雅-MIYAVI-、アタマ3秒で観客をノックアウトしたプレミアム・ライヴで漏らした本音「大変だよね、人生。俺も大変だよ」

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ジャンルを超え、国境を超え、“サムライギタリスト”として活躍の場を広げている雅-MIYAVI-が7月21日(土)、東京キネマ倶楽部にてプレミアム・ライヴ<DAY 1>を開催した。

◆雅-MIYAVI-<DAY 1>画像

「TOKYO, ARE YOU READY?」

舞台左サイドに相棒であるサポート・ドラマーのBOBO、舞台中央はもちろん、ドラマーと対面する位置、フロントの左右、ギターを弾きながらあちこち動いても歌えるようにセッティングされたマイクスタンドの数々。まずはセンターにセミアコースティックギターT5を持ち、サングラス姿の雅-MIYAVI-が現れ構える。ドラマーを振り返ったその瞬間、ものすごい勢いでタッピングを始める。その音とせめぎあうかのように押し寄せるドラムのビート。曲は「WHAT’S MY NAME?」。彼の存在そのものを知らない人でも、曲を知らない人でも、アタマ3秒で容赦なくKNOCK DOWN!!

「………まじスゲぇ」

彼がギターをかき鳴らした瞬間、瞬きできない、息が止まってしまう。

「何コレ!?」

想像を凌駕するインパクトにアタマがついていかなくて、まだ目を見開いて、息をするのも忘れている。いままで聴いたことがないようなパーカッシヴなギターのアタック音、ピックも何ももたない右手は、指の動きが見えなくなるぐらいの猛スピードで弦をつま弾き、その合間にフレットを叩いたりギターのボディもガンガン叩いたりする。さらに、そこに追い打ちをかけるようにマシンガンのようなラップも入ってくる。

「この人って……ギタリスト? そもそもこれがギタリストとドラマー、超シンプルな編成のユニットが出すサウンドなの?」

衝撃的な数の“?”マークがアタマのなかをいっきにかけめぐる。

この日はフロント・ゲスト・ゲスト・アクトとして雅-MIYAVI-の『WHAT'S MY NAME? e.p.』のレコーディングに、ベーシストのハマ・オカモトが参加した事でも縁が深いOKAMOTO‘sが登場。レイドバック感をたっぷり備えた彼らの鳴らすロックンロールももちろんヤバかった。けれど、この日の雅-MIYAVI-のインパクトはさらに凄まじいものがあった。

このライヴ写真を見て、こんなシンプルな編成なんだし、どうせアコギの演奏会を見ているような雰気なんでしょ? なんて思っている人は、このオープニングを見ただけで軽く秒殺されたハズ。 

2曲目「UNIVERSE」――もうここからはグイグイと場内の空気が歪んだギター1本の鳴りに操られていく。そのギターが打楽器になったり和音を響かせたり、それと同時にアルペジオをループさせたり……とにかくこれらすべてが想像を絶するようなスピードで展開していくから、息ができない&瞬きができない瞬間がどこまでも、どこまでも延々と続いていく。見るものの呼吸、瞬きまで奪ってしまうほどプレイは壮絶だ。

それでも「SURVIVE」などはビートに合わせてみんなでJUMP,JUMP!! 超グルーヴィーでパーカッシヴな音に身体を揺らし、フロアは猛烈にノリノリ、一体感がぐんぐん生まれる。ビートが途切れる部分に合わせて、バックターンを見せる雅-MIYAVI-。ギターももちろんそうだけど、こういう動きまでがキレ味抜群で本当にめちゃくちゃカッコいい。

しかも、カッコいいだけじゃない! なんだろう、この匂い立つ男の色気。10代の頃から自分を律すべく身体に入れてきたTATOOは彼のトレードマークでもある。いまでは全身、文字だらけ。とにかく、どこまでも自分に厳しい雅-MIYAVI-。そんな彼がいまはどうだろう。これがONLY ONE、俺のスタイル。そんな圧倒的な自信に満ち溢れながらステージでパフォーマンスをしている。こんな姿見せられたら、ファンじゃなくても誰でも好きになっちゃうだろう。

「改めまして雅-MIYAVI-です。いつも通りロックしようぜ。心のなかに叫びたいことあんだろ?」

というMCからお客さんと“NO,NO,NO”のコール&レスポンスから「NO NO NO」。“おっさん、おっさん、俺なんぼ”のコール&レスポンスで上がりまくった「おっさん おっさん 俺なんぼ」、これはインディーズ時代の楽曲だ。

「日本では10年以上やってるけど、俺も海外に行くとまだまだ若手」

といって、先日出演したフランスのフェスで再会したパブリック・エナミーのフレイヴァー・フレイヴにパフォーマンスを「すげぇ」といわれたと嬉しそうにファンに報告。

ソロ・デビュー以降、この人ほどあらゆる扉を開けて、とにかく挑戦を繰り返してきた人はいないんじゃないだろうか。果たして自分は歌い手としてはどうなんだろう、ヒットメーカー、ソンングライターとしてはどうなんだろう、パフォーマーとしてはどうなんだろう……常に“自分磨き”という名の元、あらゆる方向から自分の可能性を探って自ら果敢に挑戦してきた雅-MIYAVI-。その間、構築された様々な雅-MIYAVI-スタイルがあった。それらすべてを踏まえた上でも、いまの雅-MIYAVI-を生み出す大きな起点となったのは、間違いなく“武者修行”という名で積極的に海外に出向いてライヴをやるようになったことだろう。

……あらゆる方法を使って、やっとたどりついた自分にフィットした、自分を一番表現できるスタイル。それが、いまの雅-MIYAVI-のスタイルなのだ。オーディエンスが響かせるハンドクラップのなか、その場で弾いた音をサンプラーでループさせながら、それをベースラインにしてヒップホップしていく「CHILLIN’ CHILLIN’ MONEY BLUE$」。“あんたがたどこさ”なんていうとことんジャパネスクな童謡のリリックをラップしながらも、そのフロウスタイルは外国人のよう。そこから自らの足でSTOMPを鳴らしてからのインプロビゼーション。このギターの超絶さ! ここは前半、もっとも息ができなかった場面だった。

もちろん息をつかせない曲だけではない。きっちりとイントロをフレーズで弾く「SHELTER」のような歌ものもきっちり押さえているところがまたいい。

「俺はギタリストとしてギター弾くことしかできないから。ギターでみんなの背中を押せたらなと思ってます。大変だよね、人生。俺も大変だよ(苦笑)。でも、それが俺の生き方だと思ってる」

この日はそんな本音もぽろり。

「だから、死ぬまでギター弾いてたいと思います!」

「MOON」「GRAVITY」でゆったりテンポが続くパートでは、しっとり音を沁み込ませながらもパーカッシヴに飛ばすプレイ以上に髪の毛を振り乱し、狂気じみた姿で曲に入り込む姿を見せた雅-MIYAVI-。そこから後半はいっきにラストまで駆け上り、そのなかで披露された「DAY1」がまた凄かった! 既存の曲のなかでは別格のパワーを持つ。この曲の破壊力は圧倒的だった。

アンコール。「ARE YOU READY TO ROCK?」では上半身裸になって水を撒き散らし、スピーカーに登ったり、床に寝転がったり、オーディエンスとハイタッチをかわしたり、観客と最後の最後まで大騒ぎしたあと、「I LOVE YOU!」といってステージを後にした。

もう最後までカッコよすぎ、そのオーラにしびれまくった夜だった。

取材・文●東條祥恵
写真●(C)Keiichi Nitta


MIYAVI vs YUKSEK
「DAY 1」
2012年7月11日発売
TOCT-40405 ¥1,000(tax in)
[CD]
1. DAY 1
2. FUTURISTIC LOVE 2012
3. DAY 1 (instrumental)
[CD-EXTRA]
「EMI ROCKS 2012」ライブ映像
1.WHAT'S MY NAME?
2. SURVIVE
3. FUTURISTIC LOVE

iTunes Exclusive
MIYAVI vs YUKSEK “DAY 1” 
6月27日発売。※EP扱い
1. DAY 1
2. FUTURISTIC LOVE 2012
3. DAY 1 (instrumental)
4.WHAT'S MY NAME?(LIVE)
5. SURVIVE(LIVE)
6. FUTURISTIC LOVE(LIVE)
 http://itunes.apple.com/jp/album/day-1-ep/id534613286

<Hitachinaka, Japan ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012>
2012.08.05.(Sun)
http://rijfes.jp/contents/

<Hokkaido, Japan RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO>
2012.08.10.11.(Fri,Sat)
http://rsr.wess.co.jp/2012/index.html

<Kagawa, Japan MONSTER bash 2012>
2012.08.26.(Sun)
http://www.monsterbash.jp/

<Fukuoka, Japan Red Bull SOUND VOYAGE>
2012.07.16.(Mon)
http://www.redbullsoundvoyage.jp/

<LIQUIDROOM 8th ANNIVERSARY presents
“UNDER THE INFLUENCE” 「雅-MIYAVI-×80KIDZ」>
2012.08.15.(Wed) LIQUIDROOM, Ebisu, Tokyo, Japan
http://www.liquidroom.net/schedule/20120815/10695/

◆雅-MIYAVI-特設サイト
◆雅-MIYAVI- オフィシャル・サイト
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