キャサリン・ジェンキンス、UKツアーで見せた至福の時間

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アルバム『デイドリーム』をひっさげたキャサリン・ジェンキンスの<デイドリーム>ツアーがファイナルを迎えた。1月17日のオックスフォード公演を皮切りに全英27都市で敢行され、最終公演は2月16日にロンドンのハマースミス・アポロで行われた。

◆キャサリン・ジェンキンス画像

20代から70代まで幅広い年代のカップルや友だち同士、親子で埋め尽くされた3,500を越える客席は、キャサリン自身がプログラムに「今回のツアーは、客席との一体感を表現したい」と書いているとおり、温もりに満ちたコンサートを予感させる雰囲気に溢れていた。

今回のツアーでは、休憩時間に「キャサリンへのリクエスト、メッセージ」を観客に書いてもらい、後半プログラムのトークで披露するという、実にアット・ホームな演出もあり、トークの1つ1つからキャサリンの愛すべきキャラクターが見え隠れする。

特にこのロンドン公演には、バレンタイン・デーに婚約したばかりという彼女の妹が婚約者とともに来場しており、姉としての喜びの気持ちを2人に捧げて「ネッラ・ファンタジア」を披露するというサプライズも飛び出し、キャサリンの歌唱とともに会場全体が2人を祝福した。

また、毎回着用するドレスが話題になる彼女だが、スペシャル・ゲストのネイサン・パチェコが歌を披露している間に、衣装変えも行なわれ当日は4着ものドレスを披露した。オープニングでは、黒地にシルバーのスパンコールが施されたゴージャスとシックを併せ持つイヴニング・ドレス。その後、オレンジ色でたっぷりとドレープが取られたワン・ショルダーのシフォンドレス。このドレスは、休憩時間に集めたメッセージの中に「ツアーが終わったら、私に貸して!」という女性からのリクエストも出たほど素敵なもの。2幕目の冒頭は、ピンクのワンショルダー・ドレス。そしてデュエット後にはクリーム色のサテン地のクラシカルな雰囲気のドレスを披露。シックな黒、ビタミン・カラー、優雅なパステル、そしてノーブルな雰囲気で…という様々な変容。そのすべてを着こなしてしまうところも、彼女の魅力だ。

キャサリンの繊細さと力強さを併せ持つ歌唱は、オーケストラのサポートを受けてよりスケール感を増して繰り広げられる。イギリスを代表するディーヴァとしての、彼女のパフォーマンスに圧倒させられたと思ったら、トークでは実に愛らしいキャラクターで素顔のキャサリンも垣間見せてくれる。このバランス感こそが、イギリス国民が「私たちのスウィートハート」とキャサリンのことを感じ、夢中になってしまう理由のひとつなのだろう。

耳と目が満足し、心が優しさに浸された2時間半。最後までキャサリン・ジェンキンスの魅力を心ゆくまで味わい、改めて発見させられた至福の時間だった。

<キャサリン・ジェンキンス来日公演>
2012年9月19日(水)
@大阪サンケイホールブリーゼ

2012年9月20日(木)
@東京Bunkamura オーチャードホール
S¥8,500 A¥7,500(座席指定/税込)
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