ワールドミュージックの巨大フェス@マレーシア<Rainforest World music festival>緊急レポ

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世界の遺された秘境の一つであり、アジアを代表する巨大なジャングルの島ボルネオ。中でもマレーシアのサワラク州は多様な文化が今も共存して残されている地域だ。


▲ロングハウス内でのワークショップの様子。
今回はその州都クチンで行われた<Rainforest World music festival>に潜入。日本ではまだあまり紹介されていないようだが、ワールドミュージックの巨大フェスとして欧米各国では認知されており、海外からもこれを見るためにクチンへ来るという人気のフェスだ。クチンへはマレーシア航空で成田、関空からマレーシアの首都クアラルンプールで乗継ぎ、8時間程度のフライトで毎日、渡航可能。観光資源にも恵まれ、ゴルフリゾートやオランウータン観察、また美味しい魚料理なども味わえる普段はゆったりとした空気感が魅力的な場所でもある。


▲神秘的な雰囲気で圧倒したジィ・アヴィ。
フェスは全部で7月13日~15日までの三日間で、海外からの招聘を含む16組のアーティストのショーと、日中に行われる27のワークショップで構成されている。

会場はサントボンと呼ばれる山の麓の聖地に二つのステージを設置して行われた。会場内は普段はカルチャーヴィレッジとして公開されており、ロングハウスと呼ばれる独特の建築物を見学できたり、現地式のマッサージがあったりとリラックスして過ごせる。

ワークショップのいくつかはそのロングハウスでも行われるのも面白い。講師として出演者が登場し、珍しい楽器の紹介や奏法の説明やまったく異なったエリアで生まれた楽器の共通点を説明するようなソフトなものから、招聘された16組のパフォーマーをシャッフルして、合奏を試みるショー的なもの、またインド音楽理論や音楽史など高度なものまでレベルに合わせて選べるようになっていた。


▲Oreka TXによるスペイン・バスク地方に伝わる木琴チャラパルタの演奏。二人一組で叩く。
参加してみるとたくさんの驚きがあり、楽しめるようにとミュージシャンたちが工夫していたのも印象的だった。なかでもブルキナファソ(アフリカ大陸西部の国)のミュージシャンが楽器で会話する様子を実演して見せたのは驚きだった。

今年はヘッドライナーの一人としてはyoutubeから発信され世界の名だたるビッグネームを驚愕させたシンガーソングライターのジィ・アヴィがトライバルなファッションで登場。地元サラワク州出身の彼女が現地の楽器も多数フィーチャーしながらスピリチャルで印象的なパフォーマンスを披露するなど、伝統的な民族音楽だけではなく、よりポップな音楽も展開され、熱狂する聴衆であふれた。

次々と登場する変わった形の楽器に驚愕したり、レベルの高い演奏に圧倒された。他にもボルネオの部族の儀式が催されたりと文化探訪としても楽しめたりとジャングルの中で行われるフェスの雰囲気は日本では決して味わえない魅力がある。そして世界にはまだ面白い音楽が存在していた。

取材・文●鈴木りゅうた

◆Rainforest World music festival (英語サイト)
◆ジィ・アヴィ オフィシャルサイト
◆観光情報:マレーシア政府観光局
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