R.E.M.、名曲「マン・オン・ザ・ムーン」は完成していなかったかも?

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先ごろ解散を発表したR.E.M.のプロデューサーを務めたスコット・リットが、バンドの1992年当時の混乱した状況について口を開き、名曲「マン・オン・ザ・ムーン」が完成していなかった可能性があったことを明らかにした。

この「マン・オン・ザ・ムーン」はR.E.M.の数々のヒット曲を代表する作品で、名アルバム『オートマティック・フォー・ザ・ピープル』に収録されている楽曲だ。しかし、すでにメロディ自体が仕上がってテープに落とし込んだのち、フロントマンのマイケル・スタイプが最後の最後の段階になるまで曲のモチーフとなっている伝説のコメディアン、アンディ・カウフマンに関する歌詞を書かなかったために、未完成に陥る可能性があったという。

1987年から1996年までのあいだにR.E.M.のアルバム6枚をプロデュースしたリットは、「何とかマイケルに曲を完成させるよう皆でプッシュしたんだ。だからあの曲がラジオで流れるのを聴いた時は、本当に有難いと感じたよ」と当時を振り返っている。

1980年の結成以降、R.E.M.は芸術と生活の両面において民主主義の象徴として君臨し続けてきた。彼らは当初からすべての取り決めにおいてメンバー全員の意見が一致しており、プロデューサーを変更したり、サウンドに変化を取り入れる過程でも次第に結束を強めていった。1997年にドラマーのビル・ベリーが脱退し、解散危機に直面しても不思議ではない状況に陥ったものの、ベーシストのマイク・ミルズ、ギタリストのピーター・バック、そしてシンガーのスタイプは、活動を続けることを決断した。

しかし30年以上に渡って結束してきた彼らが先週、突如として解散を宣言してファンに衝撃を与えた。

1985年に『玉手箱(原題:FABLES OF THE RECONSTRUCTION)』をプロデュースしたジョー・ボイドは、バンドをレコーディングのためにロンドンへ呼んだ時のことを振り返り、「マイケルの声は決してポップじゃないし、暗くて楽曲の中に沈み込んでしまうような印象を受けた」とコメントしている。しかし、ドン・ゲーマンがプロデューサーを務めた次のアルバム『ライフズ・リッチ・ページェント』では、スタイプの声が前面に押し出され、オープニング曲「ビギン・ザ・ビギン」を聴けばその魅力が伝わってくる仕上がりとなった。

ゲーマンいわく、「マイケルの声は実にユニークな響きを持っていると感じ、僕は何とかあの豊かな声を十分に聴かせるようにしたいと考えた。それでマイケルと話し合って、声がより生きるような定義的な歌詞を取り入れることにしたんだ」という。

◆ニュース提供:ビルボード
◆BARKSビルボード・デイリーニュース・チャンネル
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