【異次元連載】トム・ハミルトンが語るエアロスミスの真実 Vol.1「このアルバムこそ、まさにエアロスミスの集大成だ!」

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Mr.Sweet Emotionの異名を持つ“バンドの頭脳”が明かす、最新作『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』のすべてと、怪物バンドの現在、過去、未来。

この11月7日、全世界待望のニュー・アルバム『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』をついにリリースするエアロスミス。なんとBARKSではこれに先駆け、バンドの頭脳ともいうべきベーシスト、トム・ハミルトンとの独占超ロング・インタビューに成功! 本日を皮切りに、そのあまりにも濃密な会話の内容を“トータル掲載回数未定の連載”という掟破りのスタイルでお届けできることになった。

今回はまずアルバム完成にあたっての、トムの第一声を。この取材の直前に全曲を試聴する機会に恵まれた筆者が、最初に「かつてどんな時代にも生まれ得なかったエアロスミス作品だと思う」と感想を述べると、彼からは「君の見識はかなり鋭いね!」というお褒めの言葉が。そのまま彼は、次のように語っている。

「今回のアルバムをすでに聴いている人たちのほとんどは、僕たちが70年代にやっていたことに戻っていると言っているし、たとえば『闇夜のヘヴィ・ロック』(1975年)の頃のようだと指摘する熱烈なエアロスミス支持者もいる。確かに、あの時代との関連性があることは間違いないよ。サウンド的にもそうだし、このアルバムを作っていた当時にみんなが感じていたこと、考えていたことに、当時と共通するものがあったのは疑う余地もない。それは、ふたたびジャック・ダグラスと一緒に作ったからこその部分でもあるだろう。彼と一緒にオリジナル・アルバムを作ったのは、70年代以来のことだからね。まさに当時の歴史に根差した要素というのがいろいろとあったわけだよ」

ジャック・ダグラスは『飛べ!エアロスミス』(1974年)から『ドロー・ザ・ライン』(1977年)に至るまでの4作品を連続的に手掛けていた、1970年代のエアロスミスを語るうえでは欠かすことのできないプロデューサー。一時はバンドと距離を置いていたが、近年のライヴ作品や、カヴァー曲主体に作られた『ホンキン・オン・ボーボゥ』(2004年)にも彼の名前はクレジットされている。そんな彼の存在が、今作には不可欠だったというわけだ。しかし当然、それだけではない。トムは、次のように発言を続けている。

「でも、それだけじゃないんだ。1980年代や1990年代、そして2000年代に自分たちがやってきた音楽からの影響もここには出ている。だから僕は、このアルバムこそまさにエアロスミスのキャリアの集大成だと思うね。1980年代、1990年代からの影響も聴きとることができるし、バラードもあれば、たとえば“ストリート・ジーザス”のような、スティーヴン(・タイラー)のナスティでエネルギッシュなヴォーカルを載せた完璧なギター・リフ・ソングもある。だから本当にこのアルバムは、文字通りこのバンドが生きてきたすべての時代を網羅していると思うんだ」

トムの話が止まらなくなってきた。しかもさっそく具体的な最新楽曲の話まで飛び出してきた。……というわけで、勿体ぶるようだが、今回はここまで。この言葉を特別連載のイントロダクションとしつつ、次回からはこのアルバムに収録されている各楽曲にまつわる彼の言葉を、たっぷりとお届けする。それに交えながら過去の逸話の数々もお届けできるはずだし、この連載継続中に、彼らにまつわる最新ニュースも次々と飛び込んでくるに違いない。エアロスミスを愛するすべての人たちに、日々、欠かさずBARKSをチェックすることをお勧めしておきたい。もちろん、これから彼らの歴史に触れてみようという世代の読者たちにも。次回更新は、11月3日の予定。どうぞお楽しみに!

取材/文:増田勇一

◆エアロスミス特設チャンネル「 【異次元連載】トム・ハミルトンが語るエアロスミスの真実」
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