-異種格闘技対談-Ring【round2】第23回/綾小路翔(氣志團)

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-異種格闘対談-Ring【round2】第23回

逹瑯(ムック/Vo)綾小路 翔(氣志團/Vo)

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綾小路:小学生のときは生徒会長みたいなこともやってたし、成績も良かったでんですけど、中学校に入ったら、最後のヤンキー世代だった訳ですよ。

――では。本日のゲストです。氣志團の綾小路翔さんです。

逹瑯:どうも。はじめまして。

綾小路:はじめまして、よろしくお願いします。

逹瑯:あ、サングラスのままですいません。

綾小路:いや! 何言ってるんですか! 僕なんかどんな大先輩の前でもサングラス外したことないですから! でも、僕の場合、サングラスは世の中のためにかけてるんで、最高の敬意をはらってのことなんですけどね。

逹瑯:え? どういう意味ですか(笑)?

綾小路:いやいや、みんなに言われるんですよ。“ちょっとだけサングラス外してみて! ちょっとだけでいいから!”って。でも、取ったときのリアクションが100%分かるんで、世の中のために外さないんです。だって、あんまり言うから取ると、100%みんな“あ…………あぁ………(無言)”って感じなんですよ!

逹瑯:あははは(大爆笑)。“取ると案外可愛い目してるんですね!”もなく(笑)?

綾小路:はい(きっぱり)。全然ないです! みんな呑み込むんです、言葉を。

逹瑯:あはははは。そこは呑み込まず吐き出してほしいとこですよね。

綾小路:ええぇ。本当に。でも、吐き出された言葉が酷かったらショックなんで、いいんですけどね、呑み込んでもらって(苦笑)。だって僕、ベットの上でもサングラスと靴下はつけたままですからね。冷え性なんで。

逹瑯:あははは。想像するとすごい格好ですよね(笑)。

綾小路:えぇ。確実に情けない感じのヴィジュアルになってますよ(笑)。それくらい必須なんです、僕にとってサングラスは。タモさん(タモリ)とハマショウさん(浜田省吾)と並ぶくらい必須ですよ。

逹瑯:いっぱいもってるんですか? サングラス。

綾小路:300個400個くらいはあるんじゃないですかね? 眼鏡屋さんにあるようなラックみたいなのが部屋にありますからね。

逹瑯:へぇ〜! すごいですね! でも、実際に使うのは10個くらいじゃないです?

綾小路:そう。10個も使わないです。いま使ってるのも含め3個くらいしか使ってないですからね。

逹瑯:使ってきた歴代のモノが溜まってってる感じなんですか?

綾小路:そうですね。あと、すぐに買っちゃうんですよ。僕にとってサングラスってマストアイテムなんで。出逢ったときにいいなと思ったら次もう出逢えないかもしれないので、ついつい買っちゃうんですよ。試着もするんですけど、後日かけてみると全然似合わないとかもありますしね、どんどん溜まっていくんです。サングラスと帽子と下着のパンツはとにかくいっぱいありますね。

逹瑯:へぇ(笑)。すごいですね。翔さんって、いまおいくつなんですか?

綾小路:僕はね、一応永遠のシックスティーン(16歳)ってことになっているんですよ。

逹瑯:あ、そっか(納得)。

――なんでいきなり歳聞いたの?

逹瑯:いや、俺が中学1年の頃、リアルに先輩だった歳かな? って思って(笑)。

――リアルに先輩?

逹瑯:そう。中1のときに中3とか、同じ中学にいたっていうのがリアルな先輩。それ以上になると、“○○くんの兄ちゃん”っていう感覚になるから、一気にリアルな先輩じゃなくなって、そんなに怖くなくなるんだよね。そういうのなかったです?

綾小路:ありますあります! 永遠に怖いのは1個上と2個上ですからね。

――そうなんだ〜、男社会(感心)。

逹瑯:そうなんだよ、男社会(笑)。

綾小路:そうなんだよね。5個上のめちゃめちゃ怖い先輩には“○○ちゃぁ〜ん”って呼べちゃうんだけど、1個上2個上の先輩を、ちゃん付けで呼んだ日には、今でも怒鳴られますからね(笑)。

逹瑯:あはははは。縦社会、厳しいですからね(笑)。

綾小路:男ってそういうとこありますよね。僕は女性に対しても昔の感覚を重ねることありますからね。

逹瑯:ん? どういうことですか?

綾小路:例えば、今、自分より歳上で、年齢だけ聞いたら“え〜、おばさんじゃぁ〜ん”って言われる歳でも、いやいや、俺が中1だったときに高1!? って思っただけでプレイに挑めますからね。そういうもんです、男って。

逹瑯:あはははは。歳上は何歳までいけますか?

綾小路:一応、母親の1個下までは。

逹瑯:あははは(大爆笑)。

綾小路:やっぱね、母親と同じ年とかいうと、そこに置き換えてしまうので、ちょっとなぁ……って。かろうじて1個でも下なら、自分に言い訳つくかなって。

逹瑯:じゃぁ、逆にお母さんの1個上ってのはどうです?

綾小路:ん〜、だったらOKかな。言い訳つくんで。

逹瑯:ホントですか!?

綾小路:いや。実際にはどうか分かりませんけど(笑)。

逹瑯:気持ち的にね(笑)。翔さんがバンドを始めようと思ったのって何歳くらいなんですか?

綾小路:中学校1年生の頃に初めてバンドを組んだんですけど、小学校5年生の頃に初恋が訪れるんですよ。転校生の子でね。

逹瑯:え!? いきなり初恋の話になるんですか(笑)!?

――いつもゲストを振り回してる逹瑯が振り回されてて可笑しい(笑)。

逹瑯:だね(笑)。初恋関係あるんですか!? でも、なんですかね、転校生っていうだけで好きになっちゃいますよね!

綾小路:そうそう(笑)。でも、またその子がいままで見たこともないくらい、とびきり可愛い子だったんですよ! 岩手からの転校生だったんですけど、こんな子が今まで岩手の山奥にいたのか!? ってくらい洗練されてて可愛かったんですよ!

逹瑯:あははは。でも、東北の方の子って可愛い子多いですよね。

綾小路:それもあるけどね、また本当にその子は特別に可愛くて。おとなしくて真面目で。ある日、学校のその子の机の上に、光GENJIの下敷きが置いてあったんですよ。そのとき光GENJIなんて知らなかったから、なんだろう? と思って名前をメモって帰ったんです。それで、いとこのお姉ちゃんに聞きにいったら“アンタヤバいよ、いまどき光GENJI知らないの!?”って馬鹿にされて、必死でテレビ見たり雑誌見たり、レコードも聴いて調べたんですよ。

逹瑯:好きな子のことは何でも知りたくなりますからね。

綾小路:そうそう。調べていくうちに、これは勝ち目ないぞと思い。

逹瑯:闘ったんだ(笑)!

綾小路:そう。心の中でね(笑)。でも、それ以上に自分が夢中になっちゃったんですよ。

逹瑯:え!? 光GENJIに?

綾小路:そう(笑)。大好きになっちゃって。それもあって、発想がいきなり飛んだんです。あの子に振り向いてもらうには、ここに入るしかない! って。

逹瑯:え!? 光GENJIに?

綾小路:そう。それで、大至急ジャニーズファミリークラブの連絡先を、いとこの姉ちゃんに聞いて電話したんですよ。そしたら、表立って募集を行なってはいないので履歴書送って下さい、って言われて。

逹瑯:送ったんですか!?

綾小路:それがね、送れなかったんですよ。というのも、当時うちの母親は僕のことを溺愛していたんですよ。風呂上がりに“翔くん背中見せてっ! あれ? 羽はえてるかと思った〜○(はーと)”って言うくらいの溺愛ぶりで(笑)。そんな母親だから、僕がジャニーズに入るって言ったら喜んでくれると思って言ったら、いきなりボカーンって殴られたんですよ!

逹瑯:あはははは。なんでです?

綾小路:“お母さんはアンタのこと超カッコイイと思うし、超タイプ。でも、世間的にはそうでもないの!”っつってワンワン号泣しながら殴られたんですよ。“アンタがそんなところに行って傷つくの見てられない”って。え、えぇぇぇぇぇ!? みたいな。

逹瑯:あはははは(大爆笑)。

綾小路:それが人生最初の挫折です。それから自分の容姿にまったく自信が持てなくなっちゃったんです。とまぁ、そこがこの今のサングラス人生に繋がっていくとこでもあるんですけどね。

逹瑯:ほぉ〜(納得)。っていうか、お母さん面白い方ですね!

綾小路:もうね、本当にトンチキなんですよ、ウチの母ちゃん……。

逹瑯:どっち似なんですか?

綾小路:僕ですか? 顔は完全に父ですね。ウチのバンドのメンバーに言わせると、父と同じ顔してるって言いますね。母ちゃんはよく言えば天然なんですけど、要するにまったく空気読めない田舎のオバちゃんなんですよ(笑)。でも、母ちゃんは思い込みも激しいんで、僕はその思い込みの激しい母ちゃんの話を聞いて育ったんで、母ちゃんの勝手な思い込みを擦り込まれて間違ったことを覚えて育っちゃったとこもあるんです。

逹瑯:あははは。めちゃめちゃ素直な子だったんですね! いくつくらいからグレちゃったんですか?

綾小路:中学校に入ったのがきっかけですかね。小学生のときは生徒会長みたいなこともやってたし、成績も良かったでんですけど、中学校に入ったら、最後のヤンキー世代だった訳ですよ。僕らの一つ下の世代からはパンチパーマとかリーゼントとか剃り込み入れてる人っていなくなっていきますからね。スタイルとしてのヤンキー文化は残っていくんですけど、本当の意味でのファッションもヤンキー世代は僕らまでだった気がするんです。

逹瑯:あぁ〜、たしかに。ウチらの世代もヤンキーはいましたけど、リーゼントとかパンチパーマはいないわぁ〜。

綾小路:でしょ。そうなんですよ、世代的に。

逹瑯:たしかに。『ビー・バップ・ハイスクール』みたいな見た目のヤンキーはいなかったですからね、ウチらの時代。卒業式は張り切って金髪でリーゼントとかいたけどね。

綾小路:でしょ。みんなどっかで、そういうのがダサイっていうのに気づき始めてきたんでしょうね。でも、僕らの世代ってヤンキーの先輩はカッコ良かったんですよ。スポーツができて、見た目がカッコイイ先輩がみんなヤンキーだったんです。

――あぁ〜、それ分かります。

逹瑯:あ、分かる世代(笑)!?

――めちゃめちゃ分かる世代でしょ(笑)。ヤンキーの子って基本帰宅部でしたけど、なんか、バスケとかバレーとかリレーとか、何やっても一番できちゃうっていう子多かったですからね。分かります分かります。そうでしたそうでした。懐かしい(笑)。

逹瑯:たしかに。ヤンキーの人たちって運動神経抜群だったもんなぁ。

綾小路:やっぱそこは世代違っても同じなんですね(笑)。ウチの学校は、ヤンキーの先輩が助っ人で入るサッカー部と柔道部と野球部が強かったなぁ。昔のヤンキーってダサくなかったんですよね。カッコ良かったんですよ。眼を惹く人ばっかだったっていうか。それで、郷に入っては郷に従えっていう言葉どおり、郷に従ったっていう(笑)。ウチ、父ちゃんも母ちゃんもすっごい厳しかったんですけど、父ちゃん母ちゃんごめん、これはやらなくちゃいけないんだよ! って自分に言い聞かせて頑張ったんです。

逹瑯:あはははは。頑張ったんですね(笑)。

綾小路:そう、頑張ったんです(笑)。人気者のグループにいるには、こういう格好もしなくちゃなんねぇんだよ、許せ! みたいな。

逹瑯:喧嘩とかしたんですか?

綾小路:喧嘩とかしなくちゃいけなかったんですけどね(笑)。ウチの中学ってすごく喧嘩の強い学校だったんですよ。僕の地元は木更津、そして隣町の君津、富津、袖ヶ浦がすべてだったんですよ。誰がその4市を統一するかにかかっていたんで。

逹瑯:あはははは。三国志みたいなもんなんだ(笑)。“あそこの中学には○○って奴がいるらしいぜ!”とか?

綾小路:そうですそうです。“袖ヶ浦・根形中のタッサンって奴が強いらしいぜ! どうやら木更津二中の泉水って奴も強いらしい”っていう感じの会話が日々飛び交ってましたからね。

⇒NEXT INTERVIEW-2

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