浜崎あゆみに東方神起、倖田來未にAAAに後藤真希、X JAPANのサプライズも飛び出した<a-nation for Life>東京公演

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会場にまず映し出されたのは、全米やベルリンでの海外ライヴの模様。唖然とする会場をよそに、やがて、スクリーンに浮かぶ「AND NOW」の文字。気づけば花道にセットされたピアノの前には、YOSHIKIが。そして、奏でる旋律にエスコートされてToshIが寄り添う。「Forever Love」。冒頭に大歓声が上がったものの、その後は、驚きのあまり言葉を失ってしまったスタジアム。そんな空間に優しく響きわたるToshIの歌声は、遠い東北の深く傷ついた被災地にも響く、X JAPANから亡くなった方への鎮魂歌。そして今もなお戦い続け、傷を負い続けている人への癒しの歌声のようでもあった。

YOSHIKIはジャケットを脱ぎ捨てて、ドラムセットの前に。そして「Rusty Nail」。驚嘆と混乱、興奮、そして歓喜。ただひとつの事実は、目の前に、<a-nation>のステージに、X JAPANがいるということだけ。強烈な求心力を得たステージは、5万人の視線を掴んで離さない。

「会いたかったぜ、a-nation!!! 今日はお前たちの、大和魂見せてくれ!」

ToshIの短いMCの後、SUGIZOのヴァイオリンの調べで赤く燃えはじめるステージ。真紅のジャケットを羽織ってYOSHIKIが再び、中央に置かれたピアノに腰を据える。そして、ふたりによる流麗な「紅」の調べが生み出す壮大でたおやかなひと時。しかし、それすらもYOSHIKIは自らの雷鳴の如き激しいドラムで引き裂いていく。シークレットゲストということは、普通のアーティストだとアウェーな状態。にも関わらず、気づけば「紅」の大合唱が会場に巻き起こっていたのだ。

「暑い…。そうですね、今回……びっくりした? こういう場に出させてもらって、感謝してます。」。YOSHIKIは自らの口で、被災地支援を実施する<a-nation for Life>の想いに賛同し、ステージに立つことを決めた、と語りはじめる。「超アウェーなシチュエーションだから、どうなるのかなって思っていましたが、みんなが暖かく迎えてくれたので、思いっきりできそうな気がします。」と、はにかみが溢れる。続けて、「僕らはX JAPANっていうバンドです。」と、会場の笑いを誘ったのち、YOSHIKIは、静かに、しかし、ひとつひとつの言葉の意味や重さを確かめるような口調で、被災地に向けて、X JAPANとしての決意を述べはじめた。

「Xには、もともと、“無限の可能性”という意味がありますが、今日から、Xという文字に、新しい意味を加えようと思っています。『何があっても絶対負けない。どんなことがあっても、前を向いて、復興に向けて歩いて行く。』 俺たちの辞書に、今日、この意味を付け足そうと思います。被災地のみなさんは、僕たちがわからないくらい大変な思いをしていると思いますけど、ここにいるみんな、オーディエンス、アーティストと一緒に応援していくんで……気合い入れていくぞ!!!! We are(X)!!! We are (X)!!!」

スタッフに要求した水を頭から被ったYOSHIKI。水浸しのドラムセットの奥で、霧のような水しぶきを上げながら魂を叩きつける。「Forever Love」が鎮魂歌であったならば、「Born To Be Free」は、過酷な状態で戦っている被災地の人々を、そして日本中を鼓舞せんとするX JAPANの熱いパワー。無限の可能性に、復興への力強さと決意を内包した音の塊は、この日のX JAPANを目撃したすべての人の胸に刻み込まるとともに、想いをひとつにし、感情を激しく揺さぶり続けた。

オーディエンスにさらなる気合いを要求してのラストソング。はじまりの合図は、YOSHIKIが頭の上でクロスさせた両手のスティックだ。スモークが高く吹き上がる中、ステージ上のライティングまでも「X」となった味の素スタジアムで、「一緒にがんばろうぜ!」とYOSHIKIが叫べば、「東北まで届けるぞ!」とToshIもまた絶叫。5万人全員が“We are X !!!”となり、被災地への熱いエールを叫び続けた。
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