MAGIXのDAW/マスタリングソフトウェアが64ビット対応「SAMPLITUDE PRO X」

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フックアップは、ドイツMAGIX社のWindowsネイティブDAW/マスタリングソフトウェア「SAMPLITUDE」の新バージョン「SAMPLITUDE PRO X」を2つのグレードで発売を開始した。

「SAMPLITUDE」は、1992年にAmigaプラットフォームの24ビット処理サンプルエディターとして登場。Windowsネイティブ環境で動作するDAWの草分けとして進化を続け、今ではヨーロッパを中心に多くのプロフェッショナルユーザー、特に放送局やクラシック専門のレコード会社で広く使われているソフトウェアだ。音に無駄な色付けをしない高品質のオーディオエンジンによるミックス、ハイエンドな数多くのプラグイン、5.1チャンネルサラウンド制作、さらにマスタリングから完パケのCD制作まで、すべてを単一プログラムで完成することができる、シームレスなワークフォローを提供する。そんな「SAMPLITUDE」の最新バージョンが登場した。

今回、バージョンも「PRO X」として生まれ変わり、プロフェッショナルな作業で威力を発揮する64ビット環境に対応し、SAMPLITUDEが誇るハイブリッドオーディオエンジンの能力を最大限に活用できるようになっている。

付属のエフェクトやサンプラーの機能別に、通常グレードとスイートの2つのグレードを用意。またそれぞれ通常版に加え、他社DAWソフトユーザー向けのクロスグレード版、学生・教員向けのアカデミック版も用意されている。

「SAMPLITUDE」の強みは、何といってもそのナチュラルな音質にある。洗練されたリニアフェーズアルゴリズム、浮動小数点処理、そしてシグナルフローに於けるレイテンシー補間機能などの採用により、信号が原音に限りなく近い形で保持されるよう配慮。音の透明度や減衰音、ニュートラルな音質をしっかりと保ち、空間の奥行きが隅々まで再現できるのはこのためだ。さらに「SAMPLITUDE」と他のDAWとの大きな違い、それはトラック単位の窮屈な作業ではなく、オブジェクトベースのオペレーションを可能にしている点。オーディオ素材は自由に切り貼りし、トラック上に自在に配置可能。オブジェクトエディターを使うと、オブジェクトのあらゆるパラメーターにリアルタイムアクセスできるようになる。最大384kHzのサンプルレイトまで対応する音の良さはもちろん、完成されたユーザーインターフェースに納得するはずだ。


▲左はSAMPLITUDE PRO Xのメイン画面。右は付属のIndependenceの画面。PRO XとPRO X SUITEでライブラリの容量が異なる。

「SAMPLITUDE PRO X」で追加された主な機能は以下のとおり。

●64ビットバージョン
SAMPLITUDE PRO X/PRO X SUITEでは、32ビットバージョンと64ビットバージョンの両方が用意されている。64ビットバージョンでは、32ビットのシステムに比べてはるかに多くのメモリーを使用することが可能。
●テンポマップとテンポトラック
テンポトラックのマーカーまたはグラフにより、テンポ変更を行なえる。
●新デザインのVisualization
複数のVisualizationを表示することができ、サラウンドVisualization表示可能。
●SEクリーニングエフェクト
実用的な機能を持ちながら、簡単に使えるDeClipper SE、DeClicker/Decrackler SE、DeHisser SE、 DeNoiser SEがSE Cleaning Effectsとして生まれ変わった。
●ドッキングマネージャー
作業内容に応じて、必要なウィンドウを選択してドック内に表示することが可能。
●サンプラーIndependence
Independenceは自由にカスタマイズできるサンプラー。SAMPLITUDE PRO Xには12GBのサンプル、SAMPLITUDE PRO X SUITEには何と70GBものサンプルが含まれている。
●新エフェクト群
EssntialFX SUITE、 efx_Compressor、 eFX_Gate、 eFX_DeEsser、 eFX_VocalStrip、 eFX_Tubestage、eFX_Reverb、eFX_StereoDelay、eFX_ChorusFlanger、eFX_Phaser、eFX_TremoloPan。
●True Resynthesis Timestretching (TRTS)信号を振幅、周波数で変調したオシレーターに分割し、これらを再生された長さに応じて再構成することでタイムストレッチを実行。
●MIDIに関する新機能
トランスポジション、MIDIタイムストレッチ、リバース、ミラーメロディ。

さらにPROX SUITEでは、以下の機能が追加されている。

●ハイエンドなアナログアウトボードを再現したAnalogue Modeling SUITE Plusを搭載。
●フィジカルモデリングによるギター/ベースアンプシミュレーター、Vandalを搭載。
●3000種類以上の楽器音を装備したサンプラーワークステーション、Independenceを70GBものライブラリーと共に搭載。

<最低動作環境>
・Windows 7(32-bit/64-bit)、Windows Vista(32-bit/64-bit)、Windows XP(32-bit)
・1.5 GHz以上のCPU
・1 GBのメモリー (32-bitシステム)、4 GBのメモリー (64-bitシステム)
・1024×768以上の解像度を持つグラフィックカード
・ASIOまたはWDM準拠のオーディオカード
・500 MBのシステムドライブ上の空きスペース(最小規模)、付属のIndependenceコンテンツをインストールする場合はさらに12 GB(SAMPLITUDE PRO X)、70 GB(SAMPLITUDE PRO X SUITE)が必要
・DVD-ROMドライブ(インストール用)
・CD-R/DVD-Rドライブ(CD/DVDバーニングに使う場合)
・Windows Media Player 10以降(MP3書き出しをする場合)
・空きUSBポート(ドングルを使用する場合のみ)
・インターネット接続環境必須
・MIDIインターフェース(MIDIレコーディングをする場合)

旧バージョンからのアップグレードについてだが、「SAMPLITUDE 11」の各商品を2011年11月1日以降購入のユーザーは無償アップグレードの対象となる。無償アップグレード対象外のユーザーへは有償アップグレードを用意。詳細、申し込みについてはフックアップのウェブサイトから。

このほか特定の他社DAWソフトウェアのユーザー対象のクロスグレード版も用意。購入後、パッケージ同梱のクロスグレード版専用登録用紙をFAX、または郵送にて返送が必要だ。こちらも詳細はフックアップのサイトから。

◆SAMPLITUDE PRO X SUITE
価格:113,400円
◆SAMPLITUDE PRO X SUITE クロスグレード版
価格:84,000円
◆SAMPLITUDE PRO X SUITE アカデミック版
価格:57,750円
◆SAMPLITUDE PRO X
価格:57,750円
◆SAMPLITUDE PRO X クロスグレード版
価格:42,000円
◆SAMPLITUDE PRO X アカデミック版
価格:31,500円
発売日:2011年12月26日

◆MAGIX 製品ラインナップページ
◆フックアップ
◆BARKS 楽器チャンネル
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