THE VIEWインタビュー、「とにかく満足できる音楽を、自分たちのスタイルで」

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THE VIEWの4枚目となるアルバム『チーキィ・フォー・ア・リーズン』の日本リリースを7月4日に控え、ここでは、自らのコントロールで完成させた初期衝動溢れるニューアルバムの誕生秘話をお届けしよう。カイル・ファルコナーとキーレン・ウェブスターに話を聞いた。

◆「ハウ・ロング」PV映像

──新作『チーキィ・フォー・ア・リーズン』はどんなアルバムに仕上がりましたか?

カイル・ファルコナー:今回は、もっと普通の感じに戻ろうとしてたんだ。基本に戻るっていうか。
キーレン・ウェブスター:とにかく自分たちが心から好きなものを作りたい、それだけだったんだよね。特にコンセプトはなくて、とにかく満足できる音楽を、自分たちのスタイルでやろうって。タイトルは曲の一ラインから取ったんだ。『チーキィ・フォー・ア・リーズン(ワケありで生意気)』ってフレーズが、僕らに対する一般的な見方、THE VIEWがどう思われてるかを要約してる気がして。あと、ファーストの時も歌詞の一節からアルバム・タイトルを取ったから、今回も同じことをやりたかったんだよね。

──メジャーの1965レコードを離れてクッキング・ヴァイナイルに移籍することになりましたが、一番大きな変化はなんでしょうか?

カイル・ファルコナー:クッキング・ヴァイナルは僕らのレコード会社っていうより、チームメイトなんだ。レコーディングの費用は僕らが出しているし。クッキング・ヴァイナルに関しては、実際に自分たちが契約する前からいい噂を色々と聞いてたんだ。で、現実に契約してみると前よりずっと自由にやれるし…レコード会社って、普通はいろいろ言ってくるんだよ。まあ、それが彼らの仕事だし。僕らもメジャー・レーベルにいた頃は、「シングルはこれにしよう」とか、「こういうビデオにしよう」とか言われて…ある意味、向こうが決めたことを一方的に聞かされてた。すると僕らのほうも、「じゃあ、そうするか」ってことになっちゃって、そのまま飲みに出かけたり(笑)。今はそうじゃない。もっと自発的にやれるんだ。

キーレン・ウェブスター:実際、計画としては自分たちでこのアルバムをリリースしようとしてたんだ。コロンビアとの契約が切れて、でもちょっとは資金もあったから…たくさん曲もできてたし、「これをまとめてアルバムを作って、自分たちでリリースしよう」と思ってたんだよね。でもそれをやり始めた時に、クッキング・ヴァイナルからオファーがあったんだ。今考えると彼らと契約したほうがよかったと思う。僕らに何も強制したり、押し付けたりしないからね。

──今作はファーストの頃のザ・ビューを思い起こさせるようなサウンドだと感じました。原点回帰という考えはあったのでしょうか?

カイル・ファルコナー:原点回帰は僕らが強く意図したところだったね。実際、ライヴをやるとそういうサウンドになるんだよ。だから、ライヴの時に自分たちが演奏してる裏でバッキング・トラックを流さなくていいし、24ピースのオーケストラを引き連れる必要もない。バンドの4人だけで、レコードで鳴ってるままにプレイできる。それがとにかくいい気分なんだ。この前のレコードではライヴでバッキング・トラックを使う曲がいくつかあったんだけど、それがどうしても馴染めなくて。間違ってる気がしたんだよね。ビートが機械的に「ツー、ツー、ツー」って刻まれてたり、見えない人間が弾いているストリングスがいきなりワーッて鳴ったり。あれはうまくいかなかった。

キーレン・ウェブスター:まさにね。今回、ストリングスやそういうのを入れない、っていうのはかなり重要だった。もちろん、そういうので実験したことはよかったと思うし、自分たちがそういうレコードを作ったこと自体はかなりクールだと思っている。でも、このレコードでは一歩戻ってみたかったんだよ。最初にバンドとして集まって、練習した時みたいなサウンドにしたかったんだ。

──マイク・クロッシーがプロデューサーですが、彼との仕事はどうでしたか?

カイル・ファルコナー:彼とは最初からごく自然に通じてたんだよね。彼が何曲か聴いて「こういうふうにしたい」って言ったら、まさにその通りに仕上げてくれて。僕のほうも彼がやりたいことがよく理解できた。彼がまず「こういうセッティングでいこう」って言って、僕らがプレイして、完璧な瞬間を彼がとらえてくれたんだよ。僕らも今回はとにかく生でプレイしたいって思ってたから。レコードを聴いても、そういう一瞬一瞬がとらえられてるのがわかると思う。

キーレン・ウェブスター:彼がアークティック・モンキーズでやった仕事とかが好きだったんだ。すごくいいプロデューサーなんだよ。しかも、今でもアルバム制作に対してすごくハングリーで、バンドに期待するものも高いし、彼自身現状に満足しないで、自分が作るアルバムで仕事の質の高さを証明しようとしている。それって、プロデューサーの姿勢として尊敬すべきだし、一緒にやると刺激されるんだよね。

──シングル「ハウ・ロング」に関しては何かエピソードはありますか?

カイル・ファルコナー:あれは僕と元彼女で書いた曲なんだ。最初に彼女がメロディを思いついたんだよね。で、「ラーラーラララーララー」とか歌ってて。僕がそれをちょっと変えて歌ってみたら、「あ、すごくいい!」って言われたんだよ。で、バンドに持っていったら、みんな気に入ってくれて。でもあの曲はある意味ダブル・ミーニングっていうか、すごくポップに聞こえるんだけど、歌詞は強烈なことを言っていたりする。<極上の香水の瓶を君が6つ落としたら 僕が12個にしてあげる 君をやっつけようと兵隊が送り込まれてきたら 僕がそいつらを全員やっつけてやる>って。ある意味、ものすごく強烈なオブセッションについて歌ってるんだ。<どのくらい待てばいい? いつになったら会える?>って、ラブ・ソングの原型みたいに聞こえるけど、同時に強烈でクレイジーなところもある。かなりダークなんだ。それがめちゃくちゃにポップなメロディに乗っているっていう。そこからビデオのアイデアも出てきたんだよ。だって、僕らが演奏してるところを撮るだけじゃ、意外性がなさすぎるだろ?だから、他の誰かに演じてもらって、どこか意味が通じるような、でも強烈なビデオを作ろうと思ったんだ。

──今のUKシーンについてはどう感じますか?

カイル・ファルコナー:2010年くらいから「今はギター・バンドは難しい」って言われだしたんだけど、今も状況的にはあんまり変わってないんだよね。イギリスのラジオで流れるのはリアーナとかビヨンセみたいなのばっかりで、ロックはほとんど流れない。

キーレン・ウェブスター:変わるといいなとは思う。今のところ、UKの音楽的ランドスケープは退屈きわまりないって言わざるをえないからね。ダンスっぽいもの、R&Bとかばっかりで。そんなのみんな退屈して、すぐにギター・ミュージックが戻ってくると僕は思う。こういう状態が長く続くわけないから。

──バンドの今後の予定を教えてもらえますか?

カイル・ファルコナー:今はとにかく、できるだけ長くツアーがしたい。夏はフェスにも出るし、できればほんとにまた日本にも行きたいんだよね。日本でまたライヴがやれたら嬉しいんだけど。僕、この前の来日で1週間近く入院したんだよ(笑)。いきなり敗血症になって、マスクつけさせられて。一時は隔離されて、薬でもうろうとして、もう最悪だったんだ(笑)。いや、ファンはみんなグレイトだったし、退院してからまたプレイしたライヴはほんとに最高だったから。

キーレン・ウェブスター:なんとか日本に行こうとしてるところなんだけど、ビザの問題がどうなるか次第だな。でも本当に、日本にはまた行きたいから、すごく頑張ってるんだ。日本でやった2回のツアーは、ほんとに素晴らしかった。確実に僕らの最高のツアーのひとつだった。僕自身、日本には行きたくてしょうがないから。幸運を祈ってて!

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