バーブラ・ストライサンド、深い信頼関係に根差した50年

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現在上映中の映画『glee/グリー ザ・コンサート 3Dムービー』にもこっそり出演中という噂のバーブラ・ストライサンドが、2012年には歌手生活50周年を迎えるという。リリースされたアルバムがすべてゴールド、プラチナムとなる名盤ばかりという孤高の輝かしき彼女のキャリアは、アメリカン・ショウビジネスの女王との称号そのものだ。

◆『ホワット・マターズ・モスト~バーブラ・ストライサンド・シングス・アラン&マリリン・バーグマン』画像

そして同等の素晴らしきキャリアを誇るのが、作詞家夫妻アラン&マリリン・バーグマンである。バーブラとアラン&マリリンは皆ニューヨーク市ブルックリンの出身で生まれた病院も同じ、いつも長年の親友同士と紹介される。その美しい関係を見事な形で結実させたのが、2年ぶりに10月5日に発売されたアルバム『ホワット・マターズ・モスト~バーブラ・ストライサンド・シングス・アラン&マリリン・バーグマン』だ。本作はバーグマン夫妻が作詞した曲ばかりが集められた作品で、1枚はニュー・レコーディングの10曲を、日本盤に付属するもう1枚は既発表の10曲をセレクションしたアルバムとなっている。

アラン&マリリン・バーグマンは1980年にソングライターの栄光の殿堂入りを果たしているほか、1995年にバークリー音楽院から名誉博士号が贈られた大御所だ。マリリンは1986年に芸能界における女性の役割を広めた人に贈られるクリスタル・アワードをも受賞している。また1995年にフランス政府から文化勲章を叙勲。1998年にトリニティ大学から名誉博士号を贈呈されたほか多数の受賞経験を持ち、ASCAP(アメリカ著作権協会)会長を15年間務めている人物でもある。

このアルバムの企画は、2~3年前から温めていたものだという。2年前のアメリカ映画協会の会合で、バーブラは愛と感謝をこめて「次のアルバムはアラン&マリリン・バーグマンの作詞した作品集を作りたい」と話していた。現在69歳のバーブラだが、バーグマン夫妻との親友関係はレコーディング当時ちょうど50年となったところ。作詞家としての関係のみならず、バーブラのショウの台本なども、マリリンを中心にバーグマン夫妻が手掛けるという深い信頼関係に根差した50年だ。

ここで聴ける新録楽曲の作曲陣も非常に豪華なものとなっている。映画「華麗なる賭け」主題歌で、ミシェル・ルグランが作曲した「風のささやき」から始まり、盟友ジョニー・マンデル作曲の「ソリタリー・ムーン」(シャーリー・ホーンの歌唱で有名)、シナトラの歌唱で有名な「ナイス・アンド・イージー」、セルジオ・メンデスによる「星くずのサンバ」、デイヴ・グル―シン作曲で、ケニー・ランキンが歌った「ホワット・マターズ・モスト」など、全10曲が収録となった。

さらに国内盤の2枚目の既発表10曲も非常に豪華で、最後は映画『愛のイエントル』で新天地を求めてアメリカへ旅立つ船の上でドラマティックに歌われる「ア・ピース・オブ・スカイ」で締めくくられる。人生の深みを増したバーブラだが、新天地を求める未来への希望で最後を飾るところが、彼女らしい。信じられないことだが、バーブラは未だ一度も来日したことがなく「来日していない最後のスーパースター」のひとり。新天地を求め、日本の地を踏んでもらいたいものだ。

『ホワット・マターズ・モスト~バーブラ・ストライサンド・シングス・アラン&マリリン・バーグマン』
2011年10月5日発売
SICP3280-1 2CD完全生産限定 \3,780(税込)

◆バーブラ・ストライサンド・オフィシャルサイト
◆BARKS洋楽チャンネル
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