ギタリスト&ベーシスト必見! さらにグレードアップした“全部入り”BOSS「eBand JS-10」登場

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2009年秋に発売され、ギタリストから絶大な支持を受けたローランドBOSSブランドの「eBand JS-8」は、発売からしばらくは品切れが続くほどの人気を集めたオーディオ・プレーヤーだ。その後継モデルとなる「eBand JS-10」が間もなく登場する。先日開催された<TOKYO GUITAR SHOW 2012>(6月23、24日)でも多くの来場者の注目を集めたJS-10。その魅力をいち早くチェックしてみよう。


▲eBand JS-10はフロントパネルにステレオスピーカーと入力端子を装備。本体カラーはJS-8のブラックから、高級感のあるシルバーへ。LCDはのバックライトは見やすいホワイトに変更されている。

■ギター、ベースの練習はこれ1台でOK
■2.1chスピーカーで迫力のサウンド

JS-10は「ギタリスト用のオーディオ・プレーヤー」だ。「ギタリスト用」たるゆえんは、プレーヤー機能だけでなく、アンプ、エフェクター、レコーダー、そして耳コピーを支援する各種機能が、コンパクトなボディにこれでもかと搭載されているからだ。まさに“全部入り”の贅沢な仕様だ。

前面のコネクタにシールドをつっこめば、すぐにギタープレイが可能。スピーカー内蔵なので、面倒なケーブル接続は最小限ですむ。さらにBOSSが誇るGT-100直系のCOSMアンプと高品位BOSSエフェクトを内蔵しているので、ダイヤルをまわすだけでさまざまなギターサウンドが即楽しめる。(COSMとは、楽器の素材や回路、さらに電気的、電子的な影響、そして空間特性も含め、考えられる様々な要素をDSP処理し再現するローランド独自の技術)。

BOSSならではのサウンドをさらに後押しするのが、スピーカー構成。前面のステレオスピーカーに加え、新たに底面にサブ・ウーファーを内蔵。JS-8をはるかに凌駕する迫力あるサウンドがプレーヤーの気持ちを盛り上げてくれる。また、小音量でも音のよさが変わらないのもうれしいところ。自宅で楽しむ音量でも、音がいい。見逃しがちではあるが、ぜひチェックしておきたい点だ。もちろん、ヘッドフォン端子も用意されるので、深夜の練習もバッチリだ。


▲(写真:左)底面にはサブ・ウーファーを内蔵。迫力の低音を響かせる。(写真:右)右側面にはヘッドフォン出力(ステレオミニ)とラインアウト(RCAピン)。前面に挿したギター・シールドとからまない位置がナイス。

■バッキング・ソングでいつでも練習開始
■2人同時プレイもOK! ベースもマイクも


▲幅広いジャンルをカバーしたバッキング・ソングは350曲以上搭載。画面左上にはキーを見やすく表示。自分で取り込んだ曲や録音した曲には自分でキーを設定することも可能。
eBandが人気を集めた理由の1つとして真っ先に挙がるであろう内蔵のバッキング・ソングを鳴らしながら、すぐに練習が始められるのもうれしい機能だ。内蔵されるバッキング・ソングは350曲以上。ジャンルはロック、ブルースはもちろんジャズやラテン、カントリーまで幅広いバリエーションを揃える。3コードで弾けるシンプルな曲をはじめ、32小節以上の長めの曲も用意されているので、飽きることはないし、曲の展開への対応力を養う意味でもかなり役立つ。これで練習すれば、どんなジャンルにも対応できるようになるのではないだろうか。


▲バッキング・ソングはギター用のほか、ベース用、ギター&ベースの組み合わせで演奏するための曲もある。
バッキング・ソングはプロによる生演奏をオーディオで収録。そのサウンドのクオリティも特筆すべき点だ。また、バッキング・ソングには、ベース専用のマイナス・ワンもあるし(エフェクトもベース用がある)、ギター&ベースといった楽器の組み合わせのバリエーションが用意される点にも注目だ。

JS-10本体はフロントパネルに2系統のINPUT端子を装備。ギターとベース、あるいはツインギターなど、2人が同時に楽しめるようになったのがJS-8からの大きな進化点だ。各チャンネルにエフェクトが独立装備(すなわちGT-100が2台分!)されているからこその楽しみ方ができる。また、INPUTはGUITAR/MICの両対応なので、ギターとボーカルによるデュオもカバー。家族や友だちとさまざまな形態でのセッションがこれ1台実現する。INPUT 2はステレオミニ端子も利用できるので、iPodなどの外部プレーヤーの接続も可能だ。


▲2系統の入力を前面に装備。いずれもギター/マイク対応で、2人での演奏が楽しめる。その右にはAUX入力もあり。

■GT-100相当のサウンドをコンパクトボディに
■サウンドメイクも思いのまま

前述のとおり、アンプモデリングとエフェクトはBOSSマルチエフェクターの最新モデルGT-100相当。ダイヤルを回すだけでパッチを選択できるのはもちろん、アンプ、エフェクトのパラメーターを細かく調整することも可能だ。


▲(写真:左)AMPボタンでダイレクトにアンプのパラメーター設定画面に移動可能。(写真:中)エフェクトは同時使用可能な数がJS-8から増加。歪み系とモジュレーションの同時使用もOK。より多彩な組み合わせが可能に。(写真:右)エフェクター個々のパラメーター調整も可能。画面はOD/DSの設定画面。


▲EZ TONEでは画面上のカーソル移動でサウンドを直感的にエディット。歪ませたいなら横方向をHARDへ。縦方向はSOLOならファットなサウンドに、BACKINGなら低音ががっつり出てくる。AMBIENCEではリバーブの深さを調整。
ソロまたはバッキング用、ソフトまたはハードといったパラメーターで感覚的にサウンドを調整できるEZ TONE機能により、初心者でもカンタンにサウンドメイクができるのも特徴の1つ。熟練者ならAMPボタン一発でアンプ設定画面に移れるなど、幅広いユーザーをカバーする秀逸なユーザーインターフェイスも魅力だ。

なお、前述のバッキング・ソング再生時には、選択した曲にふさわしいパッチが選択される。メタル系のソングなら歪んだサウンド、ベース用ソングならベース用のエフェクトに自動的に切り替わる。面倒な設定なしにすぐごきげんなサウンドでギターがプレイできるのもうれしい仕様だ。

■練習&耳コピーの強い味方、リピート/ピッチ&速度変更
■練習成果は録音でチェック!

お気に入りのアーティストの曲を演奏したいという向きには、PC経由でメモリー・カードやUSB転送でJS-10に取り込むことができる。SDHCメモリー・カードは最大32GBまで対応。パソコンでCDやMP3などのオーディオ・ファイルの管理が可能なWindows/Mac対応のソフトウェアも同梱されているので、カンタンに好きな曲をバックに演奏が楽しめる。

[A←→B]ボタンで範囲指定してリピート再生したり、原音と違うキーで再生したり(ピッチ変更機能)、ギタリストはもちろんボーカリストにも便利なセンター・キャンセル機能など、さまざまな方法で練習や耳コピーをサポートしてくれる。速度を落とすスピード変更機能を使えば、ソロ・パートの練習もバッチリだ(しかも音程は変わらない!)。

そして、曲に合わせて弾いた演奏はボタン一発で録音が可能だ。練習の成果をチェックするには録音するのが一番。これができるとできないでは大きな違いだ。鳴っている音は、バッキング、エフェクトも含めそのまま録音されるので、面倒な設定が一切不要というのもうれしいところ。さらに、録音後にファイルとして残すかどうかを聞いてくれるのもなかなか気の利いた仕様だ(ミスした演奏は聞いてチェックするまでもないということは非常に多い)。

このほか、USBメモリーに保存されたオーディオファイルの直接再生ができるのも便利なところ。パソコンでレコーディング環境を構築したいという人には、USBオーディオ・インターフェースとして利用できるのも大きなアドバンテージになる。ノートパソコンとの組み合わせなら再生環境込みのミニマムなスタジオが構築できる。まさに八面六臂の活躍をしてくれるデバイスというわけだ。


▲背面にはエクスプレッション・ペダル端子や、USB端子(パソコン接続用)、USBメモリー端子、SDHCカードスロット(カバー内)、ACアダプタ端子を用意。エクスプレッション・ペダルは自動認識される。

ギタリスト、ベーシストならぜひチェックしたいeBand JS-10。気になる価格は実勢価格で39,900円と、JS-8登場時と同じ設定。発売日は7月中旬から下旬の予定だ。

<おもな仕様>
記憶容量:SD/SDHCメモリーカード=1G~32Gバイト
データ・タイプ:eBandソング(録音・再生)、WAV 量子化ビット数=16ビット(再生のみ)、MP3 ビットレート=64K~320Kbps(再生のみ)
外部メモリー:USBメモリー(別売)
AD変換:24ビット+AF方式
DA変換:24ビット
サンプリング周波数:44.1kHz
パッチ数:プリセット=130、ユーザー=100
エフェクト・タイプ:AMP、COMP/LIMITER、OD/DS、NOISE SUPPRESSOR、EQ、MODULATION(PHASER、FLANGER、CHORUS、TREMOLO、ROTARY、UNI-V、PAN)、DELAY、REVERB、WAH
記録時間(eBandソング):1Gバイトあたり=約4時間、32Gバイト=約130時間
記録時間(WAV/16ビット/ステレオ):1Gバイトあたり=約1.5時間、32Gバイト=約50時間記録時間(MP3/128Kbps/ステレオ):1Gバイトあたり=約17時間、32Gバイト=約550時間
定格出力:12W(ステレオ・スピーカー3.5W×2+ウーファー5W)
ディスプレイ:グラフィックLCD 132×64ドット
USB:オーディオ、ファイル転送(マス・ストレージ)
接続端子:INPUT 1 GUITAR/MIC端子(標準タイプ)、INPUT 2 GUITAR/MIC端子(標準タイプ)、INPUT 2 AUX端子(ステレオ・ミニ・タイプ)、PHONES端子(ステレオ・ミニ・タイプ)、LINE OUT端子(RCAピン・タイプ)、EXP PEDAL/CTL 1, 2端子(TRS標準タイプ)、USB MEMORY端子(USBタイプA)、USB COMPUTER端子(USBタイプB)、DC IN端子
消費電流:700mA
付属品:ACアダプター、SDカード、USBケーブル、取扱説明書、保証書、ローランド ユーザー登録カード
別売品:フットスイッチ(BOSS FS-5U)、デュアル・フットスイッチ(B0SS FS-6)、エクスプレッション・ペダル(Roland EV-5、BOSS FV-500L、BOSS FV-500H)、USBメモリー
外形寸法:264(W)×169(D)×209(H)mm
質量:1.8kg

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