ニール・ヤング&クレイジー・ホース、この時代にこそ歌う『アメリカーナ』

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ニール・ヤングがアルバム『アメリカーナ』を2012年6月5日(日本盤6月13日)に発売する。その名の通り、アメリカのフォークソングの名曲を集めた作品だ。

◆ニール・ヤング画像

ニール・ヤング&クレイジー・ホースとしてリリースする9年ぶりのアルバムで、クレイジー・ホースのメンバーはビリー・タルボット、ラルフ・モリーナ、ポンチョ・サンペドロそしてニール・ヤングだ。収録曲に並ぶアメリカのフォークソングの名曲には、今日では「プロテスト・ソング」や「マーダー・バラッド(殺人が絡んだ物語詩)」、そしてキャンプファイアーの周りで歌うような曲として知られ、国境世代を超えて誰もが共感できるような物語と共に歌い継がれているものが含まれている。

「Tom Dooley」や「Oh Susannah」といった楽曲は1800年代に作られたものであり、「This Land Is Your Land」(歌詞は広く誤解されている“失われたヴァース”を含むオリジナル版を使用)、そして「Get A Job」は20世紀半ばの名フォーク・ソングである。また興味深い事柄の一つとして、この国が今のような合衆国となり、「The Star Spangled Banner」という独自の国歌を得るまでの間、英国の国歌「God Save The Queen」が事実上の国歌的な存在であったということがあげられる。「The Star Spangled Banner」が最初に記録に登場したのは1889年、そして正式に国歌として認められたのは1931年のこと。収録曲のひとつひとつが、アメリカの歴史と伝統を織りなしている大切な要素の一つだ。それは我々が文化的な意味において「Americana」と捉えているものの根幹を成しているだけでなく、歌曲を通して、過去を記録したり、後世に語り継いでいるのである。

これらの楽曲に共通しているのは、今はもう存在していないアメリカを表現しているにも関わらず、楽曲の中に潜む感情や物語は200年近く経った今でも、この国で起きている事柄と同等、もしくはより大きなインパクトをもって聞く者の共感を呼び覚ましていることだ。

歌詞の内容も現代にも通じる関心や事柄を綴っており、経済的、文化的な激変に見舞われている今日の社会、特に大統領選が控えている2012年においては、驚くべきほど深い意味を与えている。これらの楽曲は作られた当時そのままに、いまだにパワフルで心に強く訴えかけてくるのである。

『アメリカーナ』のプロデュースを手掛けたのは、ニールとJohn Hanlon、そしてMark Humphreys。アルバムのエンジニアは、John Hanlon、John Hausmann、そしてJeff Pinnが務めている。レコーディングはAudio Casa BlancaでJohn Hanlonが行っている。

ニール・ヤング&クレイジー・ホース『アメリカーナ』
6月13日発売
WPCR-14487 \2,580(税込)
1.オー・スザンナ
2.クレメンタイン
3.トム・ドゥーレイ
4.ギャロウズ・ポウル
5.ゲット・ア・ジョブ
6.トラヴェル・オン
7.ハイ・フライン・バード
8.シール・ビー・カミン・ラウンド・ザ・マウンテン
9.ディス・ランド・イズ・ユア・ランド
10.ウェイファリン・ストレンジャー
11.ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン
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