LIV MOON【インタビュー】北欧神話から生み出される深淵でファンタジックな最新作『THE END OF THE BEGINNING』

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――4曲目「And Forever More」ではキー・マルセロとのデュエットも聴けて。作曲にもキーが参加していますね。

◆LIV MOON『THE END OF THE BEGINNING』~拡大画像~

AKANE LIV:今までのLIV MOONにはない楽曲だったので、デモの第一印象からすごく新鮮だったんです。今回のアルバムはレコーディングが始まる前に、曲順と、この曲はこういう世界観でやりたいっていうのを決めていたんで、キーにもデュエットで結ばれない愛をテーマに作ってほしいってお願いしていたんですよ。そうしたら彼がデモを送ってきたときに、あまりにもヴォーカルがカッコ良くて。本当はキーと唄う予定ではなかったんですが、これはもう彼が作った曲だから、彼に唄ってもらってギターも弾いてもらったほうがいいんじゃないかと思って、急遽お願いしたんです。彼が作ったこの曲と、「Immortals」は、どこかノスタルジックでいいですよね。北欧独特の香りがするので。今回のアルバムに入れるべきエッセンスになりました。

――個人的にすごく好きなのが「Misdummer Eve」なんです。古き良き、日本のヘヴィメタルというか、そういう匂いがしました。ハードなんだけどメロディが綺麗で唄いたくなる要素が強くて。

AKANE LIV:これは、北欧神話の中でも光の妖精を取り上げているんですけど、最初に聴いた時から、妖精が呪文をかけているような魔法の息のような声が入っていたんです。とても明るくて輝いていて。スウェーデンって夏がすごく短いんですが、その短い夏の中にキラキラしたものが凝縮されているような気がして。まさにそういう曲だなと思ったんですね。ですから、スウェーデンにいた頃の自分の幼少期を思い出しつつ歌詞を書いたんですよ。歌詞に出て来るんですが、子供の頃によく花輪を作ったんですよ。バイキングが、亡くなった人を葬るときにも花輪を一緒に川に流すんですけど、子供の頃は花輪と北欧神話がそんな風に重なっているなんて意識もしていなかったんです。この作品を作るにあたって北欧神話を読み返すと、そういう子供の頃の記憶とつながる部分がたくさんあったので、そこらへんを織り交ぜて歌詞を書いたんです。


▲『THE END OF THE BEGINNING』【初回限定盤】
――“七つの花を庭で摘んで、枕に忍ばせ眠りましょう”って、おまじないも出て来たりして、ロマンティックですよね。

AKANE LIV:女性って子供の頃からおまじないとか占いが好きでしょ?(笑)最近、女性のファンも少しずつ増えているので、そういう方にも楽しんでいただけたらいいなぁと思って。

――北欧に行ってみたくなりますね。

AKANE LIV:「Misdummer Eve」は、まさにスウェーデンから帰って一番最初にできた歌詞ですしね。

――北欧神話を読むだけではなく、作品を作るにあたって、スウェーデンにも行ってたんですね!

AKANE LIV:はい。北欧の神話って自然と共にという感じだと思うので、その世界観を一番キャッチできる状況に自分を持ってったんです。北欧神話って日本の神道と通じるものがあるんですね。神様は一つではなく、色んな神々がいて。土の神だったり、色んなものに神が宿って、自然の中で共存していて。そういう神道との接点も面白かったし、すべてが自然の中で起きていることだから、スウェーデンに行って、自然の中に身を置いたほうが一番インスピレーションがもらえるんじゃないかなと。それで、今回アルバムにも参加してくれている幼なじみのマグナス・ローゼン(元HAMMERFALL)がスウェーデンの森の中にゲストハウスを持っているので、そこに二週間滞在して。今回、キーが参加してくれるきっかけも、マグナスの紹介なんですよ。「今日、キーとランチするけど来る?」って誘ってくれて、それで知り合ったんです。そのゲストハウスは森の中にあって、10分歩くと森の中なんですよ。朝ご飯を食べたあとに、森へ行って鳥のさえずりや川のせせらぎを聴きながら、色々イメージすることができたんですよ。


▲『THE END OF THE BEGINNING』【通常盤】
――小説家みたいですね。

AKANE LIV:やっぱり北欧神話を読むだけだと、頭で考えちゃって突き抜けてはいかないですよね。「Hell」を書いたときも、Hellって地獄の門番だから、ダークに持って行こうと思えば、いくらでもダークに持って行けるんです。そうすると歌詞を読んでいても“うぅ……苦しい”ってなるような歌詞になっちゃうから、それよりも、心の中にある闇とか、Hell(地獄)というものを題材に歌詞を書こうと思ったんです。卓上で読んだだけでは世界は広がらないから、スウェーデンに行っちゃったほうが早いなと。

――「黄金の涙」はキコ・ルーレイロが作曲をしていますね。

AKANE LIV:はい。最初はスピードメタルの曲が上がってきたんです。でも、この曲順では、ここではバラードが欲しいと。メロディがすごく印象的でキャッチーだったので、アレンジャーの丘ナオキさんに「バラードにしてください」とアレンジしてもらって。それをキコにも聴いてもらったら、すごく気にいってくださったんですね。そういう柔軟性がありがたいですよね。キコのメロディックな部分と、丘さんがこのアルバムの世界観をすごく理解して、アレンジしてくださったから、とても良い感じでアルバムに収まったなと思います。

――最後、「Voyage」で終わったと見せかけて、また最初につながっていくような仕掛けも楽しいですね。

AKANE LIV:輪廻というか。「Voyage」という歌詞で私も書いたように、時代は違ったりしても、歴史はまた繰り返すし、例えそれがどこの国でも、どこの時代でも、神様でも人間でも、愛とか嫉妬とか底辺にある感情っていうのは変わらないから。

――回って行くというか、繰り返すイメージは、タイトルにも通じますね。

AKANE LIV:第一章が終わるから、第二章が始まるわけですからね。本当に前回のアルバムが、このアルバムに導いてくれるきっかけを残してくれたなぁと思っていて。その前にも「Golden Moon」の低音ヴォイスがあったから黒LIVが出て来て。毎回、いろんなヒントがあるから、次はどうなるんでしょうか……っていう感じなんですけど(笑)。

取材・文●大橋美貴子

『THE END OF THE BEGINNING』
9月26日(水)リリース
【初回限定盤】CD+DVD
VIZL-489 \3,800(tax in)
【通常盤】CD
VICL-63914 \3,150(tax in)

01.Prologue
02.Free your Soul
03.Fountain of my Pleasure
04.And Forever More
05.Black Fairy
06.The End of the Beginning
07.Valhalla
08.Midsummer Eve
09.Hell
10.霧の葬送曲
11.Land of Spirit
12.Immortals
13.黄金の涙
14.Voyage

LIVE DVD『LIV MOON CLUB SHOW 2012 “Symphonic Moon” ~White Night & Black Night~』
発売中
VIBL-641~642 ¥6,800(tax in)
【収録内容】
■DISC 1 “White Night”
1.Introduction~Whiteness
2.THE PHANTOM OF OPERA
3.Fly
4.Black Serenade
5.心月世
6.心の棺
7.Interlude~The Motif of Destiny
8.ohmura’s Solo
9.Kiss me Kill me
10.Amen!
11.MASAKI’s Solo
12.堕天使の笑み
13.Interlude~By the Ruin
14.Masquerade
15.溺れる人魚
16.アマラントスの翼
17.The Swan Lake Metal
18.命の森
19.The Last Savior
20.Interlude ~Privileged~
■DISC 2 “Black Night”
1.Introduction ~Blackness
2.雫の天使
3.Say Goodbye
4.Fugitive
5.ESCAPE
6.Alchemy
7.Interlude~The Motif of Destiny
8.ohmura’s Solo
9.Kiss me Kill me
10.Amen!
11.MASAKI’s Solos
12.堕天使の笑み
13.Interlude ~By the Ruin
14.Masquerade
15.DOUBLE MOON
16.Black Ruby
17.The Swan Lake Metal
18.鮮やかに…
19.The Last Savior
20.Interlude ~Privileged~

【ライブ情報】
LIV MOON LIVE 2012 『THE END OF THE BEGINNING』
11月30日 (金)品川ステラボール
[問] クリエイティブマン 03-3499-6669(平日12:00~18:00)

【オフィシャルスペシャルページにてセルフライナーノーツ×試聴×ウスダヒロ・イラスト公開中!】
『THE END OF THE BEGINNING』 の発売を記念してオフィシャルスペシャルページにて
・本人が語るセルフライナーノーツ
・アルバム全曲試聴、
・かねてよりLIV MOONのファンであることを公言しているイラストレーター ウスダヒロが、これまでLIV MOONオフィシャルfacebookにてアルバム収録楽曲に沿って描き寄稿した北欧神話のキャラクターたちを順次公開!

◆LIV MOON オフィシャルサイト
◆オフィシャルスペシャルページ
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