2年ぶりに復活、<ワーハピ大前夜祭>恵比寿にて開催

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8月に東京・夢の島で開催される夏フェス<ワールド・ハピネス2012>のプレ・イベント<大前夜祭~音楽解体新SHOW~>が、7月14日(土)に恵比寿ザ・ガーデンホールで行われた。同フェスの前夜祭イベントは2年振り4回目となるもので、高橋幸宏と鈴木慶一のふたりが進行役となり6組のアーティストが出演した。

◆<ワーハピ大前夜祭>画像

▲仙波清彦&カルガモーズ
▲レ・ロマネスク
▲Open Reel Ensemble
▲マキタスポーツ
▲清水ミチコ
▲THE BEATNIKS
1組目は、大御所仙波清彦が率いる仙波清彦&カルガモーズ。ドラム、タブラ、コンガ、小鼓、アフリカのジャンベに韓国のチャンゴと、世界中のありとあらゆるパーカッションがずらりと並び、18人のプレイヤーが火を吹くかのごとく、一斉に音を出す。2曲目からはベース、ヴァイオリンにトランペットが加わり、総勢23人のプレイヤーがステージを埋め、圧倒的な大音量が聴覚が麻痺させ、やがて陶酔の感覚にまで達する圧巻のパフォーマンスで、オーディエンスを圧倒。

2組目は2011年<FUJI ROCK FESTIVAL>にも出演し、一躍脚光を浴びたパリ在住の日本人ポップ・デュオ、レ・ロマネスク。この日はフランス革命の発端でもあり、建国記念日でもあるパリ祭の日。それにあやかって、王子さまスタイルのTOBI(トビー)は頭にエッフェル塔の冠を被って登場。日本のムード歌謡とエレクトロポップのミックスさせた唯一無比のサウンドでグイグイと客席を引き込む。ラストの『ズンドコ節』では、コール&レスポンスで観客を巻き込み、本場欧州のエンタティンメント現場で鍛えた洗練のパフォーマンスで場内を爆笑の渦に包みステージを降りた。

3組目は、旧式のオープンリール・レコーダーと現代のコンピューターを融合させる気鋭の集団、Open Reel Ensemble。ステージ中央に4台、左右に2台、計6台のオープンリール・デッキをコンピュータや人力で再生させながら、ギター、ベースにカホンといった人力の楽器が絡ませていくステージは、アート・パフォーマンスを見ているような不思議な感覚に誘ってくれる。

4組目は異端の音楽芸人マキタスポーツ。J-POPの名曲を校歌風にしたり、YMOの『ライディーン』のメロディに長渕剛の『とんぼ』の歌詞を乗せるなどのユニークなスタイルで会場を盛り上げる。最後は独自解釈の“ヒット曲の法則”なるものをバック・スクリーンに映し出し、解説を交えながら、その法則通りに、自らの体験を歌詞にしたオリジナル楽曲『10年目のプロポーズ』を披露。この、いかにもありそうな歌詞やメロディを随所に盛り込んだ典型的なJ-POPパロディ・ソングは、観客ひとりひとりを納得させつつも、笑いに持ち込んで行く様はマキタスポーツの面目躍如といったところか。

続いて5組目は、音と笑いの魔女、清水ミチコがステージにあがる。桃井かおりや、えなりかずき、杉本彩、松田聖子らのモノマネをメドレーであたかもDJ MIXのように次々とピアノで弾き語る。綾戸智絵風の「テネシー・ワルツ」や、美輪明宏風の「愛の讃歌」では、本物?と見紛う程の高い歌唱力に、毒のエッセンスを盛り込み会場を魅了。圧巻は、本人曰く「気持ち悪い音楽!」の真骨頂「君をのせて(映画"天空の城ラピュタ"主題歌)」の歌詞・メロディに、『渡る世間は鬼ばかりのテーマ』をピアノ伴奏に乗せた違和感ミックス。この、もどかしいぐらいの絶妙な気持ち悪さを、さらりとやってのけるのは清水ミチコが、音と笑いの魔女と言われる所以。

ラストは2011年の<ワーハピ>で10年ぶりに活動を再開させた高橋幸宏と鈴木慶一のユニット、THE BEATNIKS。「前夜祭という事なので、いつもと違った事やります!」とのMC通り、演奏された全8曲はオリジナルを一切やらず、なんと全曲洋楽のカバー。この意表を突いたセットリストは、ファンにとっては嬉しいプレゼント。ふたりがティーン・エイジャーだった頃は、今のようにライブハウス等はなく演奏の機会はダンス・パーティーが中心で、この夜のTHE BEATNIKSは、高橋幸宏に言わせると、まさに「1960年代のダンパ・バンド!」との事。ビートルズにニール・ヤング、ザ・バース、プロコル・ハルムといった1960年代の洋楽ナンバーを本当に楽しそうに演奏していたのが印象に残った。

アンコールは、鈴木慶一が「8月に来日する前に、やっちゃいます!」と紹介しビーチ・ボーイズの「Barbara Ann」を演奏。バンド・メンバー全員で、あの美しいコーラス・ハーモニーを完全再現。セカンド・アンコールでは、同曲のアカペラ版までをも披露し、1300人の観客を大いに沸かせた。最後は、鈴木慶一の「今度はワールドハピネスで、お会いしましょう!」のMCで、4時間超に及んだ大前夜祭は終了。

THE BEATNIKS他、YMO等、15組のアーティストが競演する<WORLD HAPPINESS 2012>は、8月12日に東京・夢の島で開催される。

<WORLD HAPPINESS 2012 大前夜祭 ~音楽解体新SHOW~/SET LIST>
仙波清彦&カルガモーズ
1.intorodction
2.オレカマ
レ・ロマネスク
1.マドアゼーーール!
2.拙者サムライダンディー
3.ジャンフランソワの女
4.ファンのテーマ
5.ズンドコ節
Open Reel Ensemble
1.Izumi
2.Holon F
3.Recuttent Fever
マキタスポーツ
清水ミチコ
1.サッちゃん替え歌
2.テネシーワルツ
3.愛の賛歌
4.君をのせて(天空の城ラピュタ・主題歌) + 渡る世間は鬼ばかり
5.私のフォークメドレー
6.ラバー・カム・バック・トゥー・ミー
THE BEATNIKS(オリジナル・アーティスト)
1.Helpless(Neil Young/1970)
2.Help! (The Beatles/1965)
3.Ruby Tuesday (The Rolling Stones/1967)
4.Mr.Tambourine Men (The Byrds/1965)
5.The Lonor(Neil Young/1969)
6.The Model(Kraftwerk/1982)
7.Homburg (Procol Harum /1967)
8.I'll Be Home (Randy Newman /1977)
ENCORE
9.Barbara Ann (The Beach Boys/1965)

<WORLD HAPPINESS 2012公演概要>
2012年8月12日(日)
開場11:00/開演12:30(終演予定20:00)
@東京:夢の島公園陸上競技場
出演アーティスト:YELLOW MAGIC ORCHESTRA + 小山田圭吾+高田漣+権藤知彦、岡村靖幸、木村カエラ、KREVA、オリジナル・ラヴ、EGO-WRAPPIN'、ヒダカトオルとフェッドミュージック、TOKYO No.1 SOUL SET、GRAPEVINE、きゃりーぱみゅぱみゅ、Curly Giraffe、坂本美雨、kotringo + AOKI takamasa、さかいゆう、THE BEATNIKS(高橋幸宏+鈴木慶一)

◆<WORLD HAPPINESS 2012>オフィシャルサイト
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