INORAN、最高傑作のNEW ALBUMが間もなく完成!フロアの喧騒が目に浮かぶマストでライヴな激ロックンロールアルバム

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INORANのロックンロールが止まらない。

4月下旬のある日、待望のニュー・アルバム『Dive youth, Sonik dive』の限りなく完成状態に近い音源に触れる幸運に恵まれたのだが、そこでまず感じさせられたのは、マスタリング以前の段階にある各楽曲の生々しい説得力と、そこにみなぎるものの力強さだった。これは絶対に、痛快きわまりないロックンロール作品として世に解き放たれることになるに違いない。僕は即座に、そう確信した。

もちろんロックンロールとはいっても、絵に描いたような疾走チューンばかりで埋め尽くされているというわけではない。楽曲たちのたたずまいや顔つきはまさに“十曲十色”だし、時代性と直結するようなキーワードですべてを言い尽くせるような単純さもここにはない。が、逆に、各楽曲に渦巻くさまざまな感情がダイレクトに音として具現化されているという意味においては、非常にシンプルな発想による作品といえるかもしれない。

つまり、多面的なアルバムを成立させるために多様なジャンルの枠組みが用意されているのではなく、自分自身のなかにある単純ではない感情をまっすぐに作品化することで表情豊かな作品になっている、ということ。実際、彼自身がこれまで探求してきた音楽のすべてがここに詰まっているとまで言うと話はやや大袈裟になりすぎるかもしれない。が、少なくとも2012年現在におけるINORANの人物像とまったく温度差のない作品であることは間違いないし、昨春に発売された『Teardrop』以来の“流れ”のなかで彼自身が得たものの大きさを感じさせる内容であることは疑う余地もない。

全10曲の収録曲のなかには昨年10月にシングルとしてリリースされた「Hide and Seek」や、やはり同作に収録されていた「One Big Blue」も名を連ねているし、すでにライヴで先行披露済みの楽曲も含まれている。さらにはFAKE?時代の産物である「LEMONTUNE」が、この場で新たに生まれ変わっていたりもする。

かつて一度は終幕を迎えたLUNA SEAが真新しい楽曲を産み落とし、いわば時空を超越した存在になりつつある現在、INORAN自身の発想にもさらに自由度が増していることが、こうした事実からも察知できる。言い換えれば現在の彼には、自分のなかから生まれたロックを炸裂させるだけではなく、それを転がしてみせる余裕と好奇心と遊び心が伴っているということでもあるだろう。それを象徴するような作品が、こうしてソロ始動から数えて15周年にあたる記念すべき年に誕生したことも、決して単なる偶然ではないはずだ。

そして本作が生まれるに至ったもっと具体的な必然を敢えて言葉にするなら、やはり信頼のおける仲間たちとの間に起こり得る化学反応の豊かさということになるだろう。Yukio Murata、u:zo、そしてRyo Yamagata。ここ最近、“INORANというバンド”によるロックをロールさせるうえで欠かすことのできなかったミュージシャンたちが、ここでも彼と共闘し、INORAN自身の発信するものをさまざまに増幅させている。だからこそ、まず待ち遠しいのはこのアルバム自体のリリースだが、その直後にあたる6月30日に開幕を迎えるツアーにもおのずと興味がわいてくる。

大きな節目にあたるはずのこのアニヴァーサリー・イヤーに、自らの歴史を総括することではなく、“今”の感情に忠実な音を体現することに重きを置いたINORAN。彼の響かせるロックが、これからどんなふうに転がり続けていくことになるのか。それを楽しみにしながら、まずはこの『Dive youth, Sonik dive』が投下される6月27日の到来を待ちたいところである。

文●増田勇一

『Dive youth, Sonik dive』
6月27日(水)発売
1. smoke
2. Get Laid
3. grace and glory
4. Selfless
5. no options
6. Hide and Seek
7. One Big Blue
8. Nine closets
9. HOME
10.LEMONTUNE

<15周年記念初回限定盤>
KICS-91787 ¥6,500(tax in)
CD(10曲入り)+DVD(Lead Track “Get Laid” Music Clip+特典映像)+30cmLP
※30cmLPにはCDと同内容の音源を収録予定ではありますが、一部楽曲に関してオリジナルVer.の収録を予定。
<通常盤>KICS-1787 ¥3,000(tax in)
CD(10曲入り)※初回限定盤と同内容

INORAN 15th Anniversary Year - 2nd Stage -
<Live Tour 2012 “Dive youth, Sonik dive”>
6月30日(土)金沢 AZ
7月3日(火)渋谷 CLUB QUATTRO
7月7日(土)仙台 darwin
7月12日(火)LIQUIDROOM
7月14日(土)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
7月16日(月・祝)福岡 DRUM Be-1
7月21日(土)名古屋 ボトムライン
7月22日(日)大阪 BIGCAT
[一般発売日]4/28(土)
[問]BACKSTAGE PROJECT 03-5786-2400

◆INORAN オフィシャルサイト
◆INORAN キングレコード レーベルサイト
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