[クロスビート編集部員リレー・コラム] 荒野編「ダモ鈴木」

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2010年に還暦を迎えたのを記念して日本縦断ツアーを敢行した元カンのシンガー、ダモ鈴木が今夏も帰国。7月下旬~9月上旬にかけて、実に20公演以上をこなした。

今春、共演ライヴ・アルバム『KILLER/DAMO』をリリースしたKILLER-BONGとのセッションも、8月27日に六本木Super Deluxeで開催された「BLACK SMOKERRECORDS presents BLACK XXX」(写真)で久々に実現。この日は2人に加え、BLACK SMOKER所属のJUBEとBABA(MC)、同レーベルから新作『MidnightPharmacist』を発表したばかりの伊東篤宏(蛍光灯の放電ノイズを拾って出力する自作楽器、オプトロンを演奏)、骨伝導マイクを取り入れたパフォーマンスで知られる山川冬樹、中原昌也、L?K?Oと錚々たるメンツが並び、即興演奏を展開した。

演奏中一度も目を開けず歌唱に集中し続けるダモは、発声や抑揚のつけ方からしてカン時代と異質。時にルイ・アームストロング、時にハウリン・ウルフ、あるいはキャプテン・ビーフハートのようにも聞こえる泥臭い唱法で、声の表情を自在に変えていく。音数が次第に増え、うねりが大きくなる瞬間をつかまえると、ダモの咆吼も最高潮へ。電子音とビートの編み目をかいくぐるように身をよじり、感情を解き放つ様は壮観だった。

今後も世界各地で、さまざまなプロジェクトでの作品リリースが続くというダモ。生い立ちやカン在籍時のエピソード、レディオヘッドとの交流について訊いたインタビューは10月18日発売予定のクロスビート12月号に掲載されるのでお楽しみに。

写真:荒野政寿

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