【連載】nano.RIPEきみコの「き」は季節の「季」第5回「キレイな思い出」

8月になりました。

一般的に残暑と呼ばれる時期に入っているわけですが、まだまだ残暑というコトバが似合わない暑さ。
先月、夏が好きになれる作品を紹介したくせに、そんなあたしがやっぱり完全に好きにはなれないまま秋が来てしまうのかな。
気が付いたら涼しくなっていて、意味もなくセンチメンタルになったりするのかな。懐かしい。
でも、先月のコラムの効力か、今年は例年よりも夏っぽいことして過ごせた気がしています。

そんな夏の終わり、今月は「思い出がよりキレイになる作品」をご紹介。

音楽編 ―「グライダー」advantage Lucy

高校生の頃、今ではあまりやらないのかもしれないけれど、いわゆる「ジャケ買い」というやつでadvantage Lucyに出会いました。
ジャケ買いというくらいだからもちろん音は聴かずに買うわけで、家に帰ってドキドキしながら再生ボタンを押して、まず、ビックリした。Vo.アイコさんの声。
透明で、繊細で、初めて聴くのにどこか懐かしくて、だけどすごく芯が強く、希望というものを声にしたらこうなるのかもしれない、と。
それから遡って過去の作品も全部集めて、好きな曲はたくさんあるけれど、今回はアルバム「Echo Park」よりこの曲を。
爽やかなバンドサウンドに鮮やかなコトバが乗って、それに魔法をかけるようなアイコさんのウタ。
思い出を大切に抱えたまま、だけど振り返らずに進める、そんな1曲です。

読書編 ―「平面いぬ。」乙一

あたしが乙一さんの本で初めて読んだのは「GOTH」という作品でした。
トモダチに勧められて読んだのですが、予想に反して残酷、凄惨な表現に最初は拒否反応が出て、もう乙一さんの作品は読まない！と思ったくらい。
だけど、なんとなくずっと気になっていて、調べてみたらどうやらそうじゃない作品もある、とのこと。
思い切ってほかの作品を読んでみたら、あまりにもあたし好みすぎて、どうして最初にコッチを勧めてくれなかったんだ！とトモダチを問い詰めたくなるほど。
中でもこの「平面いぬ。」という短編集の中の「BLUE」というハナシが特に好きで、このハナシを読むと自分の小さかったときのこと、そして、3才のときからそばに居てくれている大切なぬいぐるみのことを、より愛しく思うのです。
今はもうすっかり乙一さんの大ファンで、苦手だと思った残酷、凄惨なモノもほとんど読んでしまっています。
よく知りもせずにキライだなんて決めつけたりすると、結局損をするのは自分なんだと気付かせてくれた作家さんでもあります。

思い出は時間をかければかけるほどキレイになってゆくもの。
そこにさらにこんな作品が寄り添ったりすると、もっともっとキラキラするんじゃないかと。
だからと言って思い出にすがるではなく、それを胸に前を向いて歩いてゆけたら、この先迷ったとき、悩んだときにも強くあれると、あたしはそんな風に思うのです。

nano.RIPE きみコ


2ndアルバム『プラスとマイナスのしくみ』
2012年10月3日発売
初回限定盤 （CD+DVD） LACA-35237 3,500円（税込）
通常盤（CD） LACA-15237 3,000円（税込）

「リアルワールド」
初回限定盤 （CD+DVD） LACM-34953 1,500円（税込）
1.リアルワールド
2.アドバルーン
3.モラトリアム
4.面影ワープ - Acoustic （ボーナストラック）
DVD※初回限定盤のみ
1.リアルワールド -MUSIC VIDEO-
2.nano.RIPE Out Takes -MAKING OF "リアルワールド"-
通常盤（CD） LACM-4953 1,200円（税込）
1.リアルワールド
2.アドバルーン
3.モラトリアム
4.パトリシア - Acoustic （ボーナストラック）

＜nano.RIPEライブ・スケジュール＞
8月31日（金）下北沢 QUE
9月15日（土）イナズマロックフェス2012 エンタメステージ （滋賀）
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10月8日（祝/月）代々木 Zher the ZOO & 代々木 LIVE labo
10月28日（日）名古屋 APOLLO THEATER

＜nano.RIPE LIVE TOUR 2012「アナザーワールド」＞
12月9日（日）仙台 パークスクエア
12月15日（土）名古屋 Electric Lady Land
12月16日（日）梅田 クアトロ　
12月22日（土）金沢 AZ
12月23日（日）金沢 AZ -スペシャル企画-
12月26日（水）赤坂 BLITZ

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