アルマカミニイト、初ワンマンライブ大成功。大先輩・堀内孝雄も駆けつける

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4月にシングル「茜」でデビューした男性デュオ・ALMA KAMINIITO(アルマカミニイト)が、8月5日、初めての単独ライブ<アルマカミニイト 1st Live “UNO!”>を渋谷のduo MUSIC EXCHANGEにて開催した。ライブには、所属レコード会社の大先輩である堀内孝雄がお祝いに駆けつけるなど、終演時間を大幅に延長しての大盛り上がりとなった。

◆アルマカミニイト 画像@2012.08.05 <アルマカミニイト 1st Live “UNO!”>、「茜」ミュージックビデオ、公開されているカバー曲の映像(「最後の雨」「オリビアを聴きながら」「もうひとつの土曜日」ほか)

ペルー国籍日系3世のエリックと、日本舞踊の師範という顔を持つ宗彦。ふたりがアップフロントワークス主催のオーディション<FOREST AWARD>で特別賞を受賞したことから結成されたのがアルマカミニイトだ。これまでイベント出演やストリートライブなど地道な活動を行なってきたふたりが、ついにこの日、初めてのワンマンライブを開催ということで、会場には、開演前から下は20代、上は50代や60代くらいまでの女性を中心にファンが詰めかけた。

生まれ育ったペルーにて、日本の演歌に魅せられて歌手になりたいと思ったエリック。ふたりのルーツ・ミュージックを紹介するコーナーでは、そんな彼のルーツとして、細川たかし「望郷じょんから」をコブシを回して熱唱する。ペルーにいた頃のカラオケ大会の映像がYouTubeにアップされていたり、彼らのUSTREAM番組で少しだけ歌ったりしたといったことはあったが、ライブイベントでエリックが演歌を1曲丸ごと披露するのは今回が初めて。しかしながら、ペルーのコンテストを“荒らしまくっていた”歌声は、日本にきても健在。その完璧な歌いこなしは、“耳にした誰もが圧倒されていた”という表現こそふさわしかった。

もっとも、このふたりはどんな曲も柔軟に歌うことができる才能を持ち合わせているのだろう。宗彦がアマチュア時代の苦しかった頃に助けられた曲として歌い上げた浜田省吾「MONEY」では、アルマカミニイトが歌うオリジナル曲とはまったく違うJ-ROCKながら、感情を剥き出しにして観客を興奮させた。その後にふたりで披露した「LA・LA・LA LOVESONG」や、ライブ後半で歌った米倉利紀「Yes,I do」では、歓声を上げて思わず腰が動き出すオーディエンスも続出。出会った当時、エリックがJ-POPを歌っても演歌になってしまうため、まったくハモリが合わなかったという“思い出の曲”、徳永英明「レイニーブルー」もしっとりと聴かせ、宮沢和史プロデュースイベント<NIPPONIA>に参加したという縁を紹介するとともに歌われたTHE BOOM「風になりたい」では、大喝采となった。

さらに、オーディエンスとエリックには内緒で、宗彦がレコード会社の大先輩・堀内孝雄をステージに呼ぶこむ。「いつ呼ばれるかと思った。しかしこのバンド、細川たかし歌うのかと思ったら、いきなり久保田(利伸)君で、すごい幅広いねー。」と、ステージ上手から大きな花束を持って堀内が登場すると、宗彦のほうを見ながら「なんで??」と、あまりのことに言葉が出ないエリック。そして、堀内から花束を受け取り、「実は、僕のお父さんが、堀内さんの大大大ファンです! 子供の頃から、ずっと聞いてました。」と、いわば“日本で歌手になりたい”という自分の夢のきっかけとなった歌手のひとりである堀内孝雄を目の前にして驚き、感動していた。

一方、そんなエリックの緊張を察したのか、堀内は、「君の……え、どっちがエリックなの? エリックっていう名前だから、ちょっとバタ臭い感じだから、顔的にはこっちになるよね……」と、宗彦を指さして観客は爆笑。そんなふうにして空気を和ませつつ、堀内は未来の音楽シーンを担う後輩のために「これから先、みなさんの心の支えをいただいて、彼らはもっともっと頑張っていくので、この先もよろしくお願いします。」と、観客のひとりひとりに向かって、深々と頭を下げた。

「今日はエリックと宗彦のために歌う」と、新曲の「笑うは薬」を披露した堀内孝雄のあとには、ピアニストの富永峻が登場し、アルマカミニイトとともにパク・ヨンハ「永遠」をパフォーマンス。さらにアルマカミニイトからは、2曲の新曲も初披露された。この新曲、それぞれタイプの異なる曲となっており、急遽、ふたりは「どっちの曲が好き?」と会場のファンにアンケートをとってみることに。するとやはり、というか当然というか、「両方好き!」という声が大多数。新曲のリリースは10月24日に予定されており、ファンにとっては待ち遠しい限りだ。

「僕たちは今まで、結成されてからいろんなところで経験してきました。最初は僕たちの会社の中にあるカフェ。小さなカフェで歌い、あとはストリートライブとかも、いろんなところでやってきて。少しずつ成長することができて。でもそれは、いつも応援してくれる誰かがいたから、なんです。感謝しています。」── エリック

「いつも支えてくれるファンのみなさん、今日、初めて観たという方も、どっかで僕たちを見てくれていて、ありがとうございます。僕たちは小心者なので、みなさんがいないと歌えないんです。安心して、ホントにね、ステージに立たせてもらっています。これからまだまだアルマカミニイト、成長して大きくなっていこうと思っています。これからも応援よろしくお願いします。」── 宗彦

全19曲にわたって、観ている側が清々しくなるほどに、実に気持ちよく歌い続けたアルマカミニイト。今はまだ荒削りな部分もありつつも、実力あるふたりのボーカリストがお互いの声を尊重しながら奏でる絶妙なハーモニーは、これから多くの人の耳に届いていくことになるのだろう。


text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
◆アルマカミニイト オフィシャルサイト
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