「モーニング娘。が頑張り続けてくれる限り、私たちも頑張らなければならない」 ── ドリーム モーニング娘。第一章、歓喜と興奮の中で終幕

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次に登場したのは、なんとプッチモニ。保田圭と吉澤ひとみに挟まれて、もうひとり。そう、彼女が、ステージに姿を現したのだ。“活動休止”を掲げつつも、それとは別の判断で、この“お祭り”をもうひと盛り上がりさせるために、もしくは、仲間たちに自身のラストライヴの時の借りを返すために。

「粋だなぁ。江戸っ子だなぁ。」と思わずにはいられない。活動休止と打ち出しておいて、ライヴという表舞台に出るとなると、少なからず、世間からはいろいろ言われることだろう。自分を客観的に見ることができる彼女だから、もちろんそのことも理解している。しかし彼女は出てきた。それは、世間からの余計な推測や心ない言葉たちにその身を傷つけられることと引き換えにしてまでの、かつて、ともに戦った仲間たち、自分を育ててくれた場所への“気持ち”があってのことだろう。

今日一番の大歓声に包まれる武道館。その声はステージ上のつんく♂プロデューサーや、登場した後藤真希自身の「いやー、ビックリした。」という声をもかき消すほど。割れんばかりの大ごっちんコールが物語る、オーディエンスの興奮度。そんな会場に向けて満面の笑みで後藤は「いやー、みなさんお久しぶりです。後藤真希でーす! はい、ほんとに、久しぶり過ぎて。いや、まず、武道館も久しぶりだし、プッチモニもほんっとに久しぶりだし。いやー、ほんと、今回、リハーサルの時から、まぁ、プッチの昔の当時の振りのビデオを見まして。『うわー、懐かしい。若い。ちょっとナヨナヨしてる』みたいな。いや、だいぶですけど。だけど、今回、完成形がようやく、はい。」と、10年の年月を経てついに2期プッチモニの完成形への期待を煽る。さらに保田圭から「このふたり(後藤と吉澤)も、私のことバカにするんです!」と、リハーサルの段階でも“圭ちゃん弄り”が行なわれていたことが暴露されるなど、こちらも昔と何も変わっていない様子。そして復活した2期プッチモニは「ちょこっとLOVE 〜 BABY! 恋にKNOCK OUT!」のこれまた懐かしい大ヒット曲をメドレーで披露する。曲中にはオーディエンスからごっちんコールも飛び出す。

さらに辻希美も合流して全員で「ザ☆ピ〜ス!」。その瞬間、モーニング娘。の1期から10期まで、ほぼすべてのメンバーが顔をそろえるという、かつて誰も見たことがない、誰も予想していなかった情景が眼前に広がった。この熱狂を引き継ぐ形で、ドリーム モーニング娘。は、「サマーナイトタウン」に「恋のダンスサイト」、そして「LOVEマシーン」。さらにアンコールで「恋愛レボリューション21」とメガトン級のヒットナンバーを立てつづけに披露する。そしてラストには、ハロー!プロジェクトを代表するメッセージソングのひとつ「でっかい宇宙に愛がある」で、歓喜と興奮、奇跡が渦巻いたドリーム モーニング娘。第一章は幕を下ろした。

終演後も鳴り止まない「アンコール!」と「ドリムス。最高!」の声。そして、オーディエンスだけでなく、報道関係者やスタッフからも聞こえてくる「すごかった」という声。これが、この日のドリーム モーニング娘。日本武道館公演を最も端的に、そして最も的確に言い表した言葉だと思う。

我々が夢見た数々の景色をステージ上で再現してくれたドリーム モーニング娘。の日本武道館公演。同時に彼女たちは、そのパフォーマンスを見守った後輩たちに向けて、アイドルグループとしてのエンターテインメントの本質とは何なのか、ということを体現してみせた。なぜ、ドリーム モーニング娘。に対して、これほどまでにワクワクしたのか。ドキドキして、片時もステージから目を離せなくなってしまったのか。ヒントはきっと、そこにある。

そして、先輩たちから脈々と受け継がれているモーニング娘。の伝統。そのひとつは絆。同じ時間を共有したメンバーとしてだけでなく、メンバーという枠を超えた仲間として、ひとつの家族として、もしくはファンも含めた共同体として。それは世代を超えて、そしてたとえ離れても、どこかでつながっている。ドリームモーニング娘。とモーニング娘。、そしてゲストたちとの関係に、そんな絆をあらためて確認することができた時間でもあった。

最後に安倍なつみは、「したっけねー!」という言葉を残してステージを降りた。北海道弁で「また会いましょう」という意味のそれは、ドリーム モーニング娘。としての再会の言葉。「第一章終幕ということで、寂しいなぁって思うんですが、一章だから二章があると思って、いつでも集合がかかっていいように体力つけときます。」という飯田圭織をはじめ、ほかのメンバーも今回の公演について“第一章が終わったに過ぎない”という意味に捉えている。

ドリーム モーニング娘。第一章の終幕は、第二章に向けてのはじまり。次はどんな夢を見せてくれるのか。どんなドキドキやワクワクが用意されているのか。今回のドリーム モーニング娘。の活動に足を運ぶことができなかったという人、行きたかったけど行けなかった人、懐かしい気持ちになって興味が湧いた人、そんな人たちは、いつか次の幕が上がった時に参加をすればいい。たとえ彼女たちから心が離れていた期間があったとしても、彼女たちは、そして周りのファンは温かく迎え入れてくれるだろう。

共同体としての絆は、つながっているのだから。

「ほんとに、去年1年、そして今日まで、たくさんの夢を……たくさんの私たちの夢を叶えてくれたファンのみなさん、スタッフのみなさん、ほんとに、ありがとうございました。第一章終幕ではありますが、ドリーム モーニング娘。は不滅だと思います。モーニング娘。が頑張り続けてくれる限り、私たちも頑張らなければならないと思います。いつか必ず、また会いましょう!」── 中澤裕子

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なお、ドリームモーニング娘。メンバーは、アップフロントグループが行なっている震災復興プロジェクト「がんばろうニッポン 愛は勝つ」プロジェクトにも参加。2011年12月には被災地のひとつ、宮城県(仙台、石巻、岩沼ほか5カ所)を訪れており、今回、彼女たちが訪問した被災地域に住む70名が本公演に招待された。

text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
◆ドリームモーニング娘。 オフィシャルサイト
◆BARKSかわいこちゃんねる
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