清春がステージで見せた“ファンとの関係性”。<LIQUIDROOM 8th ANNIVERSARY presents>

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8月4日、東京・恵比寿LIQUIDROOMの8周年を祝うライブ・シリーズ<LIQUIDROOM 8th ANNIVERSARY presents>に清春が登場した。オフィシャルのライブレポートが届いたので紹介しよう。

◆清春 画像@2012.08.04<LIQUIDROOM 8th ANNIVERSARY presents>

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18時21分、オープニングを告げるSEがそのヴォリュームを上げる。サポートメンバーである三代堅(G)、中村佳嗣(G)、窪田圭祐(B)、楠瀬拓哉(Ds)の4人と共に、清春が姿を現し、攻撃型のロックナンバー「the sun」を轟かせた。

黒と白のボーダーのカットソーに黒いドレスジャケットを羽織り、鼈甲の眼鏡というスタイリッシュな出で立ちの清春が、ステージ上で体を躍動させる。超満員の観客フロアでは、多くの手と歓声が上がる。

ロックの“熱”を巧みに放出するバンドサウンドに乗る清春の歌声は、時にダークで、時にセクシュアルで、時に柔らかく、時に強い。ロー・トーンから、張りのある高音までをコントロールしながらアートな楽曲たちを表現していく。「tanatos」では、ステージから楠瀬と窪田のリズム隊が退き、三代&中村のギター2本と清春の歌、プラス少ない音数(その一音一音はエッジを効かせた音色だ)で構成された同期トラックという、ここ数年清春が試みてきたスタイルで観客を魅了する。

清春はMCで“LIQUIDROOM 8周年”を絡め賛辞を送るが、自身もデビューから19年、ソロで9年という時を積み重ねてきたアーティストである。その時間の中で彼がスキルと表現力を深化させてきたことが届けられる一曲一曲から伝わってくる。そして何よりファンとの関係をより深いものにしてきた、と分かる。

その表れを特に強く感じさせられたのは、アンコールで披露された「涙が溢れる」だった。8月22日に発売となる21枚目のシングルに収められる同曲について、インタビューをした時に清春は「ファンとの関係性を歌った。永遠ではないけれど終わってほしくない、なくしたくないという想いを込めた」と話していた。ライヴ中に時折、奇跡的に訪れる“本当に感動する一瞬”にこそ清春は自分が追い求めたきた“夢”があると感じているという。今、目の前で届けられる「涙が溢れる」は、ピアノ&弦の音色とバンドサウンド、歌が大きなウネリを生み、その響きにはどこか悲しいけれど、切なる願いが確実に内在しているのを感じられた。全ての想いを吐き出して歌われる驚愕の声量による彼の歌は観る者を圧倒していく。

「涙が溢れる」の最後のフレーズを歌った清春の声の余韻が消え、一呼吸空けてから、水を打ったように静まっていた場内に歓声と拍手が渦巻いた。

「sari」を挟んで、「こっちから観てると曲を増やしたくなった」という言葉と共に「星座の夜」が急遽、追加でプレイされたのは、清春が言う「関係性」を客席からもステージからも感じていたからだと言えよう。

清春はこの後、ニューシングル「涙が溢れる」リリース記念ライヴを8月24日に大阪BIGCATで開催、9月28日からはソロでは3年振りとなる全15公演の全国ツアー<天使の詩2012 『UNDER THE SKIN』>に出る。また現在、渋谷Mt.RAINIER HALLで、三代、中村と3人編成のアコースティック・ライヴを定期的に行なっている。ここでは全キャリアの楽曲と他アーティストの楽曲のカヴァーとが披露されており、極限まで削ぎ落としたシンプルなアンサンブルの中で現在の彼の歌声がじっくりと味わえる贅沢な時間が流れている。ツアーはもちろん、今夜のLIQUIDROOMでのバンドスタイルとは真逆といえるMt.RAINIER HALLでの清春の表現も是非堪能してほしい。

text by 大西智之

◆VARKS
◆清春 オフィシャルサイト
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