学に行って。でも、歌ももともと好きだったから、大学の時、路上で歌うようになって。そしたら卒業する頃には、歌うとたくさんの人が集まってくれるような状況になってて。そのへんから“歌うことで生きていけないかな?”っていう思いも芽生え始めたんですよね。ただ、教師の道っていうのも僕の中にはあったから、ものすごく悩んだ……。悩んだんですけど、やっぱり今しかできないのは歌かなと。歌をできるところまでやってダメだったら教師の道っていうのもあるかもしれないと。で、2人(KOJI、潤)にも出会ったし、僕は音楽の道を行くことにしたんです。

でも、生き方に関してはずっと悩んでいて。ようやっと最近なんですよ、歌うことの意味を見つけたのは。去年の夏、路上の旅(ストリートライヴ・ツアー)をやって、その時に“あ、歌うことで人が喜んでくれるんだ”と思って。

――ALvinoとしての活動は5年になるけど、歌うことの意味を実感したのは去年。

翔太:はい、ほんとに最近なんです。で、そこから歌うことがどんどん楽しくなってきて。ただ、その一方で、僕の中でずっとモヤモヤしてるものもあったんですね。それは子供たちのいるところで何かをしたいっていう、もう一つの夢。でも僕は頭が固いというか、今はALvinoの翔太として歌ってるんだから、それに専念しなくちゃ、他のことはやっちゃダメだ、と思ってて。だけど、子供たちの前で歌って、子供たちが笑ってる光景みたいなのがどうしても自分の頭から離れなかったんですよ。

――うん。

翔太:それで悩んで、KOJIくんにそういう話をしたら、KOJIくんが「あ、ええんちゃう?」って、なんか普通に(笑)。

――ずっと悩んでいたことがあっさり解決、みたいな。

翔太:そうそうそう(笑)。

KOJI:いやほんとに、翔太がすごい悩んでたので、その話を聴いた時に「やったらえんちゃう?」って。

翔太:で、今思うと、僕が昔、教師になりたかったのは、子供に何かを伝えたいからというより、そこが自分のすがる場所だと思ってたからだと思うんですね。でも今、僕はALvinoの2人に出会えて、歌うことで人が喜んでくれるっていうことを知って、子供たちに伝えたいことがあるなってすごい思ったんです。それは、いくら周りの人に「おまえが歌手になるなんて無理無理」とか言われても、絶対なる!って思い続けたら、なれる……現に自分は今こうやって歌えているし。だから子供たちにも“自分らしい夢を持って生きていっていいんだよ”って、自分の姿で伝えられるんじゃないかなと。しかもこれは別に教師にならなくても伝えられることだなってひらめいて。それで今年明けてから具体的に動き出して、5月から「夢の種プロジェクト」として実際に活動を始めたんですけど。

――その活動の主な内容とは?

翔太:保育園とか小学校にアコギを持っていって歌を歌って、子供たちと遊んで、「みんなはどんな夢があるのかな?」なんて言いながら夢の話をして、「また逢う日まで、お互い夢をかなえ合おうね」って約束して……という。なんかそんなふうに、自分の歌がきっかけで全国の子供たちがいろんな夢を持ってくれたらなぁと思って。で、約束したからには僕ももっと自分の夢をかなえていかなきゃいけないなって。

――うんうん。でも翔太くんは、昔描いていた夢を今2つともかなえてることになりますね? 歌手になるっていう夢と、子供たちのいるところで何かをするっていう夢。

翔太:そうなんです。欲張りな感じで(笑)。でも、欲張りでいいんじゃないかなって。

KOJI:そう。夢って1コにしなきゃいけないみたいな刷り込みがあるじゃないですか。“二兎追うものは一兎も得ず”っていうことわざもあったりして。でも俺はあんまりそうは思わないんですよね。

――あぁ……「運命はこのように手をたたくのだ」(ニュー・アルバム『Wings of Music』収録曲)の中にも“欲張りでいいよ”っていうフレーズが出てきますね。

KOJI:そうそう。自分の中で“夢は一つ!”って決めちゃったら、今度はそれに縛られていくと思うんですよ。本来、夢っていうのは楽しく前向きに人生を歩いていくために抱くものなのに、無理に1コに限定して、それを追いかけるために苦しむとしたら、何か意味が違ってくるんじゃないかなって思う。それに、心の奥で本当に思ってる夢っていうのは、そんなに簡単には変わらないと思うんですよね。例えば俺の場合だと、ギターを一生弾いていきたいっていう夢があるんですけど、それは15歳の時にギターと出会ってから今も何も変わってないし。

――で、その夢を軸に、他にもやりたいことって派生してきたりするしね?

KOJI:そうそう。その時に“でもこれはギターを弾くことから外れるし、やっちゃダメだ”とか思ったら、前向きに生きるっていうことにはならないと思うんです。だから翔太にしても、歌を歌っていきたい、でも教師の夢もあった、っていうんだったら、日本で初めての人になるかもしれないけど、どっちもやってみたら?っていう。

――なるほど。今の話、新鮮に響きました。「夢を持とう」とはみんな言うけど、「いくつ持ってもいい」とは普通あんまり言わないし。でもよく考えたら、夢ってもともと自由なものだからね。

KOJI:そう。で、夢を持って生きるのは結構しんどいことでもあると思うんですよ。だから、負けないで生きるためには、逆にあんまり縛らないことが大切かなって。人生、長いから。

翔太:なんかね、どうやって生きていこうってすごく考えてた時期に、メンバーとそういう話をして。自分の生き方を見つけた気がしましたね。

――じゃあ今は生き方を見つけて。子供たちにも夢を持つ大切さや楽しさを伝えていこうと。

翔太:はい。これからも子供たちの中に夢の種を少しずつでも植えていけたらいいなと思ってます。


New Album
『Wings of Music』
2011年7月
【初回限定盤】CD+DVD
CRCP-40296 ¥3,800(tax in)
【通常盤】
CRCP-40297 ¥3,150(tax in)
1. 運命はこのように手をたたくのだ
2. 虹色きっぷ
3. Close to you
4. WB
5. 約束
6. ナミダクロニクル
7. たからもの
8. キミトボクノ地球(ほし)
9. Thanks
10. 明日
11. 君が好きだよ(※通常盤のみ収録)

<ALvino 2011-2012 5th Anniversary Live"PLUS ONE"~Wings of Music~>
7/16(土)HEAVEN'SROCK 熊谷 VJ-1
7/18(月・祝)HEAVEN'SROCK さいたま新都心 VJ-3
7/23(土)川越 DEPARTURE
7/24(日)北浦和Ayers 16:30 17:00 5/28[土] 前売\4,500
9/29(木)四日市CLUB CHAOS
10/1(土)岐阜CASPER
10/2(日)OSAKA MUSE
10/15(土)HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
10/16(日)Thunder Snake ATSUGI
10/22(土)町田The Play House
10/23(日)柏ThumbUp
◆チケット詳細&購入ページ

<ALvino 2011-2012 5th Anniversary Live"PLUS ONE"~Wings of Music~
翔太 BIRTHDAY SPECIAL>
9/24(土)代官山UNIT
◆チケット詳細&購入ページ

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