モーニング娘。、満15年の記念日に11期メンバー・小田さくら加入決定

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新メンバー発表のあとにはステージ上でメディア向けの記者会見も実施。つんく♂Pはこの15年を振り返って、「よく続いたな、って思います。本当に、ファンのみなさん、関係者のみなさんの応援があって、続けられました。あと、初期メンバー。あの娘たちが運と才能とタイミングを持っていて、やってこれたことが、この15年間につながり、そうして今の素晴らしいメンバーがオーディションをくぐり抜けてくるといういい仕組みができあがって、ファンのみなさんとともに成長してこれたと思っています。感謝しています。」と、自分たちだけではなく、ファンや関係者といった周りの協力があってのモーニング娘。だったことへの感謝の気持ちを述べた。

11期としてモーニング娘。に加入した小田さくらは、あらためての感想を訊かれて、長い沈黙ののち、「嬉しいです。嬉しいけどまだこれからがわからないので……自分なりに頑張ってきたと思います。」とコメント。さらに質問は、会場の期待感が一気に高まる「目標とする先輩」に。すると小田は、「歌の面では……」と切り出し、歌とそのほかでそれぞれ目標とする別の先輩がいることを予感させる。いや、もっと言うと、歌以外の面での目標とする先輩は、“歌はともかく、それ以外ではモーニング娘。をしっかりまとめている先輩”の名前が出ると思ったファンもいたことだろう。そして沸き返る会場と、ちょっと照れる先輩の顔。そんな状況を想像した人もいたはずだ。

ところが、話は予想していなかった方向へ進んでしまう。小田は言葉を続ける。「歌の面では……今いない方なんですけど(会場 爆笑)高橋さんとか新垣さんとか重い感じの(迫力のある)歌を歌いたいけど、ダンスでは中島早貴さんです、℃-uteの。」

驚きと納得といろんな声が混ざる中、「モーニング娘。の現役の立場は?」と、道重さゆみからのツッコミに会場は大爆笑と拍手喝采。「あとで田中れいなからの呼び出しがあるかもしれない……」という、つんく♂Pの煽りを受けて、田中れいなは、「嘘だよ嘘だよ!……トイレ来てね。」と、お約束のように発言。ただし、小田が加入したばかりの新人であることと、この手のバラエティー的なトークに慣れていないため、真に受けないように即座に発言を否定、あくまでジョークであるというフォローに追われていた。

また、小田と同い年の9期・鞘師里保は、「小田さんは歌が上手いというのはよく聞くので、私も負けたくないな、と思います。これから刺激を受けて、私も成長できるよう頑張ります。」と、よきライバルとして互いに高め合えるのではないかと期待をふくらませる。一方、小田はそんな鞘師について「なんか、背が高いんですよ、鞘師さん。私の方が小さいんですよ。だからウラに行かないようにしたい(=前に出たい)。」と、発言。これを小田からの挑戦と感じ取った周りは、再度、鞘師に発言するよう促す。すると鞘師は突然のことに「なっ、なんですか。」と、うろたえて、さらに「がっ、頑張ります。」と、なぜか押され気味。

いずれにせよ、この会見。気づけばみんな小田のペースに乗せられ、空気感に飲まれてしまっていたということを考えると、この11期・小田さくら。我々の想像以上の何かを持っているミラクルであることを感じずにはいられなかった。なお、小田のモーニング娘。合流は2013年のハロー!プロジェクト新春公演から。ただし、秋ツアーはメンバーと一緒に周り、パフォーマンスこと見せないものの、ステージに登場する予定だ。

「15年という歴史は本当にすごいな、って思います。15年前のメンバーはもう誰ひとりいないんですけど、私たちもモーニング娘。であり、誇りに思っています。今のモーニング娘。があるのは、やっぱり先輩たちがいたからこそ。歴史をつなげてくれた先輩たちと周りのみなさんに感謝の気持ちと恩返しをする気持ちで、現役が頑張って、今のモーニング娘。の時代を作りたいな、と思います。小田ちゃんも入ったことですし、新生モーニング娘。11人として、何か形を残して。……きっと、世間で言う“黄金期”は昔のモーニング娘かもしれないですけど、新しい、今のモーニング娘。を作り上げていきたいな、と、思います。」── 道重さゆみ

  ◆  ◆  ◆

ところで、サプライズというものはメンバーの素の反応が露呈する瞬間ではあるのだが、もっと彼女たちの素の姿が見えるのは、サプライズ直後の、自分たちにスポットが当たっていない状況だったりする。小田さくらの加入が発表された後、初代モーニング娘。メンバーたちからのお祝いコメント動画が会場では流された。この状況で、素の姿を垣間見せてくれたのが、ほかでもない、リーダーの道重さゆみだ。道重は、中澤、飯田、安倍、石黒とコメント映像が流されるビジョンに目を向けると、かかとをそろえて背筋をピンと伸ばし、いわば“直立不動”。さらに先輩たちからのコメントひとつひとつを噛み締めるかのように頷き、コメントが終わると軽くお辞儀、そして拍手を贈る。

リーダーに就任し、自分が一歩引く形で周りの後輩たちを立たせる機会が増えた。とはいえ、先輩たちやつんく♂プロデューサーにさえも臆することない彼女の毒舌・ナルシストキャラは今なお健在。ただ、そのキャラクターゆえに、特に無知な人たちからは誤解を受けることもある。

何気ないところ、我々が気づかないところで、相手に対して敬意を払うことを忘れない道重さゆみ。その姿があるからこその彼女の毒舌であり、そして彼女が第8代目リーダーとしてまとめあげているのが、ほかでもない、今のモーニング娘。なのである。


text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
◆BARKSかわいこちゃんねる
◆ハロー!プロジェクト オフィシャルサイト
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