プリシラ・アーン「なぜ日本語で?私はジブリの映画の大ファンだったから」

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フワっと柔らかな女性の声でうたわれる、SUPER BUTTER DOGの名曲「サヨナラCOLOR」。最近ラジオでよくかかっているそれを耳にして、「誰がうたっているんだろ? なんだかすごく癒されるな」と思った人は多いだろう。うたっているのはプリシラ・アーン。米・ジョージア州に生まれ、現在はロサンゼルスを拠点に活動を続けているシンガー・ソングライターだ。

◆『ナチュラル・カラーズ』ティーザー映像

2008年にブルーノート・レコードからデビューし、2枚のアルバムでソングライターとしての実力を十分に知らしめたプリシラだが、その彼女が日本と欧米の名ポップ・ソングのカヴァーに挑んだのが新作『ナチュラル・カラーズ』。つまり彼女の“シンガーとしての魅力”にフォーカスした作品で、「サヨナラCOLOR」が英語と日本語の両バージョンで収められているほか、くるりの「ばらの花」、荒井由実の「やさしさに包まれたなら」、はっぴいえんどの「風をあつめて」、安田成美の「風の谷のナウシカ」、ビートルズの「ノルウェーの森」といった曲が収録されている。

「きっかけは、ライブでカヴァーした“カントリー・ロード”でした(註:ジョン・デンバーの代表曲。プリシラは単独来日公演やフジロックでこの曲をキレイな発音の日本語でうたって観客を驚かせた)。あの曲をなぜ日本語でカヴァーしたかというと、私はジブリの映画の大ファンだったから。『耳をすませば』のなかで日本語詞に訳されたこの曲が使われているでしょ?それを何度も観て口ずさんでいるうちに覚えてしまったんです。で、いつかジブリ作品に使われた曲ばかりのカヴァー・アルバムを作りたいと思うようになって。その案から発展し、ジブリ・ソングに限らず私が聴いた瞬間に恋に落ちた曲や、聴く人が安らいだ気持ちになれそうな曲も選んで、1枚にまとめてみたのがこのアルバムなんです」

「風の谷のナウシカ」や、『魔女の宅急便』のテーマ曲として使われた「やさしさに包まれたなら」は、まさにジブリ/宮崎駿アニメを心から愛するプリシラだからこその選曲。こうした大好きな曲を、プリシラは映画の主人公の気持ちを思い出したりもしながらうたっていたと言う。

「私が『魔女の宅急便』を観たのは、アメリカのレーベルからもっとキャッチーな曲を作ってほしいと言われ、そのプレッシャーもあって自分のソングライティングに自信を持てなくなりかけていたときなんです。その後、レコーディングでひとりロンドンに行ったときも、私は不安でいっぱいだった。あの映画の主人公の女の子も新しい町に行ってしばらく不安を抱えていたでしょ?だから私はあの主人公の気持ちにすごく共鳴するところがあって…。そういういろんなことを思い出す曲なので、なるべくアレンジを変えずに、素直にうたおうと思ったんです」

それにしても、日本語詞をうたうプリシラに違和感などまったくない。ニュアンスに富み、言葉に想いがこもっている。

「ロスに住みながらも、普段から日本のアニメや映画をたくさん観ているから」

そう言って笑うが、そこには元来の耳のよさと努力もあるのだろう。彼女は耳で覚えるのと同時に、歌詞の意味をしっかり咀嚼して、自分の想いとしてうたっているのだ。では次回、ほかの曲にこめた想いも紹介しよう。

取材・文/内本順一


『ナチュラル・カラーズ』
2012年6月27日発売
TOCP-71312 2,300yen(tax in)
1.デイドリーム・ビリーバー(タイマーズ/モンキーズ)
2.風の谷のナウシカ(安田成美)
3.サヨナラCOLOR(SUPER BUTTER DOG)
4.ばらの花(くるり)
5.ノルウェーの森(ザ・ビートルズ)
6.やさしさに包まれたなら(荒井由実)
7.帰れない二人(井上陽水)
8.哀しみのアダージョ/T'en va pas (エルザ)
9.風をあつめて(はっぴいえんど)
10.希望の歌(プリシラ・アーン)
11.ドリーム(プリシラ・アーン)
12.サヨナラCOLOR(SUPER BUTTER DOG)
[歌唱言語]01,10,11=日本語&英語、02,04,06,07,09,12=日本語、03,05=英語、08=フランス語

<プリシラ・アーン来日公演>
7.18(水)ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8142&shop=1 
7.19(木)ビルボードライブ大阪
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8143&shop=2 

◆プリシラ・アーン・オフィシャルサイト
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