“声で勝負”する4foglio【インタビュー】顔出ししない理由は「ブサイクなんで(笑)」!?

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“声で遊ぶコミュニティ”として話題のSNS「koebu」で注目を集める4人組、4foglio(クワドリフォリオ)。声と楽曲のクオリティだけを武器に活動し、メンバーの顔はもとより詳細なプロフィールも明らかにされておらず、楽曲の波及に反して4foglioという存在自体は謎を増すばかり。そこでBARKSでは、4foglioの謎を解き明かすべくロングインタビューを敢行、全3回にわたりお届けする。記念すべき第1回目は「4foglioの謎に迫る!」をテーマに、結成の経緯から楽曲制作の手法、そして顔出ししない本当の理由までを追求した。

――今回は「4foglioの謎に迫る!」ということで、いろいろと突っ込んで質問させてください。まず、そもそも結成のきっかけというと?

ハル(G):ライヴハウスですね。

ユウ(Vo):僕があるバンドで歌ってた時に、たまたまハルがお客さんとしてほかのバンドを見に来ていて、そこで会ったんですよね。それから共通の友人を通して仲良くなって、いつのまにか「一緒にやろうよ」ということになってました。

ハル:あとの二人(ショウ/B、マナブ/Dr)は、ネットのメンバー募集で知り合いました。

ユウ:そうやってやりとりしてる時に「koebu」をみつけて、「まずここに投稿してみようか」ということになったんですよ。

――ちなみにあと二人のメンバーは…。

ユウ:取材やラジオ出演は、僕たち二人でやることにしてるんです。

ハル:ほかの二人は、ブサイクなんで(笑)。

――ひどい!(笑) というか、そもそも全員が顔出ししてないじゃないですか(笑)。で、そんな4人が「koebu」への投稿をきっかけに…。

ユウ:レコード会社の方に声をかけていただいて、今に至るという感じですね。

――ちなみに「koebu」に投稿した楽曲ではアニソンのカバーも披露してますけど、あれは?

ユウ:一番最初にJUJUさんの曲で投稿したんですけど、あのサイトはアニソン系のファンが多くて、なかなかコメント数が伸びなくて。ちょっとそっちに寄ってみようかなと思ってやったら、グンと評価が上がって、みんなに聴いてもらえるようになったんですよ。「創聖のアクエリオン」「残酷な天使のテーゼ」とか、「君が好きだと叫びたい」とか。

ハル:中高生が多いサイトなので、難しいところはありましたね。年がバレるかな(笑)。

ユウ:その代わり、リアクションがストレートだよね。変な見方をする人が少ない。

ハル:できればこれからも、やっていきたいと思ってます。

――4foglioというグループ名は、四つ葉のクローバーのイタリア語だそうですけど、なぜこの名前をつけたんですか。

ユウ:四つ葉のクローバーを見つけると幸せになれるって言いますよね。そんなふうに小さい幸せって、身近なところを探せばきっといっぱいあると思うんですよ。仕事が忙しかったりして忘れがちになっていたものを、「探せばあるんだよ」ということを気づかせる一つのきっかけになるような音楽を作れたらいいな、ということですね。もともと僕が四つ葉のクローバーを見つけるのが得意で、見つけるたびに写真を撮っていて、グループ名を考えている時にたまたまその写真を見て、「いいかも」と思ったのが始まりです。それともう一つ、曲の中に季節感を入れたいという発想があって、四つ葉のクローバーと四季を重ね合わせてます。

――あー、なるほど!

ハル:後付けなんですけどね(笑)。

ユウ:それで、これまでリリースしてきた曲は季節感を意識してるんです。けっこうみんな、季節を歌った曲って好きじゃないですか? その中でも自分たちにしかできないサウンド感や、こだわりのある詞やメロディを作っていくのが今の目標ですね。

――ではもう少し掘り下げて行きますが、ユウさんとハルさんの音楽的なルーツはどのへんにあるんですか。

ハル:僕が音楽に目覚めたのはアシッド・ジャズで、ジャミロクワイ、ブランニュー・ヘヴィーズとか、ハイセンスな音楽がすごく好きで、それからアメリカのリズム&ブルースにどっぷりひたってました。日本ではスガ シカオさんが好きでしたね。それからUKロックが好きになって、トラヴィス、コールドプレイとかを聴いてました。今は、アメリカのヒットチャートもよくチェックしてます。

ユウ:僕はいつも歌詞に興味があったので、邦楽が好きでしたね。桑田佳祐さんが好きです。音楽的な部分で言うと、メロディがきれいなものが好きで、ソウルでもロックでも、とにかくメロディがいいものなら何でも聴きます。曲に関しては歌詞がよければ何でも聴くという感じですね。歌詞にはすごくこだわりがあります。4foglioは、マーケティングの手法を使って、ターゲットを絞りこんで歌詞を書くというやり方をしているんですけど、より意識的に言葉を選んでいくのがすごく面白いんですよ。自分では思いつかない言葉が出てくるので。ストーリーを組み立てるのは得意なので、面白い切り口が見つかったときには楽しんで書けますね。

――4foglioの曲作りはどんなふうにやるんですか?

ハル:メロディをユウが書いてきて、僕がコンピューターで音を作る感じです。

ユウ:ギターと歌だけの簡単なデモをいくつか持って行って、「こっちのほうがいいんじゃない?」とか言い合って。

ハル:それをあとの二人に聴かせて、アレンジを詰めて行く感じですね。

ユウ:それをお互いに持ち帰って、さらに煮詰めて。サウンドが決まったら、そこから歌詞を書き始めます。

――音楽的なこだわりや、特に大事にしているポイントなどは?

ハル:僕は音を作るほうの担当なので、サウンドの中に常に新しい感覚を入れていくことを意識してます。たとえば古い感じでやるにしても、そこに最新感は入れたい。基本的に新しもの好きなので、それを狙って入れられたらいいなと思ってます。たとえばマルーン5とか、古っぽいけど新しい感じの音作りじゃないですか? ああいう感じは、わりと参考にしてますね。

――その、「懐かしさと新しさのブレンド」というところは、曲を作るユウさんも意識してますか?

ユウ:歌詞のストーリーとしては、あまり時代性を考えないですね。何か1ワードぐらいはあっていいと思いますけど。「Oh!サマーKING!!」(2ndデジタルシングル/8月8日配信開始)にはツイッターが出てきますけどね。ツイッターとは書いてなくて「つぶやき」ですけど。

――あー、「デコメ入りのメッセージ」とか、このへんは確かに時代性が入ってますね。

ユウ:「シンデレラ」(3rdデジタルシングル/9月12日配信開始)と比べると、そうですね。「シンデレラ」は逆に、王道のラブソングを書きたいという気持ちが強くあったので、あえて時代性を感じる言葉を外してます。大きく言うと、メロディや詞を作る時にはそこまで時代性を考えずに、いつまでも聴けるような曲にしたいんですよ。自分がそういう曲が好きだし、歌詞を何度聴いても「ここはこういう意味だったのか」って、解釈が変わっていったりとか、何度も聴ける部分を残したいなと思っているので。

――ちなみに、そんなふうにずっと聴き続けている「心の1曲」って持ってます?

ユウ:何だろう? …ずーっと聴いてるのは、桑田佳祐さんの「祭りのあと」かな。小さい頃に聴いて、めちゃくちゃカッコいい大人の曲だなと思って、今も聴いてます。全然古くならないし、当時はわからなかった感情がわかったりとかして、面白いんですよ。あと、僕はユーミンさんも大好きなんですけど、何度も聴ける曲がありすぎて困りますね(笑)。歌詞の短さがすごいと思っていて、普通なら30行必要なところを、5行ぐらいで表現してしまって、すごい物語が1曲の中に詰まってるように感じさせてくれる。ああいう曲を作るのが理想ですね。

――「目指せ、新時代のスタンダードになるポップス!」という感じですか。

ユウ:そうですね。すごく新しくて、今まで誰もやったことがないというようなものでなくても、「こんなところにこんな素敵なものがあったんだ」という曲を作って、聴いてくれた人が「気づいたらそこにあったんだよね」と言ってくれたら最高ですね。そういう意味で、時代性はそこまで絞りきらずに、具体的なことを歌って、サウンド面はほかのメンバーに任せて、というのがいいのかなと思ってます。

――最後に、おまけの質問を一つ。覆面グループであることの利点ってありますか?

ハル:曲だけに集中できるんで、ライヴ・パフォーマンスを気にしなくていいのは気楽というか、自由ですよね。逆に制限がないぶん何でもできるので、考えすぎてしまうこともあるんですけど。

ユウ:曲作りに制限がないところが最大の面白さですね。ただ、もっともっとたくさんの人に届けられるようになった時に、ライヴができないのは悔しいだろうなとは思います。その時はまた、何か違う方法を考えたいですね。早くそれぐらいになれるように、いい曲をたくさん書いて、やっていきたいなと思ってます。

取材・文●宮本英夫


2ndデジタルシングル
「Oh!サマーKING!!」
8月8日配信開始
レコチョク http://recochoku.com/4foglio/
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album/id547885564

3rdデジタルシングル
「シンデレラ」
9月12日配信開始

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