グレアム・コクソン、「みんなを踊らせたいだけなんだ。ヘンテコでかみ合わない曲でね」

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グレアム・コクソンの約3年ぶり8枚目となるニュー・アルバム『A+E』が4月11日に発売となった。アルバムはCDのみの通常盤と、CDに最新ライヴ映像など約60分のボーナスDVDが付いた初回限定生産スペシャル・エディションの2種類での登場だ。

◆「ホワットル・イット・テイク」PV映像

アルバム・タイトルの『A+E』とは“救急外来”のこと。「この作品は、混乱から秩序を作り出している。…それは口実で、ただみんなを踊らせたいだけなんだ。できるだけヘンテコでかみ合わない曲でね。クールじゃないし今風でもない。あるのはノイズと不毛な質問だけ。」と、グレアム本人はDVD収録の曲解説で語っている。

プロデューサーにブラー、デペッシュ・モードなどでお馴染みのベン・ヒリアーを迎えて制作された『A+E』は、2009年の前作『ザ・スピニング・トップ』のアコースティック路線とは正反対だ。理屈抜きのガレージ・パンク・ポップから、クラウト・ロックやポストパンク時代の影響色濃いエレクトロニックなトラックまで、グレアムの新たなる挑戦作となっている。

「即興、ビートの実験、リズム。あまのじゃくに悲しくてダンサブルで可笑しくて落胆した歌を、誰にも止められず作るチャンス。できるだけ上品ぶった音にしようって、いつもみたいに悪戦苦闘するのがいやだったんだよ。感じのいい60年代風ドラムスや管球アンプは使いたくなかった。」──グレアム・コクソン

ギター以外の楽器も演奏するマルチ・プレイヤーであるグレアムは、スタジオで全楽器を演奏している。「最終的に曲の形になったデモの大半は、即興だった」という全10曲は、引っ掻くような荒々しい切迫感に溢れ、人間の危うい精神性を様々な形で表現しているようだ。

アルバムの最後に収められた「ooh, yeh yeh」は、ブラーのメンバーとして経験した巨大な成功、健全で規則正しい生活、それをうまく楽しめなかった若いころの自分を、皮肉っているような内容にも聞こえる。

彼は言う。「朝の6時に牛乳を買いに行ったときにばったり出会った、ある人のことを言ってるんだよ。昔のダチさ。そいつは完全にいかれてて、その時彼を見て僕はとんでもない恐怖を感じた。ある意味でいかに彼が魅惑的かってことが、恐ろしかったんだよ。かつて僕自身がものすごく望んでいた状態に、奴はなっていたんだ。人間であることをやめた状態さ。」

だが、人間の危うさを描きながらも『A+E』は人生に肯定的で、グレアムの熱意とクリエイティヴィティに溢れたアルバムだ。グレアムはこのアルバムを引っ提げ、4月より全英ツアーを実施。ツアーの前座を務めるのは、その土地のローカル・バンドだという。各地のローカル・バンドをファンに推薦してもらい、その中からグレアムが気に入ったバンドを会場ごとに選んで出演させる予定で、グレアムの公式フェイスブックでは順次前座となるローカル・バンドが発表されている。


グレアム・コクソン『A+E』
4月11日発売
通常盤(CD)TOCP-71279 ¥2,500(税込)
初回生産限定盤スペシャルエディション(CD+DVD)TOCP-71278 ¥3,800(税込)
※日本盤特典:グレアムが選んだポスター封入(縦48cm x横69cm)/別冊16ページ・ブックレット/歌詞対訳/ディスコグラフィー
(スペシャル・エディションのみ)DVD日本語字幕付
1.アドバイス
2.シティ・ホール
3.ホワットル・イット・テイク
4.ミート・アンド・ドリンク・アンド・ポリネイト
5.本当のこと
6.セヴン・ネイキッド・ヴァリーズ
7.ランニング・フォー・ユア・ライフ
8.バー・シンガー
9.ナイフ・インザ・キャスト
10.ooh, yeh yeh

DVD (スペシャル・エディションのみ)
最新ライヴ映像やショート・フィルムなど約60分程度収録。日本盤のみNTSCフォーマットおよび日本語字幕付
・アルバム曲解説インタビュー
・A+E ショート・フィルム
・A+E 写真撮影メイキング映像
・ライヴ・フロム・ザ・コックピット(リーズ)
ホワットル・イット・テイク
シティ・ホール
ooh, yeh yeh
アドバイス
ランニング・フォー・ユア・ライフ
セヴン・ネイキッド・ヴァリーズ

◆グレアム・コクソン・オフィシャルサイト
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