ビセンテ・アミーゴ、ライブ中はオーディエンスも集中を

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現代のスペインを代表するフラメンコ・ギタリストのビセンテ・アミーゴが3月に来日する。7年振りの来日公演でもあり、フラメンコの伝統的なスピリットをモダンな感性と卓越した技術で奏でる彼のプレイを一目見ようと、2日間予定している公演のうち、3月16日のブルーノート東京の公演は早々に完売となったが、この公演はなんと飲食禁止だという。

◆ビセンテ・アミーゴ画像

ブルーノート東京といえば食事をしながら素晴らしいプレイを観るのが何よりの醍醐味だと思うが、今回の公演はビセンテ本人の希望により、「演奏中のご飲食はご遠慮ください」という注意書きが加わっている。彼はそれ程にまでプレイに集中したいと考え、観客にもプレイに注目してほしいと願う表れのようだ。演るほうも観るほうも真剣、魂のぶつけ合いだからこそストイックに携わりたいという思いだろう。

ビセンテ・アミーゴは8歳の時にギターを始め、10代半ばにはその天賦の才能が各地で評判となった超エリート奏者だ。その後5年にわたり名手マノール・サンルーカのグループに参加し、伝統を継承しながらも、現代的な感性を持ち込んだプレイで数々のフェスティバルやコンクールの優勝をかっさらい、次代のトップ・ギタリストとしての地位を固めた。

また、彼の活動はフラメンコ世界にとどまらず、1990年にはデヴィッド・ボウイのオープニング・アクトにも抜擢され、1991年にリリースした初のソロ・アルバム『我が心を風に解き放ては』は、その情熱と歌心に満ちた音楽性と超絶技巧で世界各国で絶賛を浴びるものとなった。

孤高の創作活動は継続され、2000年には通産4枚目のアルバム『イデアの街』で第2回ラテン・グラミー賞のフラメンコ部門の最優秀アルバム賞を受賞する。2009年には最新作にあたる『パセオ・デ・グラシア』をリリースし、その止まることを知らない進化を世界に見せつけたところ。寡作ではあるものの一枚一枚がどれも歴史に残る名盤と言えるものだ。

ブルーノート東京の公演は完売してしまったが、すみだトリフォニーホールでの公演はまだチケット入手可能だ。フラメンコ界にとどまらず世界中の音楽ファンから高く評価されているその神技を体感できる貴重なチャンスが、遂にやってくる。

<VICENTE AMIGO JAPAN TOUR 2012>
2012年3月16日(金)
@すみだトリフォニーホール
開場:6:30p.m. 開演:7:00p.m.
2012年3月18日(日)
@ブルーノート東京
開場:4:30p.m. 開演:6:00:p.m.(完売)
出演メンバー
ビセンテ・アミーゴ(ギター)、アントニオ・フェルナンデス(ギター)、
パトリシオ・カマラ(パーカッション)、
フランシスコ・ゴンサレス(パーカッション)、
ラファエル・ウセロ・(シンガー“カンテ”)、ホアン・マヌエル(ベース)
[問]トリフォニーホールチケットセンター TEL:03-5608-1212
http://www.triphony.com/concert/list.php?sch_date=201203#p16

『パセオ・デ・グラシア』
BVCP-40080 ¥2,520(税込)
解説、歌詞・対訳付き
http://itunes.apple.com/jp/album/paseo-de-gracia/id327861849?uo=4

◆ビセンテ・アミーゴ・オフィシャルサイト
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