INORAN×清春【特別対談】知っているけど知らない2人の考え方がリンクした夜

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特別対談企画 INORAN×清春

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■お互いちゃんと音楽を追求しながら、そのうえで好きなことをやってる(清春)
■本気で譲れない部分があるからみんなが応援してくれる理由にもなってるはず(INORAN)

――なるほど。参考までに今年はINORANさんにとってはソロ始動から15周年にあたるアニヴァーサリー・イヤー。そして清春さんにとって「流星/the sun」はソロ名義での20作目のシングルということになります。

清春:15周年! すごいな。

INORAN:いや、まあ、俺の場合は途中で休んでる時間も長いけど(笑)。

清春:でもね、僕は今回、そういう記念すべきタイミングに声をかけて良かったなと思ってて。正直、“あんまり声かけない派”なんですよ(笑)。こういうことってタイミングも重要だし。お互いがちゃんと活動してる状態じゃないと、混ざったときにカッコ良くないしね。せっかく一緒に何かやれても、結果的にお互いが“カッコいいことができた”と思えてないと意味もないわけで。だから本当に声をかけて良かったと思う。勇気を出して(笑)。

――しかもそうやってアプローチしようとするときって、どうしても断られたときのことを考えてしまいがちじゃないですか(笑)。

清春:うん。やんわりと言われたりするんだよね。「実はあいにく地方でスケジュールが入ってまして」とか(笑)。

INORAN:ははは! あるある。

清春:僕も使いますからね、そういうの(笑)。ただ僕自身はあんまり誘わないんですよ。僕のなかでは結構な決断だった。誘うかどうかについてだけでも、監督と1時間くらい話をしたし。

INORAN:でも実は今井監督には、過去に一度、PVを撮ってもらったことがあって。そういうのもまた、めぐりあわせかなと思った。「raize」のPVだったんだけど、その撮影のときは、たまたま関東地方に台風が3つも来てて。

――まさに嵐を呼ぶ男の本領発揮(笑)。

INORAN:いやいやいや。そんなことないですから!(笑)

――それはともかく、“奇跡のコラボが実現!”みたいなことが最初から目的だったりすると、それ自体がゴールになってしまって、たった一度の合体で終わってしまうことが多いと思うんです。しかし今回みたいにさりげなく自然に始まった関係というのは、今後どんなふうに発展してもおかしくないと思えるところがあって。

INORAN:そうですね。これからだって、何かをやろうと思えば自然な流れでできるというか。PVを撮ってるときもそうだったように、そういう機会があるたびに刺激は受けるだろうしね。

清春:変な話、一緒に写真集とか出しても面白いのかもね。一瞬だけ一緒に音を出すっていうのも素敵なんだけど、それだけで“企画”が終わっちゃうようなところがあるじゃない? それよりは、たとえばお互いアパレル関係と繋がりがある部分もあるわけだし、カッコいいアラフォーのためのスタイルブックみたいな写真集を作るのもアリかもしれない(笑)。

INORAN:ああ、うん。面白いと思う。

清春:普通の音楽的なコラボレーションも当然アリだけどね。

INORAN:うん。でも俺、なんかコラボって言葉があんまり好きじゃなくて。

――軽くなっちゃいましたよね、本来の意味よりも。

INORAN:うん。誰かと誰かが一緒にやればそれで成立するもの、ということではないと思うからね、本来は。

清春:結局ね、いろんなことをやってはいるけど、お互い音楽についていちばんコダワリがあるわけですよ。まずはミュージシャンであるわけだから。だけど、それだけじゃないスタンスというか、トータルな発想を持ってるからこそできることというのがある。お互いちゃんと音楽を追求しながら、そのうえで好きなことをやってるというかね。

INORAN:うん。だからまだまだ、できることというのはある気がするし。ただ、俺もやっぱり音については絶対妥協できない。妥協なんてものは日常のなかにもたくさんあって、なかには必要な妥協、いい妥協というのもいっぱいあると思う。だけど“本気で譲れない部分”というのは絶対になくなんないから。それがあってこその自分なんだし、それこそがみんなが応援してくれる理由にもなってるはずだしね。

清春:まったく同感。結局、やりたい活動のために音が犠牲になってしまうと話にならないというか。

INORAN:まさに本末転倒になっちゃうよね。

清春:そういうところでのバランスがINORAN君はすごくいいんじゃないかな。音については徹底的に妥協なく追求する。だけど他の可能性について閉ざしてるわけじゃないというか。音だけならいいんだけど、活動のあり方とかいろんなことにまでコダワリが強すぎちゃうと、結局はそれに自分自身が縛られることになっちゃうから。ただ、悲しいかな、むしろそういった外側のことを重視しようとするあまり、音を犠牲にしちゃう人が多すぎると思うな。そこでのバランスは難しいけどね。

――妥協なき作業といえば、INORANさんのニュー・アルバムが完成に至ったようですね?

INORAN:そうですね。実際、今日がマスタリングで。

清春:そうだったんだ? これは早く聴かせてもらいたいですね。

INORAN:近いうちにお届けしますね。ていうか、俺のアルバムの話とかはいいですよ、今日は(笑)。

清春:でも楽しみだな。そういえばlynch.と同じレーベルでしょ? 彼らは僕にとっては名古屋の後輩でもあって。ツイッターでINORAN君が彼らのアルバムに参加してることを知ったりとか。

INORAN:うん。あくまで1曲だけのゲスト参加だけどね。

清春:そういうところでも繋がってたりするのが面白いな、と。しかしまあお忙しそうですね、INORANさん(笑)。

INORAN:何をおっしゃいますか、清春さん(笑)。

清春:だって来週からはアメリカに行っちゃうんでしょ? 僕も海外とか行きたいですな。

――海外ロケによる写真集を一緒に作ればいいんですよ、きっと!

INORAN:さすがにうまく話をまとめてきますね(笑)。まあ、この記事が出る頃には日本に戻ってきてるし、その先にはツアーもあるんで。

清春:是非のぞきに行きたいですね。僕のライヴのほうにも是非(笑)。

INORAN:もちろん!

――最後に一応の結論めいたものも出しておきたいんですけど、お2人ともこれまでの時間の流れというのが、ちゃんと現在に繋がってるように思えるんですよ。そこも重要な共通点じゃないかという気がするんです。常に何かをやりきってきたからこそ、いろんなことをやりながらも結果的に全部が繋がってきたというか。

INORAN:ああ、なるほど。

清春:いいこと言いますねー(笑)。

INORAN:常に本気でやってると、結局はすべてが繋がる。そういうことなのかもしれないですね。すごいじゃないですか。ちゃんとここで話がまとまりましたよ!(笑)

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