ブルース・スプリングスティーン、難病の5歳の少年に希望と喜びをプレゼント

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ブルース・スプリングスティーンの大ファンという難病と闘う5歳の少年カーター君が、ブルースのボストン公演のリハーサルに招待され、ブルースが彼のために歌いサイン入りのギターがカーター君にプレゼントされた。

カーター君は脊椎披裂をもって生まれた。脊髄の癒合が不完全で髄液が漏出してしまう先天性の病で、生後5日で3つの手術を受けている。それから間もなくベビーベッドの中で呼吸が止まってしまったため再び入院し、18日間人工呼吸器につながれていたという。気管切開を考えていた医師たちの予想に反し、カーター君は自力で呼吸をするように回復、多発骨折や、腸閉塞、閉塞腎、頭や腹部の腫脹、シャント手術、高熱、感染症、カテーテル検査など多くの困難に、鋼のように強い意志で生き抜いてきた。その後退院して、5年間カーター君は外来患者として治療を受ける以外は、病院の外で過ごすことができた。しかし2012年1月16日合併症が悪化し、そのまま入院の生活が続いていた。

カーター君がブルースを知ったのは、2009年にEストリート・バンドがスーパーボウルのハーフタイムショーで演奏した時だ。カーター君はやがてスプリングスティーンのCDをすべて手に入れ、すべての曲をすべて歌えるようにまでなったという。コンサートには2回行き、そのうち1回は3歳になる前にマディソン・スクエア・ガーデンで観たのだとか。

彼の両親は、スプリングスティーンの音楽は、健康な人生というものを知らない子供に喜びを運んできてくれるものだと語る。ボスの気迫と音楽は、カーター君がここ2か月の苦痛を乗り越えていく間にも常に傍で励ましを与えてくれたのだ。彼が緊急手術を受けた際には、医療チームがスプリングスティーンの曲を手術室でかけてくれたのだという。カーター君は病院のボランティアスタッフや、医療スタッフ、同室の10代の患者の子たちもボス・ファンにしてしまった。そして、プリンスやU2の方が好きだった両親をもボス・ファンに変えてしまった。カーター君のお気に入りは、「Born To Run,」「Waitin’ On a Sunny Day,」「Badlands」だという。希望で胸が締めつけられるような曲だ。

母親のクリッシーによると、カーター君は2009年に「スプリングスティーンに会って、一緒にバナナやパンケーキを食べたい」とメイク・ア・ウィッシュ(難病と闘う子供たちの願い事を叶える活動をするボランティア組織)に願い事を伝えたという。カーター君に、何か他の願い事ではどうかと持ちかける度に、彼は「ううん、他のお願い事はしたくないよ」と答える。カーター君はディズニー・ワールドへの旅行でもいいと言ったそうだが「ボスがそこにいるならば」の話だったという。

そして、そんな想いが届き、カーター君の長年の夢が遂に実現したのだ。

2012年3月26日ボストン公演にてブルースは、カーター君と家族全員をボストン公演の会場のTDガーデンに招待、Eストリート・バンドとのリハーサル、サウンドチェックを観られるように粋な計らいを行なった。ステージ前の特等席で観覧するカーター君は喜びのあまり言葉を失ったという。ブルースが彼に向って手を振ったときでさえ、カーター君は彼の後ろにいる誰かに手を振ったんじゃないかと後ろを振り返ったとか。それからブルースはステージから飛び降りて、カーターと彼の2歳の妹スカイちゃんに優しく話し、2人とともに楽しげな1時間を過ごした。ブルースはカーター君のギターにサインをし、そして「Waiting On a Sunny Day」を彼の為だけに歌ってあげたという。

「カーターはブルースに彼が大好きだということを伝え、ブルースも“僕も愛しているよ”と言ったんだ」と、父親のスコットは話す。カーターはこの3か月をずっと病院で過ごしていたが、このボストン公演の後、晴れて両親と家に帰ることができたとか。ブルース、お見事。カーター君、おめでとう。

ブルース・スプリングスティーン『レッキング・ボール』
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通常盤:紙ジャケット仕様 ¥2520(税込) SICP3461
iTunes
http://itunes.apple.com/jp/album/wrecking-ball/id507691647?uo=4
mora
http://mora.jp/artist/80307744/12191606/

◆ブルース・スプリングスティーン・オフィシャルサイト
◆ブルース・スプリングスティーン日本公式ツイッター
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